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前から疑問に思っていることがあります。
ニュースなどで「自粛」という言葉がよく使われますね。
その使い方がちょっと私の考えと合わないんです。
例えば今、日本ハムの問題でも「自粛」という言葉が使われています。
農水大臣が「まだしばらくは、自粛を解除させない」と言っていました。

私の感覚では、この場合「自粛」とは、日本ハム自身の意思で販売を停止することであって、農水省など、他者から言われてするのを「自粛」と言うのは、言葉の使い方が変だと思うのですが、皆さん、どうお考えでしょうか。
農水省が強制的に販売を停止させるのであれば、「自粛」ではなくて、他の言葉を使う方が自然だと思うのですが。(例えば、「指示」、「命令」など。)

「自粛」も「自粛解除」も、「する」ものであって、「させる」ものではないと思います。

念のため、ここで私は、日本ハムが販売を停止することの良し悪しを議論しようというのではありません。
ただ、「自粛 = 自らの意思で差し控える」という本来の意味から考えて、ニュースでよく使われるような用法は変だと思います。

日本語に詳しい方、教えて下さい。よろしくお願いいたします。

A 回答 (4件)

 


官公庁が、民間企業等の営業活動を監督している場合、「営業停止処分」という命令を出すことができるはずです。身近なところでは、食中毒患者などが出た食堂等に対し、営業停止5日間とか1週間などが、罰則として出されます。

農水省が、日本ハムに対し、どこまでの監督権限で、営業停止処分などの罰則を命令できるのか、詳細は分かりませんが、特定商品の出荷禁止、販売禁止などは命令できるはずです。有害と判明している食品等の出荷・販売に対し、監督官庁が、そのまま放置して被害が広まれば、監督官庁に監督責任が問われます。

HIVの血液製剤問題についても、販売会社だけでなく、薬品の許可や販売を監督する国家機関の監督責任が問われ、裁判になったはずです。

そういう意味で、農水省は監督官庁として、営業停止命令を出すことができるが、そこまでしないで、改善勧告を出すなどのレベルに留めたとき、この勧告に、自粛せよ、しなければ営業停止処分であるという強い意味が入っていれば、「自粛させた」ということになります。

「自粛」は当事者がみずから営業等を差し控えるものですが、強制営業停止命令と、自粛のあいだに、勧告というようなレベルで、事実上、自粛を要請するような指導をした場合、企業としては「自粛」で、監督官庁も「勧告」ですが、「事実上の営業停止処分」ということになります。

「自粛」-「自粛であるが、勧告に従う事実上の命令措置」-「営業停止命令」

こういう風に三段階に分かれているとも言えます。勿論、場合によって、もっと細かくなるとも言えます。

この場合、「強制命令」ではないので、企業の自発的「自粛」という形ですが、事実上は、それに従わなければ、停止命令という風になっているので、監督官庁の立場からは、「自粛を命じた」ということになるので、「自粛解除は当分させない」などの表現になるのでしょう。

日本では「詰め腹を切らせられる・切らせる」というような言葉があり、「切腹」も、自分で本来するものですが、「刑としてさせられる」というのもあります。「辞職願いを出すよう、命令された」というのも、おかしい言葉ですが、現実にはあります。

「自主退職」なら、まだましだが、「懲戒免職」などでは具合が悪い場合、事実上、命令されて、「自主退職」というのもあります。「自主退職」しないならば、もっと条件の悪い免職もあるぞ、ということです。
 
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この回答へのお礼

ご懇切なご回答、有難うございました。
とても明快なご説明で、よく理解できました。本当に仰る通りだと思います。

要するに官が民に対して何かさせようとするとき、どこまでが強制で、どこまでが強制でないのかが曖昧なんですね。その曖昧さは、やはり日本的なことなのでしょうか。
切腹のことは、仰る通りだと思います。聞くところによれば、切腹と言っても、武士の名誉を尊重して自裁の形を取っただけで、実態は打ち首と変わらなかったそうです。「諭旨免職」というのも、切腹の現代版と言えるかもしれませんね。こう考えると、現代の日本にも「切腹」の思想は、まだまだ生きているのかと思ってしまいます。
日本ハムの問題の場合、農水省が「打ち首(強制的な営業停止)」の代わりに「切腹(自粛)」を申し渡したということなのでしょうか。
これは善意に考えれば、農水省が日本ハムの名誉を尊重したからとも言えますが、ちょっと勘ぐれば、もし強権発動してそれが万一誤りだった場合に責任を問われるので、それを避けるために「自粛」という曖昧な形を取った、とも考えられないでしょうか。

いずれにしても、「自粛」という言葉の使われ方は、官と民との不透明な関係を象徴的に表わしているような気がします。
そして恐いのは、「自粛」のような訳の判らない言葉が日常的に使われているうちに、多くの人が疑問をもたなくなり、物事の本質が見えなくなってしまうことではないでしょうか。
「自粛」という言葉の用法に違和感をもっているのが、私だけではないと知って、ほっとしました。
大変参考になりました。有難うございました。

お礼日時:2002/08/23 21:56

仰る通り間違った使い方だと思います


処分に法的根拠が無いので、『半ば強制的な自粛』というわけの分からないものに頼っているための自家撞着ですね
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この回答へのお礼

ご回答有難うございます。
「自粛」という言葉の使い方が間違っていると考える方が、私の他にもいらっしゃると知って、嬉しく思いました。
官と民との間では、物事が法律などの明文化された規範によらず、強制なのか、強制でないのか、わからないような形で処理されていくことが多いようですね。
こういう曖昧さは、やはり日本的なものなのでしょうか。こういうのは本当の法治主義とは言えないような気がします。
大変参考になりました。有難うございました。

お礼日時:2002/08/23 21:27

 官庁に強制力のない、一般企業だからではないでしょうか?


 例えば道路公団などは官庁の「指示」がダイレクトに反映できますが、一般企業の場合はあくまで管轄官庁の「通達」(お上からのお達し)であり、強制力はないと思います。で、タテマエとして「自粛」という表現になるのでしょう。警察だって「民事不介入」といいますよね。
 なお、民間企業ですが、免許制のテレビ局などは「お達し」は免許取り上げという決め手があるので、ほぼ官のいうがままになりがちのようです。
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この回答へのお礼

早速のご回答、有難うございます。
農水省は食肉加工業者に対して、強制的な措置は取れないのでしょうか。
私は法律には素人で、よく知らないのですが、保健所がレストランや仕出し業者に対して行なうような強権発動はできないのでしょうか。もしそれができるなら、そうした方が、タテマエだけの「自粛」という形よりも、ずっとすっきりすると思うのですが。
大変参考になりました。有難うございました。

お礼日時:2002/08/23 21:16

広辞苑を見ますと自粛とは「自分で自分の行いをつつしむこと」とされていますで強制されるものではないことは明らかだと思います。

ただし、「自粛を促す」との表現もあるように、他者から促されることもありえると思います。
日本ハムのケースでは、農水省が自粛要請を行っているとのことで法的な手続きによる営業停止ではないため、行政からの「要請」により自主的に営業を停止しているという形式になっているのではないでしょうか。(強制には近いと思いますが)
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この回答へのお礼

早速のご回答、有難うございます。
そうですね。たしかに「自粛を促す」ということもありうると言うのは、よく理解できます。
ただ、asayan8601さんも仰っているように、実際には強制に近いものだと思います。何故それを敢えて「自粛」という形式にしなければいけないのかが、理解できないのです。
「自粛」という言葉が、私が考えるのとは違った意味であまりにもよく使われているので、こんな疑問をもっているのは私だけかと思っていました。でも「自粛とは自らつつしむことであって、強制されるものではない」という点では、asayan8601さんも私と同じ考えなのですね。勇気付けられた気がします。
大変参考になりました。有難うございました。

お礼日時:2002/08/23 21:10

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