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 何故地獄と対をなす天国は"てんのくに"と書くのに地獄は"ちのごく"とかくのでしょうか? 対の言葉なら天国を"天獄"と書くか地獄を"地国"と書けばいいのに。このことに関しての漢字の由来など知っている方いらっしゃいましたらぜひともお教え願えないでしょうか?

A 回答 (6件)

 仏教経典で説かれる「地獄」は、インドのサンスクリット語「naraka」、「niraya」の漢訳です。

漢字音写では「奈落(ならく)」で、これは“悪行を積んだ者が責め苦を受ける地下世界”の総称です。この奈落を漢訳するに当たり、“地下の獄”という意味で地獄としました。
 漢字「獄(yu4)」は、“二匹の犬が門番をする様子”、あるいは“犬が争っている様子”などを表すといい、そこから「うったえる」「ひとや・ろうや」を意味し、そこから“処断する”、“罪を科する”を意味します。つまり牢獄・獄死・獄卒などの獄です。

次に仏教経典で天人が住む世界は、「天道」「天上」「天界」「天堂」と訳されます。これはサンスクリット語「deva-gait」「svarga」の訳語で、バラモン教での“神々の赴く所”を意味します。
 仏教はバラモン教への批判(否定ではない)から生まれた面もあるので、“バラモン教での理想世界と雖も、仏教から見ればまだ解脱していない”として迷いの世界のひとつとします。
 漢字「天(tian)」は、人の頭部を強調している姿から、「あめ・そら」。そこから転じて気候・神々・君主・自然などを意味します。漢字「神(shen2)」は“人倫を超えた存在”を、「鬼(gui)」は“死者の魂”“先祖”を意味します。そこで、サンスクリット語devaを漢訳するに当たり、天上に住む鬼神という意味で「天人」と訳しました。
 仏教では仏の住む世界は「浄土」、「仏国土」といいます。極楽は阿弥陀如来の住む西方の浄土の一つであり、極楽以外にも薬師如来の浄瑠璃世界。弥勒菩薩の都卒浄土。大日如来の密厳浄土・蓮華蔵世界などがあります。ただし、浄土は特定の世界というだけでなく、自分自身の心の境地をも意味するので、単純なユートピア思想ではありません。


 天国はキリスト教の「Kingdom of heaven」の訳語です。仏教での天道や天上と混同されないためにも、新語を造ったのかもしれません。なお、ユダヤ教・キリスト教・イスラムで信仰される、「創造主(Yahweh)」は唯一にして絶対なる存在です。そのため東洋的な神とは本来一線を引くべき存在ですが、神と翻訳したために混乱が生じている面もあります。

参考
『大漢語林』
『岩波 仏教辞典』
『密教辞典』
 
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#4です。

ただし。聖書には地獄がどういう場所であるのかは一切説明されていません。
ですから、むしろキリスト教とともに入ってきた HeavenやHellをそういう風な言葉に翻訳した、ということですが。(ダンテの「神曲」あたりが、中世的な天国・地獄のイメージを確定したような)
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こういうふうに天国・地獄と対置して言う時には、heaven と hell の訳語であって、基本的には明治の文語訳聖書あたりが元でしょう。

(ということは欽定訳から出発しているのでもとは英文が基本ですね)
天国については「神の国」といういささか意味の違う、しかし似た言葉があります。それとの関係で新たに作った言葉でしょう。これに対し地獄は仏教のそれを転用しています。むろん仏教の地獄とキリスト教の地獄は全く違うものですが、神ということばをはじめ、明治・大正期の文語訳聖書で転用され、定着した言葉です。翻訳と言うものはそういうものであって、特に新しい概念を丸ごと入れる時は古い言葉の意味を膨らませてやる、というのは一つの重要な手法ですから・・・・

#3さんの仰るように仏教においては地獄と天国という対立概念は無く(天国が無い、という他に天界といえども六道の一つですから、逃れるべきものの一つに過ぎない、というのが仏教です。)、地獄も天界も含め世界(苦界といいます)を転生して経めぐること(六道輪廻)をやめちゃおう(解脱)、というのがつまり成仏ですから。そういう意味では仏教の場合は六道全部が獄であるとも言えます。

獄と国の違いは皆さんの仰る通り。キリスト教の場合地獄は神の意思に多かれ少なかれ逆らった人間の行くところで、基本的に永久に脱出できない場所です。(例のハルマゲドンの時のみ別、だったかな?)
仏教の場合地獄からも輪廻しますから。次にどこへ行くかという仕組みについては諸説あるようですが・・・・・いずれにせよ行ったきりという場所ではありません。むしろ応報刑を受けて、満期となったら出て行くべき場所です。
そういう意味で、同じ獄という字をあてていますが、かなり違ったもののようです。ただ、仏教の場合も地獄とは罪人が行く場所ではあるので、牢屋でないと都合が悪いわけです。かたや懲役+拷問(仏教)、かたや永久の拷問(キリスト教)をされるので獄なわけです。もっとも天国にしたところで、勝手にでてはいけない場所なのですが。
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天国はいいけど、天獄はいきたくないですね(笑)


地獄←→天国のような対語として扱われ始めたのは、少なくともキリスト教伝来以降のはずです。

本来、地獄とは仏教の六道(りくどう)の一つで、生前の行いの善悪の度合いや種類によって、6つの世界、つまり地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天界のどれかに住むようになると考えられています。

したがって天国(てんごく)とは比較的新しい言葉だと考えられます。
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獄(ごく・ひとや)。

罪人をとらえておく場所の事。牢屋。

天獄だったら誰も行きたくならんでしょうね。地国だったら、みんな「まあその程度だったら行っても良いか」って思ってしまうでしょう。

由来の前に、文字の意味を調べればいいと思いますよ。
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「獄」は罪人を閉じ込めておく所だから、


「国」なんかにしたら意味が無いぞ。
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この回答へのお礼

 素早い返信どうもです。よくよく考えてみると天国と地獄の二文字目がそもそも"ごく"と言う発音だから紛らわしいのですかね? これが"天○"と"地○"と別々の発音の漢字が入っていれば何の違和感もなかったのかもしれませんが。

お礼日時:2006/07/27 00:41

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