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生成文法の例外的格標示(ECM)がいまいちよくわかりません。たとえば
I believe Mary to be the best candidate.という文でMaryはbelieveの目的語なのか、to以下の節の主語なのかどちらですか?どのへんが「例外的」な格標示なのですか?また、to以下はなぜ欠格節といわれるのですか?CPではないからですか?
勉強したばかりで質問の文章も稚拙ですが詳しい方よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

まず、対応する時制文を考えてみましょう。



I believe Mary to be the best candidate.
I believe (that) Mary is the best candidate.
「メアリーが最適な候補者だ」と信じる。

ここで、Mary は従属節の主語になっていますね。
これは従属節が不定詞節(Mary to be the best candidate)であっても、同じです。Mary は be の主語です。

でも、動詞は自分の目的語に目的格を与えるのが普通です。
I love/saw/hit/shot John.
つまり、目的語に対して何かをする、あるいは目的語に対して何らかの感情を抱く、というのが普通なのです。

しかし、I believe Mary to be the best candidate. の場合、Mary を信じているわけではないのです。「メアリーが最適な候補者だ」と信じているのです。言い換えれば、believe の意味上の目的語は Mary to be the best candidate であって、Mary ではないのです。

でも目的格は Mary に与えられている。ここが例外的なのです。

実際このような構文は、世界の言語を見ても、そう多くはありません。
日本語で「メアリーを正直だと思う」とも言えますが、ちょっと気持ち悪いですね。普通ではない、例外的な構文だからです。


>Maryはbelieveの目的語なのか、to以下の節の主語なのかどちらですか?

理論によります。
古い考え方と、ごく最近の理論では、初めは不定詞節の主語ですが、変形によって目的語の位置に移動したと考えます。

つい最近までの理論ですと(おそらく授業で学ばれたのはこの理論でしょう。GB理論という言葉は出てきませんでしたか?)、Mary は最初から最後まで不定詞の主語の位置、つまり IP指定部におかれます。普通は節の境界を越えて格を与えることはないので、この構文で CP はないとされます。そういう意味でも例外的です。


>to以下はなぜ欠格節といわれるのですか?

これはちょっと、かなり純理論的な話なので、説明が難しいのですが、
[ X [YP ZP Y ...] ]
で、X が YP という境界を越えて、ZP と何らかの関係を持つということはないと考えたいのだが、例外的格表示のことを考えると、一部の YP は境界としては無視されると考えられる。IPはその一つだ、IP はECM 構文に限らず常に deficient だというにしよう、ってことです。

まあ、本当は Barriers 理論のことだろうな。まさか、フェイズ理論ではあるまい。
どちらにしても、説明はもっと面倒だ。原稿用紙で100枚くらい必要なので、勘弁してください。
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この回答へのお礼

すごい。とてもよく分りました。こんなに詳しく教えていただいてありがとうございます。お名前を見てもこの分野に精通した方だとわかります。
またわからないことがあったらよろしくお願いします。

お礼日時:2007/12/18 10:52

お答えします。


生成文法においては提示の文のMaryは動詞believeの直接目的語と
します。しかし、Maryはto不定詞を構成する節の意味上の主語とは
いえません。そのために、例外的といわれるのです。このことは、
I believe that Mary is the best candidate.
という文章と対比するとよく分かることです。ECMでは主語である
I(私)がMaryをどう判断したかに重きが置かれているわけです。
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この回答へのお礼

読んでいる本の言わんとしていることがやっとわかりました。ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/18 10:48

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