dポイントプレゼントキャンペーン実施中!

pn接合やMIS構造を議論する時にポアソンの方程式を立ててバンドの曲がりなどを解析しますが、何故静電ポテンシャルΦに-qをかけると真性フェルミ準位E_iになるのですか?
 MIS構造でバンド構造を考えると、-qΦは半導体と絶縁体の境界で連続ですが、絶縁体の伝導帯と半導体の伝導帯が不連続であったのでふと疑問に思いました。
 まとめると電磁気学で定義される電位Φと別に半導体の議論の途中で出てきたE_iが
          E_i=-qΦ
の関係式で結びつける事ができるのは何故か?
という質問内容です。

A 回答 (8件)

「ポアソン方程式の解として得られた電位関数(φ(x))は、半導体の(バンド)理論のエネルギーを示すパラメータ(Ei, Ep, En)とは直接の関係はないはずなのに、どうやってpn接合のバンド図として一緒に組み込まれているのか」というのが、もともとの質問者の疑問であろうと推察いたします。


私の回答は、あの図にはそういう別のものが書いてあるというものです。
ポアソン方程式を適用する対象として、pn接合部からp, nそれぞれの不純物原子が全てイオン化している領域を考えます(可動電荷は存在しない)。このイオン化領域の両端の電位差をp領域とn領域の可動電荷の平均エネルギー差(Ep-En)に相応する電位差(φ=(Ep-En)/q)とすることが境界条件となります。pあるいはn領域のEiとこの電位関数(φ(x))を組み合わせて、pn接合のバンド図ができてます。イオン化領域中のEiの曲線はφ(x)に他なりません。(ちなみに、特別な場合でない限り、質問者の言うように接合部での電位は全電位差の1/2になることはありません。特別な場合とはp形とn形の不純物濃度分布が接合を挟んで対象である場合です)

私は、半導体デバイスの動作説明に使われる"バンド図"は、デバイス動作を説明するための便宜的な図であって、厳密な物理的意味を詮索すべきものではないと考えます。pあるいはn領域はバンド図ですが、pn接合近傍のイオン化領域は、基本的に"電位の変化を示す図"であると思ってます。
また、電位の変化はよくバンドの中間点(Ei)で表されていますが、Eiに特別な意味はないのです。伝導帯(Ec), 価電帯(Ev)でもいいのだけど、真ん中が納まりがいいだけだと思います。
Eiに特別な意味がないことは、バンド・ギャップの異なる半導体の(ヘテロ)接合を考えれば分かります。この場合、それぞれのバンドの中間点(Ei)は一般に接合部で繋がりません。ヘテロ接合でも、互いのフェルミ準位の差が外部電位差に等しいこと、あるいはイオン化領域でポアソン方程式に従う電位分布があることは言えますが、伝導帯(Ec), 価電帯(Ev)とか中間点(Ei)の接続は一意的に決まりません。それぞれの仕事関数を測定して伝導帯(Ec)の差を求めて初めて決まるものと、私は理解してます。ヘテロ接合の場合、接合近辺で格子定数が変わったり、機械的な歪みで電荷が誘起されたりして(ピエゾ効果)簡単ではありません。
均一な半導体による接合の場合でも、ポアソン方程式で表される静電的な関係だけでなく、(特に電流が流れる場合には)電荷の拡散を考えねばなりません。正確に理解するには、自由電子と正孔の振る舞いを具体的にシミュレーションする必要があると思います(最近はデバイス・シミュレーターを購入している大学、企業が増えました)。一般の教科書に書かれてある内容は、あまりにも簡単化し過ぎて、理論的にも厳密には整合していないと、私は思います。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

d9winさん質問を理解して下さりありがとうございます!おっしゃられる通りの質問内容です。
 ということはE_i=-qΦは数学的な等式の意味においては結び付けることができる理由はなく偽でE_i≠-qΦである。
 単に物理的なバンド図の曲がり具合に対してだけ
E_i=-qΦということですね。
 ヘテロ構造についても電位Φについては連続であるけれども(エネルギー準位)=(-qΦの曲がり)は接合部で不連続になる。
 結局ポアソンの方程式を解いて出た電位Φはバンド図の曲がりに対してだけ意味を持つ。したがって、電位Φはヘテロ接合の場合でも連続であるが、バンド図が接合面で不連続になってもよいのである。
 結構確信が持てましたが、こういうことでよいでしょうか??

お礼日時:2003/03/24 23:20

"(エネルギー準位)=(-qΦの曲がり)"の(-qΦの曲がり)が何を意味しているのか把握できないのですが、大体、私の言いたいことと一致しているように思えます。


今まで回答には"自信あり"とチェックしてきましたが、自分で納得しているという意味の主観的な自信です(念のため)。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございました!

お礼日時:2003/03/25 02:25

残念ながら、補足説明を読んでも質問で何を問題にされているかがよく分かりません。

あなたの前提としている認識に問題があると思います。
例えば「pとnとの接合面:E_ip=E_in=0 (x=0) 」とありますが、p領域とn領域の接合面で等しくなるのは、それぞれの"真性フェルミ順位"(E_ip, E_in)でなく、p領域とn領域の"フェルミ順位"(Ep, En)です。
そもそも、外部電位(φ)と結び付けられるのも、"真性フェルミ順位"(E_i)でなく、それぞれの領域の"フェルミ順位"(Ep or En)と、私は認識してます。これは、例えば外部電位がゼロの場合(すなわち外部からの影響がない場合)には、両領域の可動電子の平均エネルギーは等しくなることに対応してます。
電位は可動電子(電荷)に対する潜在ポテンシャルを示すものですから、異なる領域の間に外部より電位差(φ)を設けた場合には、対応する領域内の可動電子の"平均エネルギー値"が(-q・φ)だけ異なるのは当然です。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

>外部電位(φ)と結び付けられるのも、"真性フェルミ順位"(E_i)でなく、それぞれの領域の"フェルミ順位"(Ep or En)と、私は認識してます。
その通りですね。ところが、僕の質問は外部電位ではなく内部に発生する電位であり、外部電圧0の場合を考えています。フェルミ準位とその電位を結びつけたらバンドがpnで一直線になっていないといけないですね。ですが、ポアソンの方程式を解くとpとnで電位Φは曲がっていますよね。
 今は以下の質問の仕方が最適だと思っています。
『ポアソンの方程式でΦが計算される⇒ではそのΦを使ってどのような過程でバンド図を描くのでしょうか??』
 再びお願いします!

お礼日時:2003/03/22 01:21

あなたの以前の質問"フェルミエネルギーについて"(

http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=393616)に対する、私の#17回答の最後の部分の個所が参考になるのではないでしょうか。
「半導体の文献で見かけるp-n接合等のバンド図は、電子のエネルギーを縦軸にしていることが本質的なのだと思います。それ以外のことを考える必要はなく、そこで通常"フェルミエネルギー"として表されている線は、それぞれの領域の"自由電子の平均エネルギー"を示していると考えるべきなのです。"フェルミエネルギー(あるいはフェルミレベル)"の名称を使うことで、いらぬ混乱(むしろ間違!?)を招いているのだと思います。」

導電性物質中の可動電子の平均エネルギーは(-qΦ)と表されるでしょうから、まさしくこの説明の通りになっていますね。
半導体等の説明に使われる"フェルミレベル"は、"可動電子の平均エネルギー"と表すのが必要にして十分であると考えます。"フェルミレベル"という難しそうな名前に捕われることはないのです。

参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=393616

この回答への補足

pn接合においてp領域の伝導帯、価電子帯をそれぞれE_cp,E_vpとし、n領域についても同様にE_cn,E_vpとします。
 すると、真性フェルミ準位は補正項を無視すると伝導帯と価電子帯のちょうど中間に位置し、p領域、n領域でそれぞれE_ip,E_inとおくと、
 E_ip=(E_cp+E_vp)/2, E_in=(E_cn+E_vn)/2
と表せます。
 このとき、接合面をx=0としてn領域の方向を正の方向としてx座標を設定すると電位をΦ(x)として、バンド図は
p領域:E_ip=-qΦ (x<0)
pとnとの接合面:E_ip=E_in=0 (x=0)
n領域:E_in=-qΦ (0<x)
というように描かれていますが、
何故-qΦと結び付けられるのが他の何ものでもなく真性フェルミ準位でなければならないのかというのが質問内容です。

補足日時:2003/03/18 23:58
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございます。フェルミレベルはd9winさんの言われるように最近は可動電子の平均エネルギーと解釈するようになって接合の理論などを理解しやすくなりました。

お礼日時:2003/03/12 05:21

> 伝導帯E_cでも価電子帯E_vでもなく真性フェルミ準位に対してE_i=-qΦの関係式で結びつける事ができるのは何故ですか?



ごめんなさい。今ひとつ質問の意味がつかめません。
ポアッソン方程式を解いて求まるポテンシャル自体は、半導体の内部(界面より十分遠いところ)では
平坦ですので、原点の取り方(ポアソン方程式の境界条件)によっては、ゼロです。
# バンド図の都合[金属とフェルミ準位を同じにする]で、真性半導体であれば、E_i=-qΦ となっているかも。

E_i=-qΦ の Φ がどういう状態(接合/半導体単独で存在? 真性半導体?p/n型?)のどの場所(界面?半導体内部?)で用いられているかによると思います。

この回答への補足

例えば、pn接合においてp領域の伝導帯、価電子帯をそれぞれE_cp,E_vpとし、n領域についても同様にE_cn,E_vpとします。
 すると、真性フェルミ準位は補正項を無視すると伝導帯と価電子帯のちょうど中間に位置し、p領域、n領域でそれぞれE_ip,E_inとおくと、
 E_ip=(E_cp+E_vp)/2, E_in=(E_cn+E_vn)/2
と表せます。
 このとき、接合面をx=0としてn領域の方向を正の方向としてx座標を設定すると電位をΦ(x)として、バンド図は
p領域:E_ip=-qΦ (x<0)
pとnとの接合面:E_ip=E_in=0 (x=0)
n領域:E_in=-qΦ (0<x)
というように描かれていますが、
何故-qΦと結び付けられるのが他の何ものでもなく真性フェルミ準位でなければならないのかというのが質問内容です。
 これで分かって頂けるでしょうか。よろしくお願いしますm(_ _)m

補足日時:2003/03/09 01:18
    • good
    • 0
この回答へのお礼

何度も回答ありがとうございます。
補足にもう少し説明を加えます。

お礼日時:2003/03/09 01:18

#1の方が書かれている通り、バンド図ではエネルギーを電位を用いて表しています。

その場合の電位の原点は、電荷の中性条件が保たれていることを前提としています。同じ半導体でも帯電したものとしていないものでは、原点が異なります。
金属-半導体接合では、仕事関数と電子親和力の差により界面でキャリアが移動します。それにより電荷の中性が破れ電位が発生します。この電位をポアソン方程式で求めるわけです。
その結果、界面領域では電位が連続的に変化していることが求まります。したがって、バンド図の原点が連続的に変化していることになり、曲がったバンド図がかかれることになります。界面領域以外ではキャリアが移動しませんので原点の変化はありません。また、絶縁体との界面では、電荷の移動がありませんのでバンドは不連続となります。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございます。
 では、伝導帯E_cでも価電子帯E_vでもなく真性フェルミ準位に対してE_i=-qΦの関係式で結びつける事ができるのは何故ですか?
 

お礼日時:2003/03/05 00:53

大学時代の記憶なのでかなりいい加減ですが…



ご質問の中で静電ポテンシャルΦと書かれているのは
仕事関数のことですね?

仕事関数は、真空準位と最も高エネルギーな電子とのエネルギー差で、物質の表面から電子が離脱するのに必要なエネルギーに相当します。半導体の場合、伝導帯が最も高エネルギーですが、その準位に電子がいるとは限りません。そこで登場するのがフェルミレベルです。フェルミレベルはそのエネルギーの準位が電子で占有されている確率が1/2になるところで、簡単に言えばそれ以下の順位は電子が詰まっていると取り扱うことができます。そこで、半導体の仕事関数を求める際の「最も高エネルギー」にフェルミレベルを用いるわけです。

ちなみに、不純物を添加したn型/P型半導体では、
フェルミレベルは 真性フェルミ準位にはなりませんので、Ei=-qΦとはなりません。そのため、MS接合がオーミックになったりショットキーになったりするわけです。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございます。
 逆にこのように質問すれば分かりやすいでしょうか。ポアソンの方程式を解いて求められた電位を元にしてバンド図がどのように書かれているのでしょうか??

お礼日時:2003/02/24 23:09

ただ単に[eV]で表しているだけなのではないかと.


バンドは電子に対するエネルギー[eV]を縦軸にとってるので.

この回答への補足

改めて質問内容を詳説します。
例えば、pn接合においてp領域の伝導帯、価電子帯をそれぞれE_cp,E_vpとし、n領域についても同様にE_cn,E_vpとします。
 すると、真性フェルミ準位は補正項を無視すると伝導帯と価電子帯のちょうど中間に位置し、p領域、n領域でそれぞれE_ip,E_inとおくと、
 E_ip=(E_cp+E_vp)/2, E_in=(E_cn+E_vn)/2
と表せます。
 このとき、接合面をx=0としてn領域の方向を正の方向としてx座標を設定すると電位をΦ(x)として、バンド図は
p領域:E_ip=-qΦ (x<0)
pとnとの接合面:E_ip=E_in=0 (x=0)
n領域:E_in=-qΦ (0<x)
というように描かれていますが、
何故-qΦと結び付けられるのが他の何ものでもなく真性フェルミ準位でなければならないのかというのが質問内容です。

補足日時:2003/03/12 05:22
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございます。質問内容が伝わりにくくてすいません。例えば、qΦのグラフを描くと半導体と絶縁体の境界で連続ですが、伝導帯について見ると不連続ですよね。金属ではフェルミ準位がqΦで半導体ではE_iの位置がqΦになっているのは何故?っていう質問です。う~ん何と言ったらよいのか…。こんなんで伝わりますか?

お礼日時:2003/02/22 00:12

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!