前々から疑問に思っている事があるのですが、
例えば我々が住んでいる地球は、太陽を中心に公転しているのですが、
これって、凄くシビアなバランスを保っていると思いませんか?
地球と太陽は、引力で引き合って距離を保っていると思うのですが、
少しでも距離が変われば、加速的に引き合うか、遠心力で何処かにとばされるという事が起きそうなのですが、現実には何億年以上も
遠心力と引力のバランスを保ちながら、公転しています。
そんな惑星や月みたいな星が、太陽系だけでも20以上あると思います。
これってとても不思議です。
例えば人工衛星等は、制御が利かなくなった時点で短期間に、地球に落ちるか宇宙に飛び出す事なりますよね。
憶測でもいいです。ご意見等お聞かせ下さい。
宜しく御願い致します。
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
>例えば我々が住んでいる地球は、太陽を中心に公転しているのですが、
>これって、凄くシビアなバランスを保っていると思いませんか?
そのように感じられるのは自然なことで、驚異する心も重要です。しかし、天体力学的に言いますと、「凄くシビアなバランス」ではないのです。「非常に安定したバランス」なのです。
たとえ話だと、底が窪んでいるお盆のようなものを考えてください。十分に窪みが深いとします。このお盆にビー玉のような玉を入れます。最初、ビー玉はころころ転がっていますが、やがて、底の一番深い部分で止まります。
このような位置を、ポテンシャル的にもっとも低い位置と呼びます。ポテンシャルの井戸という表現もあります。この井戸の底から出ることが、例えば、地球が太陽の公転軌道から脱することを意味します。
しかし、そのためには、もの凄いエネルギーが必要になります。深い井戸から水を汲み出そうとすると、随分力がいるはずです。それと同じで、もの凄いエネルギーが地球に加わらないと、公転安定軌道というポテンシャルの井戸の底から地球は出てきません。
月が、地球の周りを公転していて、何十億年もたつのに落ちてこないというのも同じ原理です。月を地球の公転軌道から外すには、もの凄いエネルギーが必要です。地球と月のあいだの距離が、ゼロになった場合が、実は、地上にいるわたしたちの状況です。
わたしたちも、地球のまわりを公転しています。ただ、丁度、自転と同じ運動の公転なので、公転に思えないのです。地球はもの凄い速度で自転しています。そんな地球の上にいて、宇宙に吹き飛ばされないだろうかというおそれが出てきますが、大丈夫です。
地球の表面の自転=公転軌道から脱出するには、莫大なエネルギーが必要です。宇宙ロケットの発射を見られると分かりますが、大量の液化燃料をもの凄い速さで燃やして、その反動で、エネルギーを得ます。ロケットはせいぜい、数トンとか10トンというぐらいで、実際に、衛星軌道に出るのは、もっと軽くなります。
月が、地球の公転軌道から脱出しようとすると、月の質量はもの凄いですから、それに見合ったもの凄いエネルギーが必要になります。太陽のまわりの地球の公転も同じことです。
こういう風に公転運動は非常に安定しているのです。
ただし例外があります。太陽系の諸惑星が公転をし続けて行くとき、その配置で、少しづつ、特定の惑星に軌道を離れるエネルギーを与えて行き、やがて軌道から逸れるという可能性がありえるのです。また、特定の惑星配置になった時、こういうことに近いことが起こり、太陽系の公転の秩序に攪乱が生まれる可能性があります。
これについては、天体力学的な色々な手法で計算したり推定しても、極度に微小な誤差あるいは、計算上無視したファクターの影響で、何十億年間などの天体の運動がどうなるのか、正確に把握できないという事実があります(現在の安定が長期的には維持されないという可能性があるのです)。
しかし、こういうことが起こるとしても、何百万年とか何千万年という過程が必要になります。予兆があれば、現在観測で分かります。
それよりも、「衝突軌道交差」という問題があります。これは、小惑星と惑星の衝突ではなく、惑星同士が、軌道の少しづつのずれで、やがて正面衝突するのではないかという問題です。こちらも方も「ない」とは言えませんが、想像を絶する微小な確率だということでしょう。
第二に、別の恒星の接近や、別の太陽に匹敵するぐらいの質量天体の太陽系への異常接近という問題があります。例えば、現在約4光年の距離にある、アルファ・ケンタウリ星が、千天文単位ぐらいの所まで接近して通過すると、太陽系のシステムは、ばらばらに乱される可能性があります。
しかし、こういうことが起こる確率も、相当に小さなものです。
なお、人工衛星は、エネルギーは最初に与えたものが基本で、後は、慣性運動と言って、そのまま運動し続けるままにします。人工衛星の軌道は低いので、まだ大気がごく薄くあるので、大気との摩擦で、公転を維持している運動エネルギーが失われて行きます。
段々、人工衛星は、低い軌道に移って来るのです。そして高度が低くなると、大気密度はより大きくなりますから、摩擦はますます大きくなります。
衛星軌道の高度が、地表面よりも高く維持できなくなると、人工衛星は落下して来ます。ただし、「落下」というよりも、正確には、地面に対し斜めの方角から、地表面に突っ込んで衝突するのです。真上から落ちてくるのではありません。
No.12
- 回答日時:
さらにおまけ。
「ケプラーの法則」というのがあって、公転している物体(天体)は、楕円軌道をえがいて、公転速度は、楕円の中心と結んでできる扇形の面積が等しくなるように、遠いところでは遅く、近いところでは速くなっている。
「完全に円」というのはシビアなバランスだと思います(投げたコインが裏も表も出ずフチでたつようなもの)が、速度が速くなったり遅くなったりしながら距離を変えながら運動しているのは、じつは安定した運動といえるでしょう。
(自転車をこけないで乗るのに、「傾かない」ことはシビアな要求ですが、右や左に傾きなおしながら乗っていれば安定します)
この場をお借りしまして。皆さんにお礼申し上げます。
宇宙には、私の想像する以上に大きな力があり、それらが
一見微妙にバランスしているように見えて、実は当たり前のバランスを
保っている事が、皆さんの回答で理解できたような気がします。
貴重な時間を割いてお返事いただけた事には、本当に感謝しています。
どうも有り難う御座いました。
No.11
- 回答日時:
先の No.8 の回答で、地上にいる人は、地球のまわりを「公転している」と書きましたが、正確でないので訂正します。「公転」というのは、天体の引力と遠心力が釣り合って「自由落下」状態になっている惑星または衛星などの回転運動のことです。
実は、地表すれすれの衛星軌道というものもあります。現実には、このような軌道を持つ人工衛星等は、山に衝突するとか、その前に、空気との大きな摩擦で高温になり、また摩擦でエネルギーを失って落下してしまいますが。
地球の引力を脱出する最低限のエネルギーが必要で、普通、これを「速度」で表現し、「第一宇宙速度」と言い、これは秒速7.9kmほどです。秒速7.9kmで地球のまわりを回転すると、これが地表すれすれの軌道になります。
もう一つ、地球の引力から完全に脱するエネルギーというのがあります。これも速度で表現し、「第二宇宙速度」と言います。これは、秒速11.2kmです。エネルギーで比較すると、第二は第一の二倍になっています。速度では、√(2) 倍になっているのです。
色々な地球の衛星は、人工でない月も含め、この秒速7.9kmと11.2kmのあいだにあります(これは、その軌道に達するために必要なエネルギーで、衛星の公転速度ではありません)。
(なお、太陽の重力から脱出するには、秒速617.7kmという、桁違いの脱出速度、従ってエネルギーが必要になります)。
人工衛星のように軽いものだと、少しのエネルギーを加えると、高い軌道に昇り、少しのエネルギーを摩擦や衝突などで失うと低い軌道に降下します。しかし、月のような大きな質量を持つ天体だと、その軌道を少しでも変えようとすると莫大なエネルギーが必要になります。
太陽と地球、太陽と他の惑星の関係の場合、もっと質量が大きいわけで、これらの惑星の軌道を変えようとすると、想像を絶した大きなエネルギーが必要になり、きわめて安定性が高いのです。
(逆に、太陽ぐらいの質量の天体が、太陽系近くに来ると、その重力のエネルギーが、これまた想像を絶する莫大なものになるため、太陽系の惑星軌道の安定さえ、壊されるのです)。
No.10
- 回答日時:
おまけついで。
8の回答で、地上にいる人間が地球の周りを「公転」している状態とありますが、
「落ちつづけている状態」が公転であって、「おちてしまった」状態は公転とは言いません。地面から力を受けて地球にめりこまないだけ。「公転」しているならケプラーの法則でうごいていなければならない。
「落下」というのは「放物線を描いて落ちる」ことですので、「直線」をさしません。
ニュートンがリンゴに実が落ちるのを見て、「地球は自転しているんだから、斜めにおちてもいいじゃないか?」という疑問をもって、慣性の法則と、加速度運動と、微積分と、そういうものをひらめいたとか・・・・。(どこまで事実の伝説かしらないけど)
No.9
- 回答日時:
おまけ。
短時間で落ちてくる人工衛星は、
「制御して」落としています。どこにおちてくるかわからないより、人のいない場所をねらって、制御エンジンで軌道から落ちるようにしています。
No.6
- 回答日時:
昨年やってたNHKスペシャル「宇宙」で恒星とその周りを回る惑星の公転についてやってましたよ。
その中では巨大惑星(太陽系でいえば木星のような…)の質量がその他の惑星の公転にも大きく影響し、何億年かの間にはバランスがとれなくなって弾き出されたりする事もあるというような内容だったと思います。>例えば我々が住んでいる地球は、太陽を中心に公転しているのですが、
>これって、凄くシビアなバランスを保っていると思いませんか?
私たちは運がよかっただけではないでしょうか。たまたま距離とかそれぞれの惑星の質量がバランスとれているだけなのではないでしょうか?木星クラスの惑星がもう何個かあったら、太陽系もものすごくダイナミックでしょうね。地球の公転軌道は安定せず、ものすごく暑い年があったり反対にものすごく寒いとか…。でも、もしそういうところだったら生命が生まれず、plussun さんのように考える文明人もいないかもしれませんネ。
専門外なので自信なしです…。
No.5
- 回答日時:
メインの質問に対する答えは他の方々にまかせて、
> 人工衛星等は、制御が利かなくなった時点で短期間に、地球に落ちるか宇宙に飛び出す事なりますよね。
違います。地球を周回するのに必要な速度を失った時点で地球に落下します。そもそも人工衛星は、通常は
惰性だけで飛んでいるのであって、たまに姿勢制御などを行うだけなのです。制御を失ったまま飛びつづけて
いる人工衛星なんて数え切れないほどあります。(「ひまわり」もそうじゃなかったっけ)宇宙に飛び出す
ためには、人工衛星として飛びつづけるのをはるかに越えるエネルギーが必要ですから、そのようなエネルギー
を得ることがない限り、宇宙に飛び出したりしたりしません。
No.4
- 回答日時:
「遠心力」、というのは「みかけの力」ですからね。
遠心力、というのがあって、それとつりあった重力でつりあっているわけではない。
動いてなければまっすぐ落ちる物体が、速度をつけて投げれば「放物線」を描いて落ちる、速度を上げるとだんだん遠くまで届く。地球は丸いから、秒速約7kmで地球を一周する。速度をあげるとだんだん「長円」になっていく。ということを、ニュートンが「落ちるリンゴ」をみて思いついたとかいう伝説になっています。
人工衛星の「飛行」高度は、「スペースシャトル」で約200km。「ミール」でも約500kmぐらいだったとおもいます。地球の半径6400kmからみれば、「みかんの皮」みたいなところを飛んでいる訳ですから、制御が利かなくなれば抵抗で落ちるのはしかたありません。(静止衛星は3700kmぐらいでかなり遠いから、「初代ひまわり」みたいに故障しても落ちない)
No.3
- 回答日時:
求心力よりも遠心力が勝ってしまった天体はとっくのとうに太陽系から離れて行ってしまっています。
残っているのが惑星や他の周期的に訪れる彗星などなのです。言ってみれば『落ちる』ということも『落ちない』で軌道を周回することも同じことなんです。
地上でボールを地面に対して平行の方向、つまり水平に投げたとすると放物線を描いてそのボールはいつか地面に落ちますが、地球や他の惑星も同じように太陽に向かって落ち続けていると考えてもいいのです。ただしボールの場合は平らな地面がありますが、地球を含む惑星は太陽からの距離が遠いので落ちていってもそこに太陽がなく、更に落ち続けようとしてもそこに太陽がなく…ということを繰り返しているのです。
ただ、人工衛星が永久に地球を周回できずに地球に落ちてしまうのは大気の抵抗のせいです。
どの惑星や彗星も楕円軌道ですが、最初にどの方向に力が加わったかによって、ハレー彗星のように極端な長楕円の軌道を描く天体もあれば、地球のように真円に近い楕円軌道を描いている天体もあります。
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