原爆の事前通知について

この前日本の首脳部は長崎原爆投下後も戦争継続を決定しているので、仮に米国が原爆投下の事前通告や無人地帯でのデモンストレーションを行っても日本は降伏しなかっただろうという主張を見かけましたが、そもそも原爆の性能を正確に把握していれば対抗手段もないので、どう考えても降伏以外ありえないと思います。もしこの決定が原爆投下直後のかなり感情的になった状況での判断だとしたら、この判断は一時的なものであったろうし、この事実をもって事前通告やデモンストレーションを受けても降伏しなかったと言い切ることはできないのではないかと思ったのですが、他の方々はどうお考えでしょうか？

No.4 ベストアンサー 回答者： RadishRage 回答日時： 2007/06/09 00:58

原爆と降伏はリンクしません。

客観的に見れば、原爆投下は戦意喪失効果も狙った効果的な空襲が目的であり、それと同時に威力を実際に確かめるための実証実験です。これに加えて隙あらば漁夫の利を狙って満州や日本へ攻め込もうとするソ連（場合によっては中国）への牽制だったと考えた方が自然です。当時は白人から有色人種は人間とはみなされていませんでしたのでアメリカは人間に対して原爆を落としたのではありません。当然ながら日本側も敗戦が近いとは見ても降伏勧告だとは思いません。

仮に決断時期が御前会議より前だとしても、どの時点で決断があったのかは分かりません。しかし、降伏した直接の原因は原爆ではなくソ連の侵攻により占領地が全て落ちたためです。ドイツや満州に攻め込んだソ連軍が何をしたかを見れば分かりますが、本土決戦による更なる被害を避けるためには降伏しか選択肢がなかったと考えられます。

事前通告やデモンストレーションに関しては余程の信頼性がなければ敵国のプロパガンダとみなされる可能性が高く、映像情報が入手困難なためあまり効果はないと考えられます。まして降伏勧告などすれば逆効果です。また、原爆は日本でも開発が進められていましたが、開発には成功しませんでしたので正確な性能や放射能による影響についてはほとんど分からなかったと思います。投下された時も原爆らしいと言う事は分かったようですが、これといった被害対策はとられておらず、表向きは新型爆弾と呼ばれていました。

そもそも、原爆のように強力な新兵器は心理的効果も狙って不意撃ちで使うのが常であり、軍事機密として使用するまで敵国には知らせないのが普通です。劣化ウラン弾を使うから降伏しろなどとブッシュがフセインに知らせたらどんな事になったか考えれば分かると思います。

なお、一般には原爆投下が戦況にかなり影響を与えたとされていますが、攻撃方法として考えると、原爆は長期的な影響が残り、一発の攻撃力が高いと言うだけで原爆投下は空襲の一形態であり、残虐性が非常に高いものの、殺すと言う事に関しては焼夷弾と何もかわりません。

この回答へのお礼

>降伏した直接の原因は原爆ではなくソ連の侵攻により占領地が全て落ちたためです。
ソ連の参戦がそこまでウェイトを占めているということは知りませんでした。
>なお、一般には原爆投下が戦況にかなり影響を与えたとされていますが、攻撃方法として・・・
確かにその通りですね。これで当時の流れが分かるようになった気がします。
今まで原爆投下＝戦争の終結という認識が固定観念になっていたので非常に参考になりました。

お礼日時：2007/06/09 10:51

No.3 回答者： Scull 回答日時： 2007/06/09 00:51

誤解のない様に申し上げておきますが、原爆投下よりも前、日本軍は降伏を検討していましたよ。

ソ連を仲介者として。

原爆を契機として降伏を決定したのではありません。ソ連の対日戦参戦が日本首脳部に「ソ連を仲介者とした停戦」を断念させて、降伏を決意させたんです。原爆の投下もやはり「対日戦に参戦したソ連へのデモンストレーション」であって、日本へのメッセージではありません。
日本が停戦への意志をソ連に見せたことがソ連の対日戦参戦を「早め」、それが原爆の投下と日本の降伏を決定したんです。

原爆によって日本が降伏したと考えるのは、物事の「原因と結果」を取り違えています。

この回答へのお礼

>「ソ連を仲介者とした停戦」を断念させて、降伏を決意させたんです。
それが日本の終戦計画だったんですか・・。仲介を期待した国に逆に攻められるとは悲惨ですね。
>原爆によって日本が降伏したと考えるのは、物事の「原因と結果」を取り違えています。
なるほど・・アメリカ側や一部の日本人が主張する原爆投下→戦争終結という図式は完全に間違ってると言うことですね・・。むしろ逆の部分もあるということですか。こういうことについて書かれたHPや本はなかなか身の回りにないので非常に参考になります。

お礼日時：2007/06/09 11:32

No.2 回答者： aran62 回答日時： 2007/06/08 23:53

日本が何故終戦を迎えられたか。

天皇が決意したからです。
それ以外は一億玉砕・国家総焦土の道を歩んでいたと思います。

No.1 回答者： Rafi 回答日時： 2007/06/08 23:43

対抗出来ないから降伏という選択肢が選べる国であったなら、沖縄上陸もなければ、集団自決もなかったと思います。

一部の強硬派は真実を覆い隠す教育をしてしまい、それが同時に最後に首を絞めたようにも思えます。

が、一方でこの米国の主張ですが、水爆実験のビキニ環礁の件を見る限り、戦時下でなくとも、ろくに告知も住民対策もしていない訳ですから、たとえ日本が「受け入れられる国」であっても、戦時下で告知をしたかどうか、微妙だと思います。

参考URL：http://www.morizumi-pj.com/bikini/bikini.html

この回答へのお礼

>対抗出来ないから降伏という選択肢が選べる国であったなら、沖縄上陸もなければ、集団自決もなかったと思います。
ここでの「対抗できない」というのは相手に一切損害を与えられない一方的な状況と言う意味で、相手にも損害を与えうる沖縄戦とは少し違うニュアンスで書いたつもりでした。
>一部の強硬派は真実を覆い隠す教育をしてしまい、それが同時に最後に首を絞めたようにも思えます。
そうですよね。
>水爆実験のビキニ環礁の件を見る限り・・・
そんなことがあったんですか。知りませんでした。なんというひどい話だ・・。他の方の意見を顧みても、そもそも連日のように町を無差別爆撃していたアメリカがこの時に限って親切にも原爆について通告し、降伏を勧めるなどと言う仮定自体がありえない事だと言うことがよく分かりました。

お礼日時：2007/06/09 12:00