父が祖父から譲り受けた土地家屋について父の妹が自分にも権利があると最近主張してきました。祖父は昭和42年に他界。昭和58年に在日韓国人だった父は韓国の法律に基づいて家督相続ですべての土地家屋を長男だった父が相続し、司法書士の手によって登記しました。戸籍謄本は添付したそうです。ところが今になって父の妹が韓国の法律では長男一人で相続はできないと言い出しました。20年以上前に相続登記が行われたことは父の兄弟みな承知です。固定資産税ももちろん父が支払ってきました。この土地にはその妹が30年以上父の許しを得て住んでいます。家賃等は一切無しです。この建物が老朽化し、解体したいので退去要請したところ、遺産相続が適正に行われなかったので大金をいただかないと退去しないというのです。遺産相続に事項はないのでしょうか?父は長男相続を信じているので相続のときに遺産分割について協議はしなかったようです。しかし、登記は何の問題もなく終了しています。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
アドバイスです。
まず、在日韓国人の相続に関しては、法例36条、及び、大韓民国渉外私法26条により、被相続人の本国法が適用されます。その本国法とは「大韓民国民法第4編・第5編」です。ただし、日本における不動産の登記手続に関しては、日本の不動産登記法が適用されます。
この韓国民法は、日本の民法でも同じですが、被相続人の死亡した時期により適用する法律が違ってきます。韓国の場合には、明治45年4月1日から昭和34年12月31日までは、日本の旧民法の家督相続と同じような制度が在し、戸主相続人は戸主権と共に財産権全てを(一応)承継しましたが、昭和35年以降は、戸主相続と財産相続とに大別され、財産については、第1順位の相続人が数人いる場合には当然に共同相続されます。
よって、昭和42年に相続が開始したと言うことであれば、3回ほど改正されたいるようですが、基本的に家督相続のようなことは出来得ません。遺産分割協議書に基づき登記がされたか、全くあり得ないことではないと思われますが、登記官が韓国の準拠法を間違えて登記してしまった(準拠法を間違えた司法書士の申請をそのまま受け付けたと言うことです)かのどちらかになります。
いずれにせよ、もはや今となっては、相続開始から10年以上経過し「相続回復請求権」も時効により消滅しています(韓国民法999条)ので、実体法による救済は難しいですが、不動産登記法上の「審査請求」不動産登記法156条には、審査請求期間というものがありませんので、ひょっとしたら使えるのかなという気はします。ただ、登記申請の附属書類等は登記受付の日から10年間しか保存されませんので、証拠がなく、やはり難しいですね。
あとは、所有権確認の訴えを起こすとか、所有権移転登記抹消請求等の訟務になるのでしょうか。訟務関係は全く自信がないのでこれ以上は深入りしません。
やはり、お互い歩み寄って和解するのが一番なのではないでしょうか。ある程度の立退料は仕方がないのではないでしょうか。
質問者さんのおばさんの立場になってアドバイスした感がありますが、おばさんはおばさんで、決して難癖を付けているのではなく、正当に権利を主張してのことと思われます。お互いの歩み寄りを期待します。
No.1
- 回答日時:
遺産相続に異議がある場合、法定相続人(お父様や妹様)は
(1)相続回復請求(民884条)
(2)遺留分減殺請求(民1031条)
などの権利があります。
ただし、いずれも時効があり、(1)については相続が開始してから20年(民884条)、(2)は同じく10年(民1042条)で失権するとされています。
また、戸籍謄本を添付してお父様名義の登記が受理されたのであれば、遺産分割協議がなされていなくても問題ありません。
(遺産分割協議は、法定相続分と異なる割合で相続させたいなどの場合に、必要となるからです→戸籍謄本を添付すれば、法定相続分での登記がなされたと考えられる)
そして、上記(1)、(2)の権利を根拠に遺産分割協議の請求をしても、すでに時効にかかっているため、お父様(やあなた様)は応じる必要はないものかと思います。
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