
積分回路とコンパレータを組み合わせて、三角波発振回路を組みました。
積分回路の抵抗はR=18KΩ、コンデンサは、C=0.01, 0.22, 0.047, 0.1[μF]と変えました。
コンパレータに入る前の抵抗をR1=10KΩ、帰還の抵抗をR2=20KΩにしました。
理論値をf=R1/4CRR2で求め実験値を比較すると、C=0.01[μF]のとき、1番誤差がでました。
実際の波形を見ると、方形波の立ち上がりが、まっすぐではなく傾きをもっていて、三角波もその部分では丸くなっていました。
誤差が出たのはこの影響かと思ってのですが、十分な説明ができないためどなたかに教えていただきたく投稿しました。
また誤差が出た理由が他にある場合教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
>台形の上底と下底部分の時間が t1 = 2*C1*R1*R2/R3となる理由がわからない
以下で説明します(長文です)。
こういう回路ですね。
積分回路 コンパレータ
┌─ C ─┐ ┌─ R2 -┐
│┏━┓ │↓V1 │┏━┓ │
┌ R ─┴┨- ┠┴── R1 ─┴┨+ ┠┼─ V2
│ ┌┨+ ┃ ┌┨- ┃│
│ ┷┗━┛ GND ┷┗━┛│
└────────────────┘
OPアンプは両電源で動作して、その最大出力が VH、最低出力が VL とします(CMOS OPアンプの場合は VH と VL はほぼ電源電圧になります)。t1 はコンパレータの出力が VL に変わったときから VH に変わるまでの時間です(下図参照)。
Vb /\
積分回 路 / \
出力 Va \/ \
コンパレータ VH  ̄| | ̄ ̄ ̄
出力 | |
VL |___|
← t1 →
コンパレータの出力が VH から VL に変化するのは、積分回路の出力が、ある電圧 Va より下がったときです。その瞬間、積分回路の出力は下降から上昇に転じるます。その後、コンパレータの出力が VH に変わるのは、積分回路の出力が、ある電圧 Vb を上回ったときです。そのとき積分回路の出力は上昇から下降に転じるます。したがって、積分回路の出力は Va と Vb の間で変化することになります。Vb - Va が広いほど三角波の振幅が大きくなります。三角波の傾斜は、 R と C とコンパレータの出力電圧で決まります。R や C が小さいほど早く充放電されるので傾斜が急になり、発振周波数が高くなります。
Va と Vb は、コンパレータの R1 と R2 とコンパレータの出力電圧で決まります。以下に、Va と Vb の計算方法を紹介します。
【Va の計算方法】
コンパレータの出力が、最初、 下図のように、VH になっているとします。
┌─ R2 -┐
← I │┏━┓ │
V1 ― R1 ―┴┨+ ┠┼─ VH
┌┨- ┃
GND ┷┗━┛
このとき、R1 と R2 に流れる電流を I とすれば(コンパレータの入力端子には電流が流れないので R1 と R2 に流れる電流は等しい)、コンパレータの + 側の入力端子の電圧 V- は
V+ = V1 + I*R1 --- (1)
となります(入力電圧 V1 に抵抗 R1 で発生する電圧 I*R1 を加えたもの)。V- はコンパレータの出力電圧から、 R2 の電圧を引いたものでもあるので
V+ = VH - I*R2 --- (2)
と書けます。式(1), (2) から
V1 + I*R1 = VH - I*R2
→ I = ( VH - V1 )/( R1 + R2 )
これを式(1)に代入すれば
V+ = ( R1*VH + R2*V1 )/( R1 + R2 ) --- (3)
となります。
コンパレータの-側入力がGND(0V)なので、+側入力 V+ が 0V を下回ると、コンパレータの出力はVH から VL に変化します。そのときの V1 の値が Va ということになります(最初の波形の図を参照)。つまり、式(3)で V+ = 0 となるのは、V1 = Va のときですから
0 = ( R1*VH + R2*Va )/( R1 + R2 )
→ Va = -( R1/R2 )*VH --- (4)
となります。
【Vb の計算方法】
逆に、コンパレータの出力が、VL から VH に転じる場合を考えます。最初の状態が以下のようになっているとします。
┌─ R2 -┐
→ I │┏━┓ │
V1 ― R1 ―┴┨+ ┠┼─ VL
┌┨- ┃
GND ┷┗━┛
前と同様にして V+ を計算すれば
V+ = ( R1*VL + R2*V1 )/( R1 + R2 )
となります(これは式(3)のVHをVLに置き換えたのと同じ)。コンパレータの出力がVL から VH に転じるのは、V+ が 0V を上回ったときですので
0 = ( R1*VL + R2*Vb )/( R1 + R2 )
→ Vb = -( R1/R2 )*VL --- (5)
となります。OPアンプの電源電圧が±なら、VH > 0V、VL < 0V ですから、Va < 0V、Vb > 0V ということになります(最初の波形の図を参照)。
【三角波の傾斜の計算】
Va と Vb の値が分かったので、積分回路の出力波形を計算します。最初の図が上のほうに行ってしまったので、ここに書きなおします(書いている私が見づらい)。
積分回路 コンパレータ
┌─ C ─┐ ┌─ R2 -┐
→ I │┏━┓ │↓V1 │┏━┓ │
┌ R ─┴┨- ┠┴── R1 ─┴┨+ ┠┼─ V2 (VH または VL)
│ ┌┨+ ┃ ┌┨- ┃│
│ ┷┗━┛ GND ┷┗━┛│
└────────────────┘
Vb /\
積分回 路 / \
出力 Va \/ \
コンパレータ VH  ̄| | ̄ ̄ ̄
出力 | |
VL |___|
積分回路の抵抗 R に流れる電流を I とします(Va と Vb の計算での I とは違いますが同じ I を使います)。コンパレータの出力電圧は VH か VL の2通りしかありません。最初に、コンパレータの出力が VH から VL に変化したとします。積分回路には負帰還がかかっていて(-入力と出力に信号経路がある)、-入力は常に+入力(0V)と等しくなっていますから
I = VL/R
となります。OPアンプの入力には電流が流れないので、同じ電流 I が C に流れます。コンデンサに電流を流したとき、コンデンサにかかる電圧 Vc (OPアンプの出力側を基準とした電圧)は
Vc = (1/C)*∫I dt
で表わされます。t は時間 [s] です。この場合、R を流れる電流 I は一定なので
Vc = ( I*t )/C + V0 = ( VL*t )/( C*R ) + V0 --- (6)
つまり、コンデンサ両端の電圧は時間に比例した直線的な変化になります。V0 は t = 0 での電圧です。
コンパレータの出力が VH から VL に変化する直前( t = 0 )、積分回路の出力は V1 = Va だったので、式(6)で t = 0 のとき、Vc = Va 、つまり
Va = V0
になります。したがって、コンパレータの出力が VH から VL に変化した後( t > 0 )の積分回路の出力電圧 V1 の時間変化は
V1 = -Vc = -( VL*t )/( C*R ) + Va --- (7)
となります(コンデンサの一端が0Vなので V1 は-Vc)。
t1 はコンパレータの出力が VL に変わったとき( t = 0 ) から VH に変わるまでの時間です。これは V1 が Vb になるまでの時間ですから、式(7)で V1 = Vb として、t について解いたもので
Vb = -( VL*t1 )/( C*R ) + Va
→ t1 = -C*R*( Vb - Va )/VL --- (8)
となります( VL<0 なので t1>0 です)。式(4),(5) を式(8 )に代入すれば
t1 = -C*R*( -( R1/R2 )*VL + ( R1/R2 )*VH )/VL = C*R*R1/R2*( 1 - VH/VL )
となります。もし、VL = -VH ならば(OPアンプの最大出力電圧が正負で大きさが等しい場合)
t1 = 2*C*R*R1/R2
【補足】
VL と VH の大きさが異なる場合には、コンパレータの出力が VH になっている時間と VL になっている時間が異なります(左右非対称な三角波になる)。上で計算したのは、コンパレータの出力が VL になっている時間ですが、コンパレータの出力が VH になっている時間 t1' は
t1' = C*R*( Vb - Va )/VH = C*R*( -( R1/R2 )*VL + ( R1/R2 )*VH )/VH = C*R*R1/R2*( 1 - VL/VH )
です。したがって、VL ≠ VH の場合の三角波の周期(1/周波数)T は
T = t1 + t1' = C*R*R1/R2*( 2 - VH/VL - VL/VH )
となります( VL = -VH ならば T = 4*C*R*R1/R2)。つまり、この三角波発生回路はOPアンプの電源電圧によって周波数が変わります。
No.2
- 回答日時:
以前の質問(
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1006278.html)の ANo.2 にあるような回路でしょうか。その回路で、R1 = 10kΩ、R2 = 10kΩ、R3 = 20kΩ として、C1 = 0.01, 0.22, 0.047, 0.1μF と変えたのでしょうか。単電源OPアンプを使ったものなら GND のところはある電圧 としているかもしれませんが動作は同じです。
誤差の原因はコンパレータの出力の上昇・下降時間がゼロでないからです。candle2007さんのおっしょる通り、コンパレータのスルーレートが発振周波数に追随し切れなくなったのです。その誤差を定量的に説明します。
コンパレータの出力と積分器の出力波形は以下のようになっているはずです(C1 = 0.01μFとしたほうが波形を観測しやすいです)。
←- t1 -→
コンパレータ / ̄ ̄ ̄ ̄\ /
の出力 __/ \_____/
←-→ ←-→←- t1 -→
t2 t2
上昇時間 下降時間
積分器出力 / ̄ ̄ \← なまっている →/ ̄ ̄
\ /
\ __ /← 波形がなまっている
←-→←――→←-→←――→
t2 t1 t2 t1
←―――――――――――→
発振周期 T = 1/f
コンパレータの出力波形の上昇・下降する部分の傾斜は、OPアンプによって違いますが、振幅は 5V なら10μsの時間だと思います。この傾斜はC1 を変えても変わりませんが、C1を小さくすると、全体の周期に対する傾斜部分の時間の割合が大きくなりますので、だんだん台形に近い形になっていきます。台形の上底と下底部分の時間 t1 は
t1 = 2*C1*R1*R2/R3
です(記号は以前の質問の回路のものです)。コンパレータの出力波形の上昇・下降する部分の時間を t2 とすれば、三角波の1周期の時間というのは、台形の上底の時間 t1 と下底部分の時間 t1 の他に、上昇時間 t2 と下降時間 t2 を足した時間
T = 2*t1 + 2*t2
になります。T の逆数が三角波の周波数ですから、発振周波数 f は
f = 1/T =1/( 2*t1 + 2*t2 ) = 1/( 4*C1*R1*R2/R3 + 2*t2 ) ---- (1)
と、理論値より必ず低い周波数になります。t2 が 10μs なら、発振周波数は
C = 0.01μF のとき 4545Hz (理論値 5000Hz)
C = 0.022μF のとき 2174Hz (理論値 2273Hz)
C = 0.047μF のとき 1042Hz (理論値 1064Hz)
C = 0.1μF のとき 495Hz (理論値 500Hz)
となるはずです。
オシロスコープでコンパレータの出力波形を観測して、台形の傾斜部分の時間 t2 を測定して、式(1)で計算される周波数と、実際の発振周波数を比較してみてください(たぶん合っているはずです)。
この質問は新しく目につきやすいので余計なことは書きません(?)。
細かな回答ありがとうございます。
今回の回路は
積分回路 コンパレータ
. -↑→C→↓ +↑→R2→↓
→R→OP→→→V1→R1→OP→→→→V2
.↑ +↓ -↓ ↓
.↑ GND GND ↓
.←←←←←←←←←←←←←←←
です。回路がうまく表示されないです・・・
+(-)↑(↓)の矢印をOPに合わせると大丈夫かと・・・
あと質問なのですが
台形の上底と下底部分の時間 t1 はt1 = 2*C1*R1*R2/R3
となる理由がわからないんです。
No.1
- 回答日時:
>誤差が出たのはこの影響かと思ってのですが・・・
その通りです。
コンパレータのスルーレートが発振周波数に追随し切れなくなったのです。
こういう質問を出すときは、せめてコンパレータ(IC?)の名称や回路構成をもう少し詳しく説明されたほうが、具体的な回答が入れられると思います。
この回答への補足
実験値の周波数が理論値より小さくなった理由も詳しく知りたいです。
お願いします。
あとスルーレートによって影響をうけた方形波は、積分器に入ると出力波形はスルーレートの影響を受けていない場合の出力より周期は長くなるのですか?
方形波じたい長くなっているのですか?
よろしくお願いします。
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