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今、体積Vの気球に質量mの重りをつけて、高さhまで上昇したとします。
空気の密度をrとすれば、気球の浮力はrVg(gは重力加速度)だから、気球がした仕事は(rVg-mg)hですよね?ところが高さhでは質量mの物体の位置エネルギーはmghになってます。どうしてこういう違いがあるんでしょうか?

また、気球は大気圏をどこまでも上昇して、質量mを持ち上げますが、気球の中の気体にエネルギーが隠されていて、それが位置エネルギーに変化したのでしょうか?もしそうなら、気球を膨らますために投入したエネルギー(P(delta)Vかな?)が位置エネルギーに変換された、と理解していいのでしょうか?どうもエネルギーの収支がよくわかりません。

A 回答 (4件)

こんにちは。


これはまたおもしろい質問ですね。

ご質問のポイントとしては、
(1) 気球でおもりを持ち上げたとき、位置エネルギーは増えたの?
(2) もし、エネルギーが増えたのなら、それはどこから来たの?
というところでしょうか。

 まず、計算は考え方がちょっと違っているでしょう。
 おもりがゆっくり持ち上がったとするならば、運動エネルギーはなし。
 気球の中のガスが極端に軽く、気球の幕まで含めて質量0だとすると、hまで上がったのは質量mのおもりなので位置エネルギーがmghなのは質問者さんのおっしゃるとおり。
 ただし、気球の浮力を、rVgとしたとき、これは、それだけの空気が気球の下に回り込んでいることを示しているので、他の方の回答にもあったとおり、いわば滑車の両端に同じ重さのおもりを下げた状況です。(片側は重り、もう片側は体積Vの容器に入った空気。)
したがって、式を示すと、mgh=rVghで、おもしろくも何ともない式かも・・・。(天井まで上がった気球付きの重りを下に引き下げると、その分、空気が持ち上がるだけですね。)

 でも・・・天井まで浮いた重りの紐を切ると明らかにエネルギーが見えますね。これはいったいどこから来たのでしょう。

 これは、滑車の両端に重りをつけて、片側の1つが高く上がったところで紐を切ったのと同じ。この重りを上に持ち上げるために、特別なエネルギーを使わなかったとしたならば、これは、もう一つの重りがあらかじめ高いところにあったから。
では、もう一つの重り、すなわち空気を持ち上げていたのは誰?
 すると・・・

 もし、気球にヘリウムガスが入っていたなら、そのヘリウムが、地上にある時点で、その分の体積の空気が上に持ち上げられていた。では、なぜ、ヘリウムが地上にあるの?(軽いので、自然に考えれば上空に上がってしまう。上空で採集したなら、これを地上に持ち帰ると言うことは、その分の空気を持ち上げるエネルギーが必要)
 で、ヘリウムは地下の岩石の中にあった(正確にはそこからしみだした天然ガスから抽出)。

ということは・・・
 地上でヘリウム気球を作って重りを持ち上げたとしたら、そのエネルギーは、地球が誕生したときに宇宙から岩石が集まってきた(落ちてきた)ときの位置エネルギーの名残ということになりますね。
(地球上の活動のほとんどは太陽の核融合エネルギーをもとにしていますが(石油・石炭も光合成の名残)、その他にも、他の星の爆発エネルギーの名残である核物質。
 そして、岩石が衝突しつつ地球ができたときの名残。
(地熱エネルギーがそれ。ただし、地熱もヘリウムも核物質の自然崩壊というエネルギーの比率が含まれているらしいですが・・・)

 さてさて、おもしろくなって長くなってしまいましたがいかがでしょうか
お役に立てば幸いです。

この回答への補足

大変わかりやすく回答していただいて、ありがとうございます。気球が浮かぶときのエネルギーが、地球の歴史に関係があるなんて、素敵な話ですね。

なぜこの質問をしたかといいますと、浮力を使って仕事を取り出すことはできるのか?と思ったからです。

ヘリウム気球の代わりに熱気球を考えます。地上の熱で空気が温められて気球は上昇すると考えます。上空に上がると温度が下がり、気体の密度が大きくなって、今度は下がってきます。それを繰り返すと、地上と上空の温度差を利用して仕事を取り出せそうですよね。

この熱気球の場合、エンジンと同じような原理で回り続けるでしょうか?もしそうなら、この気球エンジンのエネルギー源は気球を膨らますための熱エネルギーになるのでしょうか。メカニズムは熱→気球の体積膨張→上空の空気が持ちあがる→気球が上昇→持ちあがった空気が落下する→質量mが持ちあがる、というイメージになりそうです。

補足日時:2008/06/13 10:29
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まず、気球が膨らむことによるエネルギーは、


一つは、熱力学的な断熱膨張過程により、内部エネルギーが取り出されたもの
もうひとつは、断熱膨張された気体は非常に低温になっているので周囲の熱エネルギーを吸収したことによる等圧膨張過程によるものだと思います

補足に書かれているサイクルは、海水の表層高温部と深海低温部の温度差を利用して動く機関を検討している話は聞いたことがあるのですが、ソースが見つかりませんでした

この回答への補足

回答、ありがとうございます。
もし気球を徐々に温めながら、非常にゆっくりと膨張させれば、断熱膨張にはならず、等圧膨張過程だけを考えればよかったんでしたっけ?このとき、気球は周囲の熱を吸収することによって膨張することになりますよね。
すると体積がV1からV2まで等圧膨張した場合、気体が周囲にした仕事Wは、理想気体を仮定すると、W=∫pdVとpV=nRTよりW=nRTln(V2/V1)になるんですよね。
このWは何に使われるかというと、気球の周りの1気圧の空気を押し広げるために使われるんじゃないのかな?もしかして?すると、W=r(V2-V1)gh=mghが成り立つのでしょうか?

海底と水面の温度差を利用する話は聞いたことがありますね。
調べようとしてくれて、ありがとうです。

補足日時:2008/06/13 20:56
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運動方程式では検討していませんが


たぶん、この問題はばねの計算と同じようになると思います

ばねの問題ではつりあったところを位置エネルギーの基準として考えますが、
同じように、気球もある高さでつりあったところを位置エネルギー0と考えると
上方向の力:気球の浮力
下方向の力:重力(重り+気球質量)
となりエネルギー的には重りが落下した際には気球にかかる下向き力が減少して上昇→運動エネルギー+位置エネルギーと等価になります

地球上だと、大気密度が高度によって減少すること、気球:地球の距離による重力減少(ファクターとしては小さいと思いますが)によってどこかでつりあいますのでそこが原点となります

理想状態として大気の密度、重力に変動がないとするならば、
普通に物体に一様の力がかかった状態と一緒になりますが
重力の影響を浮力が打ち消しているので、浮力によって速度エネルギーか大きくなります

この回答への補足

解答ありがとうございます。
浮力と重力がつり合うような、ある上空の場所を原点とすれば、わかるような気がします。
すると、上向きの浮力が働く気球の位置エネルギーは地上で最大、上空の原点でゼロとなりますね。浮力が物体の重力よりやや大きい程度で、物体をゆっくりと持ち上げるなら、気球の位置エネルギーはそのまま地上を原点とした物体の位置エネルギーに転換してゆくと考えられそうです。

そこで次の疑問が出ます。気球の位置エネルギーはどうやって獲得されたものなのでしょうか?
地上にある気球は位置エネルギーを持っていますが、それはボンベから気球にヘリウムを送り込んだからです。地上のボンベの中のヘリウムは圧縮されて密度が空気より大きいので浮力は生じず、位置エネルギーもありません。ところがボンベから出て膨張したとたんにヘリウムは浮力を獲得します。
このあたり、なんだか気球が突然エネルギーを獲得したような気がして、気持ち悪いのです。何かすっきりとした説明はないものでしょうか?

補足日時:2008/06/12 21:06
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上昇したところにある重い空気が


最初の位置の気球と置き換わっただけ。
ようするに、重い空気の位置エネルギーと軽い気球の
位置エネルギーの差の分のエネルギーを得ただけ。
(熱になったか運動エネルギーになったかしらないが)

この回答への補足

回答くださりありがとうございます。
重い空気の位置エネルギーはrVgh,軽い気球の位置エネルギーはmgh(気球の重さは無視)で、その差のエネルギー(rVg-mg)hが重りの位置エネルギーである、という意味でしょうか。
でも、もし、高さhで気球と重りが分離したら、重りは地上に落ちて、運動エネルギーmv~2/2に変わりますよね。このエネルギーはmghに等しいような気がします。mを持ち上げる方法によらず、高さhの物体mの位置エネルギーはmghであり、位置エネルギーが空気の密度や気球の体積に依存するとは思えないのです。

補足日時:2008/06/12 20:01
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