こんにちは。
日本史の小説などを読むと、「名を挙げる」ということが男子の本懐だということがわかります。
しかし、歴史上の人物って、よく名前を変えますよね?
たとえば、伊藤博文公は利助→俊輔etc.
桂小五郎は木戸孝充
上杉謙信公は景虎→謙信
などのように、しょっちゅう名前が変わっています。
昔の人は、「名前」というものに愛着がなかったのでしょうか?
元服などの際に儀礼として名前を変えるのは別として、大人になっても何度も名前を変えているのはなぜでしょうか?
教えていただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。
No.5
- 回答日時:
こんにちは。
一口に名前と言いましても「通称」と「諱」では重さがまるで違います。
例に挙げられている伊藤博文なら「利助」「俊輔」などは「通称」、「博文」が「諱」です。
古い習慣では大体元服の時に漢字二文字からなる「諱」をもらいましたが(一文字の諱も中にはありますが諱を俗に「二文字」などとも言うように二文字が圧倒的に多いです)、「通称」と違ってそちらをころころ変えるようなことは普通しません。
それでも既にほかの方が仰っているように、上の身分の人から一文字もらったり(これを「一字拝領」とか「片名頂戴」などと言います)、何か画期となるようなことが起こると変えるようなことはありました。
「諱」は通常口に出して誰かがそう呼ぶものではなく(それは失礼に当たるので)、主に公式文書などに署名する場合などに用いるくらいでしたから愛着がまったくなかった訳でもないでしょうが、今のように事ある毎に口にしたり書いたりするような感じとは感覚が大分違うと思います。
「諱」というものはそのように本当に滅多に用いないものだったので、正しい読みが何であるかということを本人や親以外は誰も知らないというようなことも起こり得ました。
その為今となっては諱の正しい読みがわからない歴史上の人物は沢山いますし(慣例的に特定の読み方をされている場合でもそれが確かかと言われると非常に怪しかったりする訳です)、西郷隆盛のように本来は「隆永」だったものを取り違えられるというようなことも起こった訳です。
そうやってかつては「諱」はその人の実体と深く結びついている為に滅多なことでは口にしてはならないという「実名敬避」の習俗が幅をきかせていた訳ですが、その代わりに人々は呼び名として「通称」を用いていて、こちらは何しろ「呼び名」なのですから本当にころころ変わることがありました。
官職などをもらうことがあれば当然優先してその官職名で呼ばれますし、そうでなくても「輩行(生まれ順)」などによっても「○郎」などと呼ばれ、また人によっては代々名乗っているようなものがあったり、それらを複合したものであったり、入道するなどすればそれはそれで入道名で呼ばれた訳です。
ほかの方も仰っているように身分に相応しいものにしたり、ちゃんとした官職名であれば、現在でもそうするように肩書きとしてそう呼ばねばならないとそういったことであった訳ですね。
時代考証をされている方のお話では残念ながら時代劇でこれが再現されることはまずないそうです。
「ドラマ」としては登場人物の呼び方がころころ変わっては視聴者が混乱して成立しないということで、忠実に再現しようとする意見は概ね却下されてしまうとか。
それで皆「信長」だの「信長様」だのと平気で諱を呼びまくってしまう訳ですが、本来はそのようなことはなかった筈です(特に目下から目上の場合はそうですが目下の場合でも最低限の礼儀として通称を呼ぶことが普通でした)。
●諱
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%B1
う~ん。。わかりやすい説明ありがとうございました!
なんだか複雑だったんですね。昔の人って。
実名敬避というのは勉強になりました。そういう価値観もあったんだと知りました。
回答ありがとうございました!
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
現代で言えば、サラリーマンは
課長 部長 取締役 常務 専務 以上 島耕作シリーズ。
というように、肩書が変わってきます。サラリーマンという体制が無くなった遠い将来の人が、「なんで、本名である 耕作が あるのに、島部長だの、島課長だの、その時々で呼称が変わるのだ?」と疑問がわくのと、同様な構造だと思います。
典型的には、No2さんが指摘している、上杉謙信の例になります。
徳川家康も、今川義元からの独立を宣言する意味で、元康から家康に変えています。
幕末の場合、変名が有名になったので、そのままというケースもあります。これなどは、ロシア革命時での、レーニンやスターリンなど。
すごーくよくわかりました~!
肩書きがかわって名前がそのままのほうが昔のひとにとってはなんで?になるのかもですね。
名前がこれだけ変わると自分というアイデンティティをきっちり確立できそうだななんて思ったりして。
回答ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
単純に現在の様な、戸籍に関する法律がありません。
養子など、今に比べて頻繁に行われています。
その都度、養子先の名を引き継ぐ場合があります。
木戸孝充もそうですね。
妻方の姓が、木戸です。
それと、通称名が多く使われています。
歴史になを残す人が、注目されているに過ぎません。
すべてがそうだった訳ではないのです。
伊藤博文や木戸孝充を調べればそうだったと言うことです。
しかし、上杉謙信などお殿様は幼名・元服名と変わる事が多かったと思われます。
そもそも、幼名・元服して名が変わるのは武士(大名)の階級でのことで、大多数の農民以下は姓すらありません。
功をなし領主から名字帯刀を許されれば、姓を付け、名を変えます。
地元の氏神様やお寺の過去帳を見る機会があれば分かりますが、俗名○○地所の田吾作です。
なるほど~確かに俗名というのはよくききます。
いまのものさしではかってるから「なんでコロコロ名前をかえるの?」になってしまうわけですね。
回答ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
もともと武士などは仮名(○太郎、○○衛門等)と実名があり、特に仮名の方は地位に応じて変えてゆくのが普通でした。
(もとから身分の高い家に生まれていればまあり機会はりませんでしたが。)たとえば低い地位のうちは○助などという名前でもいいのですが、それなりの地位になれば○助というわけにはいかなくなり、○衛門になり、さらに地位が上がれば官職のような名前を名乗ったりするのはふつうです。(従五位以上になれば受領名になりますし。戦国時代には五位以上ではなくてもそれなりの地位であれば勝手に受領名を名乗ることもありました。)
また、実名についても元服したあとに、主君の名前の一字をもらって改名するようなこともありました。
上杉謙信の場合で言うと
長尾景虎 元服
上杉政虎 関東管領上杉憲政 の養子になり上杉の名跡を継ぐ
上杉輝虎 将軍足利義輝から一字もらう
上杉謙信 出家名
となります。
なるほどー。慣習だったわけですね。しかも足軽の子がいきなり「○○衛門」という名前になるわけにはいかなかったのか。。。と知りました。
回答ありがとうございました!
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