債権管理を行うのに、販売管理システム上の数値を使って分析の資料にできないかと思っています。
こうした指標は、計算式はあるものの、明確な定義が無いため、いざ使って見ようということになると、適用の基準に悩むところです。
回転日数=売上債権×365/売上高
という式で求めますが、例えば、月単位に回転日数を見ようとした場合、どのような求め方をすればよいのでしょうか?
当月の売掛金÷1日当り売上としたとき、売掛金を求めるタイミングというのは、入金日を基準に求めるのが回収率の基準としては正しいのでしょうか?
全社や組織毎の数字は基準が異なるため、割り切りで月末で算出するしか方法が無いように思えますが、果たして意味があるものなのかという気もします。
実務ベースでこのようなことをされている方がおられましたら、アドバイス頂ければ幸いです。
No.1
- 回答日時:
そもそも社内的に売掛債権回転日数(しかも月単位)を知る必要があるか疑問です。
売掛金の回収にあたっては取引先との契約に基づくものだと思いますが、それは個々の取引先の締め日や締め後の入金日数によるものです。よって「この部署の回収が遅い」と言われても、どうしようもありません。
特定の取引先との商売が多く、入金もスムーズに行われていれば、年だろうが月だろうがほぼ変わらないはずです。(例えば40日後に支払いの会社なら、売上10万円の取引でも40日後に回収。売上100万円の取引でも40日後に回収ですよね。あとは誤差の問題です)
各取引先と売上規模、締め日と締め後の入金日数の一覧の方が有益です。
(売上高が高く、支払いに時間のかかる取引先ほど高リスク)
回答有難うございます。
債権回転日数を知りたいのは、入金遅延や倒産などが発生するケースが多い業界のため、得意先単位での月単位の推移を知りたいからです。
売掛金の多寡だけでなく、貸倒れのリスクを数値的に出すことによって、回収活動の目安にできないかと思っているからです。
経営分析の指標として、会社単位?と思われる回転日数を算出して云々ということを書いておられる方がいらっしゃるので、その実際的な求め方と意義を知りたかったからです。
組織単位での回収成績の大まかな指標化に使えなくもないかなと思ったからです。
No.2
- 回答日時:
質問者の考えられる債権管理が十分にはイメージできないのですが、売掛回収が毎日ある業種と締め日の月1回回収の場合で差があること、売掛債権自体が過去数ケ月の売上の蓄積結果な訳であり、ミクロの日当たり売上で管理するよりは月単位での把握の方が統計としても管理手法としても有用な気がします。
(回収が現金で毎日という業種なら別)会社単位での月商1000万円、年間売上1億2000万円として、
(1)販売条件が、月末締めの翌月末現金回収だとすると、売掛債権期間は販売月平均15日+翌月30日=45日、翌月末に3ケ月手形を受取る場合にはこれに加えること90日で135日。(売上は毎営業日コンスタントに発生する前提)
(2)手形・現金回収割合が50%なら、売掛サイトの理論値は、45×0.5+135×0.5=90日、売掛+受手合計の受取債権額は1000÷30日×90日=3000万円
(3)その上で現実には、全体の債権額については、取引先毎に異なる回収条件と取引ボリュームの加重平均値になる筈で、理論値と現実値との乖離からその要因を求める。(スポット大口受注の存在、条件外取引の存在等)
(4)過去数年・月展開でのデータを比較すれば、量的な増減だけでなく月商比との比較を基準に何らかの営業施策と売掛残・キャッシュの増減との相関関係は描けるのではと推測。社内の組織単位での運用・評価に使うなら、組織単位でのPL(売上・利益)だけでなくBS(最低でもキャッシュと売掛金の増減)を併用して、リスクを取って売上を拡大している組織とキャッシュ増加に貢献している組織のどちらをどう評価するのか、というところまでの管理につなげられるかどうか。
(5)個別先への貸倒管理については、債権額管理以上に個別信用力評価による「与信額」の管理とルール設定(3ケ月前の売掛回収があるまでは当月出荷はしない等)が必要なのでは、と考えます。加えて言うと信用状態に懸念がある先であれば、そのリスクを定量化して利益率に反映(危ない先へは取引マージンを拡大させる)させるという理屈になる筈だが、ここまで実現できている企業はないでしょう。(銀行の「与信リスクに応じた貸金金利設定」ですらかなりアバウトです)
ご回答いただきまして有難うございます。
なるほど、手形のサイトまで考慮に入れると、単純なサイト日数で回転日数を求めることの意味が少ないような気がしてきました。
回収した手形毎に加重平均して求めるのはあまり現実的でないです。
かといって、もともとのこの数字の意味である現金化までの日数という観点でこの数字を使うのではなく、手形でも入金されたら回収という意味で割り切るしか仕方がないのかもしれません。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
売掛債権回収日数は確かに経営や投資の指標として使われます。
しかし目的は細かい貸し倒れリスクを見ることではありません。
目的は『この売掛金が大体何日で現金化できるか?』にあります。現金化できればキャッシュリッチになり新たな仕入や投資ができる…というキャッシュフロー(経営・投資)の判断数値です。
貸し倒れリスクは回収日数よりむしろ、個々の相手先に依存するもので回収日数が長くても、相手が安定していれば債権回収的にはそれで十分に合格点となります。
またこの数値は月毎に使うのは不適切のように思えます。
1月(正月休み)、5月(GW)、8月(盆休み)、9月(連休)、12月(正月休み)は連休に支払日が重なることがあり、銀行の翌営業日に振り込む契約を交わしていると数字がものすごく悪くなります。逆に連休前に支払うと数字が格段に良くなります。(支払日が土日にあたるだけ1,2日の誤差が生まれる)
そして、数字を見ただけではそれが遅延なのか、銀行によるものなのか一目で判断はできません。(カレンダー片手に数字を見る必要がある)
そこら辺の補正も入れていかないと、真面目にやっているのにカレンダーのせいで赤信号が灯る会社も出てきそうです。
また月に複数回の回収のある取引先では、回収日数を使うと数字のマジックで遅延の事実に気付けない可能性もあります。(1回目に2日の遅延を起こしても、2回目の振込みが前倒しされていたら、回収日数では遅延に気付かない)
年単位の回収日数ですら、季節によって売掛金が変動するような会社であれば、決算書だけ見て出した回転日数は信用できません(それなりの補正が必要)。
債権回収の立場からして最も重要なのは「回収日数」ではなく「遅延の事実(取引先と売掛金の規模)」です。回収日数が長いことは問題ではなく、例え回収日数が短くとも遅延自体が問題なのです。
僕が社長で『貸し倒れ』について会議を開くとすれば、回収日数ではなく過去に入金の遅延を起こした取引先名(遅延の規模と時期、何日後に回収できたかも分かればベスト)のほうが、日数の数字の羅列より話がしやすいと思います。
凝縮しすぎた数字は便利かもしれませんが、大事な情報を殺す可能性もありますよ。
ご回答有難うございました。
この指標のそもそもの目的が、現金化までの日数を算出するためのものであるとしたら、本来の目的には合致していないと思います。
目的としては、キャッシュフロー的な評価のためではなく、回収状況(その意味では手形入金も回収)を指標化できないかと思ったまでのことで、回収までの基準日は、得意先によって異なりますし、回収金額も総額ではなくまちまちなので、日数で指標化することは難しく、その基準から越えた金額が幾らあるのか、それが売上に比してどれ位のものなのか、という評価を考えたわけです。
確かに休みを挟むことによる誤差、計算のタイミングは数字を狂わせることになりますね。
ご意見大変参考になりました。頭の中が少し整理できたようです。
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