とっておきの手土産を教えて

お世話になります。よろしくお願いします。
以前、2者の共同出願をしたときに、
「A+B」、「A+C」、「A+D」といったような基本を同一とする複数の出願があり、
代理人の先生に「出願日を同日にしなければならない」と言われて、特許願を全て揃えて同日に出願しました。

現在その先生には質問できない状況につき、ご教示願いたいのですが、

1.特許法(施行規則)などのどこを根拠とした処理でしょうか?

2.共願で「A+E」を追加的に出願する場合はどうしたらよいのでしょうか?

3.共同開発が終了しているなどで、単独で「A+E」を追加的に出願する場合に特許法的障害はありますでしょうか?

A 回答 (5件)

ANo.4の続きです。



>甲は乙を含めるまでの内容ではないと判断して「A+B」出願から
>1年6月前に甲単願で「A+E」を出願すると29条の2にかかり
>NGですか?
残念ながらNGでしょうねえ。(;;)

29条の2は、29条1項の拡張的な条文で、基本的に次の4つに該当すればアウトです。
1)先願が特許出願または実用新案出願である。
 (意匠登録出願とは比較されない)
2)先願が後願の日より前の日に出願されている。
 (同日ならセーフ)
3)先願が後願の時にまだ公開されていない。
 (時分も比較され、先願の公開の方が早ければ29条にひっかかる)
 (1年6月ではなく、特許庁の公報の発行日なので、事務の都合で少し遅れます)
4)先願の特許請求の範囲、明細書、図面に後願の発明の内容が記載されている。
 (実質的な比較で、微差であれば同一と判断されます)
ただし、例外として発明者同一または出願人同一なら適用除外です。

今回の場合は、「A+B」、「A+C」、「A+D」の特許請求の範囲、明細書、図面に「発明E」が記載されているようですので、基本的にアウト。
出願人同一または発明者同一の条件も満たしていないので、除外規定は適用されず、残念ながらアウトになります。
ANo.3bambinoのさんも書かれている通りです。

ここからは、条文だけではなく、特許庁の審査基準からの話になりますが、
まったく道が無いかというと言うとそうではありません。
発明者同一は、実質的な判断をされますので、例えば「一連の開発プロジェクトで発明されたが、後願の発明は乙さんは抜けた後のもので、乙さんがいた頃にした業績がその発明に貢献したものではない」ってな場合は適用除外される道があります。
ただし、特許庁に対して先願の発明者の宣誓書とか、それなりの裏付けを文書で提出する必要があります。

出願人については、願書の出願人の記載で比較判断されますので、記載が全部「甲+乙」でなければ出願人同一とは判断されません。
ただ、後願(発明E)の出願時点で判断されますので、後願の日前に、乙が「A+B」、「A+C」、「A+D」の持分を甲に譲渡して、出願人が全て甲になって一致していれば、出願人同一とされます。
譲渡は、甲乙間の譲渡契約書、共同発明の各共有者の同意書を作成して、そのコピーを付けて特許庁への届け出が必要です。

ついでですが、こんな条文もあります。
-----------------------
(共同出願)
第三十八条 特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、特許出願をすることができない。
-----------------------
出願人が甲のみで良いと勝手に判断すると、乙から訴訟を起こされる可能性もありますから、お気をつけ下さい。
特許は、非常に強力な権利ですので、発明者や出願人の記載についても厳密に扱われます。
そして、法文上も訴訟の種になるような行為は防止しようという規定があるんです。
実際に『俺は共同発明者じゃ!!勝手に出願すんな~(怒)』ってな訴訟があって、裁判所から『発明者に追加する補正をせよ』って判決を下された事例もあります。
因みに、特許は補正できる期間が定められていて、この判決は補正できる期間内でした。
補正できる期間でなければ、違法な特許だとして無効にされる可能性もあります。

P.S.
私のANo.4はANo.3を読む前に投稿しました。
よく見ると、な~んと、なんと、回答日時が07/06/14 23:28で、時分まで同じですね!?。
もし、これが特許出願なら、29条の2は07/06/14までの日付で判断し、同日なのでお互いにセーフ。
29条1項、2項は07/06/14 23:28の時分まで比較されますが、お互いに相手の出願が『時前』にあたらないので、お互いにセーフです。
そして、39条2項の同日出願の規定が適用されて、特許庁長官から協議指令が出るって事になります。
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この回答へのお礼

かさねがさねの詳細な回答ありがとうございます。
なるほどです。だいぶ理解できてきました。
あ、ホントだ、ご回答は日:時:分が同ですね~。
なにか、本質問と回答を暗示するような・・
多分、当時の代理人の先生は皆様のご回答にある懸念をお考えになって処理されたことがわかりました。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2007/06/17 05:45

ANo.2の続きです。


「Aにおいて、Bを特徴とする」と言うことは、発明はBの部分ですね。
「A+B」「A+C」「A+D」はそれぞれ「発明B」「発明C」「発明D」でダブらないのでしたら、39条は問題ないようです。

代理人の先生は、最初に「A+B」を出願して1年6月後に公開された後に、「A+B」や「A+C」を出願することになった場合を考えて、29条を問題にしたのかもしれません。
特許の明細書はあ~でもない、こ~でもないと推敲していると、1年以上遅れることもありえますからね。

「A+B」の明細書に、「発明B」や「発明C」が記載されていれば、自分が出した特許でも29条1項(新規性)
----------------------
次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
一 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
二 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
三 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
----------------------
に該当することになって、拒絶されてしまいます。

明確に記載されていなくても、「A+B」の出願の明細書を見れば容易に想到できると、特許庁の審査官に判断されてしまうと、29条2項(進歩性)
----------------------
特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。
----------------------
に該当することになって、拒絶されますから。

ここで、私は、発明者(列記されている共同発明者)が完全に同一または、出願人(共同出願の場合の出願人)が完全に同一だと思って書いています。
そうでない場合は29条の2が引っかりますから、3つとも同じ日に提出する必要が出てきます。
29条の2は『当該特許出願の日前』と規定しているので、同日に出願した特許は比較の対象にならず、お互いにセーフなんです。
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この回答へのお礼

ありがうございます。
同日出願した案件の出願人は完全に同一です。
また個々の発明は全ての明細書の中に書かれています。

?先に甲+乙の出願人が出願した「A+B」の明細書に書かれているEという構成を、
甲は乙を含めるまでの内容ではないと判断して「A+B」出願から1年6月前に甲単願で「A+E」を出願すると29条の2にかかりNGですか?

お礼日時:2007/06/15 08:52

まず、39条1項、39条2項は、クレーム発明が(実質的に)同一でなければ問題ありません。

従って、考えるべきは29条の2でしょう。

「共同出願だから」という条件付きで「同日に出願しましょう」と言うのは、共同出願であるという特殊な条件を大前提として考えるのが当然の思考回路です。つまり、その弁理士さんの提案は、その後に例えば分割出願するときに出願人同一という29条の2の適用外となる条件がなくなってしまう場合を恐れてのことではないかと推測します。

例えば、次のような設定を考えて下さい。

出願(1)
出願人:甲+乙
請求項:発明イ(A+B)   発明者:aさん
明細書:発明イ、ロ、ハ(A+B、A+C、A+D)

出願(2)
出願人:甲+乙
請求項:発明ロ(A+C)   発明者:bさん
明細書:発明イ、ロ、ハ(A+B、A+C、A+D)

出願(3)
出願人:甲+乙
請求項:発明ハ(A+D)   発明者:cさん
明細書:発明イ、ロ、ハ(A+B、A+C、A+D)

出願(1)(2)を先に出願し、数日遅れで(3)を出願しました。
その後、3件とも出願審査請求をしました。
でも、(3)については必要が生じて、数年後に分割出願(4)(A+D2)をすることになりました。
ところが、その時点で乙社は何らかの事情で分割出願(4)の出願人になることができなかったので、((3)の出願人を甲単独に変更すると共に)甲単独で分割出願(4)をせざるを得ませんでした。
また、分割出願(4)に係る発明A+D2は出願(1)(2)にも書かれていました。

この場合、分割出願(4)は29条の2の発明者同一の要件も出願人同一の要件も満たしていません。さて、このような場合に、どうなるのでしょうか?

もしも出願(3)を出願(1)(2)と同日にしていれば、分割出願(4)も出願(1)(2)と同日にしたことになり、29条の2は適用外となります。

・・・こういうことかな?

他にも、特許法を知り尽くしている弁理士さんだったらいろんなケースを想定することができるかも知れません。これ以上のことは経験豊富な弁理士さんに訊いて下さい。

なお、クレームの文言は違っていても実質的に同一という判断が下されれば、39条の適用もないわけではありません。その場合にはもっといろいろおもしろい(?)ことが考えられるんですけど、それについては割愛します。

質問2については、Eが周知事項であれば29条1項又は2項でアウト、周知でなければ、先の出願の明細書にA+Eが記載されていても、その公開前であればセーフ。(29条の2適用)

質問3については、Eが周知事項であれば29条1項又は2項でアウト。周知でなくても、先の出願の明細書にA+Eが記載されていればアウト。(29条の2適用外)

こんな感じかな?
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございます。
記録を見ますと、例えていただいた設定のように出願人は甲+乙
で固定されていますが、発明者はaさんは全て関るもののbさんやcさんは入ったり抜けたりしています。
また、個々の発明は全ての明細書の中に書かれています。
いろいろなケースが考えられるのですね。

お礼日時:2007/06/15 08:28

「A+B」という表現は、「請求項1が発明A、請求項2が発明B」という意味でしょうか?


だとすると、「A+B」、「A+C」、「A+D」の3つの出願は、発明Aがダブっていますね。
この場合、発明Aについては、3つのうちどれか一つの出願しか特許は認めてもらえません。
同じ発明を持った特許が複数あると、権利関係が複雑になるので、一つの発明には一つの特許権しか認めないようにしているためです。
他の2つの出願は発明Aもろとも、全体を拒絶されます。

私も最初に29条の2が頭に浮かんだのですが、出願人同一または、発明者同一なら適用されないので、この場合は29条の2は無関係だと思います。
(最初の出願が1年6月後に公開される前に、みんな出願していればです)

ただ、特許法上は、同日出願しているので39条2項に該当し、出願人は同じ人でも、協議の上いずれか1つの出願を残すことになります。
他の出願も生き残る為には、例えば「A+B」をそのまま残したとしたら、「A+C」は「C」のみに、「A+D」は「D」のみに請求の範囲を減縮する補正をすれば、発明Aがダブらないので拒絶されません。

なお、出願日が異なる場合は、39条1項に該当し、同じ発明Aが記載されている後願は有無を言わせず拒絶されます。
この場合も、拒絶理由通知に対して、後願の請求項を発明A以外の部分を残して請求の範囲を減縮する補正をして生き残る道はあります。

ここで、同日出願なら、3つの内どれを残すかを自分の意思で選べますが、出願日が異なっていると、先願の特許が自動的に残り、自分の意思では選べません。
代理人の先生はここのところを考慮されたんじゃないでしょうか?
その特許が運悪く、特許無効審判なんかされて無効にされてしまうと泣くに泣けない事態になりますしね。
それと、出願から補正やら何やらをする時期までには、少なくとも審査請求の期限の3年後まで時間がありますから、どれをメインに残すかを考え直す時間が取れます。

因みに39条は特許請求の範囲だけで判断しますので、発明Aが請求項ではなく、権利の主張をしない明細書や図面の中であれば39条には該当しません。

因みに、「A+E」を「A+B」などが公開された後に出願するのであれば、「A+C」を先願として、29条1項で拒絶されます。
また、単独で出願する場合、出願人も発明者も同一では無くなってしまうと、29条の2も適用されて拒絶される場合があります。
ですから、「A+E」と欲張らずに「E」のみの特許出願をすれば良いと思います。
蛇足ですが、29条と、29条の2の場合は特許請求の範囲だけではなく、明細書や図面の内容も考慮されます。

なお、「A+B」の出願後1年以内で出願人同一であれば、41条の優先権主張をする道もあります。
この場合、「A+B」を取下げて、「A+B+E」を新たに出願することになります。
出願日は「A+B+E」の日となって、29条の新規性・進歩性の判断は「A+B」の部分については「A+B」を出願した時点、「E」の部分については「A+B+E」を出願した時点で判断してもらえるので、お得です。
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この回答へのお礼

詳しいご回答ありがとうございます。
最初の質問内容が不備で申し訳ありませんでした。
「A+B」は「Aにおいて、Bを特徴とする」です。
Aは公知としてAの集合体の一要素の構成B(CやDも同様)を権利範囲とするものでした。
15件くらいそのシリーズ出願があったのですが、出願図面は基本的に流用でした。
さらにたとえばCとDとは同効果の手法違いの案件のようなもありました。
ご示唆いただいた39条の1に該当しそうだと先生がお考えになったのかもしれません。

お礼日時:2007/06/14 08:39

出願人がすべて同一で、付加構成要件の相違によって別発明となっているなら、同日に出願する必要はないんですが、何かほかに考えるところがあったのではないでしょうか?



「A」を出願した後で、「A+B」の出願をし、その後でさらに「A+C」・・・の出願をしていくようなことはよくあることです。

出願人が異なる場合(最初の出願は共同出願、後の出願は単独の場合も)、特許法29条の2の規定に留意する必要があります。「+E」が周知・慣用技術の付加にすぎないような場合は、後の単独出願は最初の共同出願を引用して29条の2の規定によって拒絶されます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

そういえば、出願図面はすべて同じものを使用して、一方の出願はこの要素、他方は別の要素という感じのものがありました。

一図面の集合体として行なう機能は同一なので同一発明とも言えたかもしれません。

29条の2、新規性に障害が出る心配からだったのかも知れません。

お礼日時:2007/06/13 21:05

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