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ヴァチカン市国の、クーポラはどこから見ても
よく見えて、丸くて綺麗な形をしていましたが
どうして丸いドーム型なのかな?と
思います。
他の教会は普通に尖塔型の屋根が多いですよね?

もし、ご存知の方がいらしたら教えてください。

よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

 このご質問、とてもいいテーマですし、かなり詳しい方もいらっしゃるはずなのに、まだご回答がないので、大したことも知らないわたくしが先陣を切らせて頂きます。



 まず建築学的にいえば、尖塔型の屋根(塔)の場合は平面の面積が限られます。底面積を比較的広く設計したいカテドラル(聖堂)ともなると尖塔型ではその分だけ高さを高くしなくてはならず、裁量の重量とともに、その強度の確保にも問題が生じやすいことになります。

 その点、丸天井であるクポラにしますと、頂点からクポラの底部までを放物線で構成することによってクポラ部分の鉛直線上の強度配分が大変楽になりますから、その分だけ部材を減らせますし、当然総重量を少なくも出来ることになります。もとより各方向に対する強度も高いのがこうした放物線を使った構造物の特長でもあります。

 わたくしはこの時代の歴史にはまったく疎いので、そのあたりはほかの方にぜひご説明をお願いしたいのですが、このようなクポラ式の工法のルーツはトルコに興ったビザンツ文化を中継点としてイスラム圏から伝わった工法ではないかと思うのです。

 と言いますのは、イスラム圏で見られるモスクは、古いものになるといずれも石材でクポラ(ドーム)を築いていますから。彼らは底部から正確な放物線のカーブに従ってブロック状の石材を積み上げ、最後に頂上にキーストーンを押し込むと、クポラ全体が重力に耐え、しかも年月とともにしっかり噛み合ってさらに強度を増すということを知っていたようです。

 こうした文化文明、そして構造や工法はその後のヨーロッパにも伝わったらしく、たとえばヨーロッパでは何処にでも見られる石造りの門のアーチだとか橋梁のアーチにも見られます。
 古代ローマ帝国が各地に築いた多くの建造物はその多くが石材を積み上げて構築されていますが、そのどれにもアーチ状の部分が見られます。
 こうしたアーチもまた、クサビ状に削った石を放物線に沿ったカーブに積み上げ、最後にキーストーンと呼ばれる要石(かなめいし)を嵌め込むことで全体が落ち着き、もちろん崩れることもない大変強固なものに仕上げていますが、そけらが今日でも完全に残っていることを見ても、その工法と強度との完全なまでの理解力を持っていた証拠と言えは言えませんか。

 話はそれましたが、カテドラルのクポラも同様の知識によって軽く、強く、そして荘重な、そんな姿を実現したのだと思いたいところです。

 ごく古いクポラでは事実石積みだけで構築されたものがわずかに残っていますが、バチカンはじめ多くの大きなクポラ(ドーム)ともなると、やや時代が下ることから、その多くは鉄材によって骨組みが構成され、この部分だけは重いブロック状の石材を使わず、今で言うスレート状のものを貼るといった構造になっていると思います。

 現代でも明り取り(スカイライト)などに半透明の樹脂材で成型したクポラを屋上や屋根に取り付けることがありますが、これらもまた、その断面は放物線に沿った形状にして強度を確保しているようです。

 はなはだあいまいなご回答ですが、せめてヒントにはして頂けるかなと思っています。
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