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A社が発行するB銀行保証付きの私募債を、B銀行が全額引き受けることがあります。この場合、A社およびB銀行にとって通常の融資に比べ、どのようなメリットがあるのでしょうか。よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

貸付ではなく私募債引き受けでやることについては、次のメリットが考えられます。


B銀行のメリット
・債権譲渡手続きが容易
 通常の債券の場合、債権譲渡に関する債務者へ通知や同意は不要であり、譲渡先の対抗要件の手続きも簡素。中小企業CBOといった制度的債権流動化スキームにも参加しやすい。
・アップフロントフィーが手に入る
 最近は融資事務手数料などを銀行が取る場合もありますが、通常の貸付は利息の中に入れて平準的にコスト負担させます。これに対し、私募債引き受けは発行事務手数料や各種手数料を取るのが一般的であり、一部のメガバンクなどは社債の金利を低くする代わりに、手数料額を上げて収益の先食いを大規模に行ったことは有名です。(借り手にしてみれば総コストで同じなら安い金利で借りられた見かけの実績が作れる)
・繰上げ返済時の収益減少を抑制できる
貸付金の場合、高い金利を繰上げ返済されると収益が落ち込みますが、債券の場合は繰り上げ返済が事前に明文化していない場合、繰上げ返済は法的には困難ですし、買入れ償却を申し出ても額面+市場金利低下分の上乗せを支払うことを求められ、さらに貸付金の場合は利息制限法の問題で上乗せも上限がありますが、債券の場合は、市場金利(国債など)の低下であれば、年率数十%の収益率であっても利息制限法には抵触する恐れは、かなり低いです。

A社、B銀行のメリット
・私募債実績(債券の発行・引受は単純な貸付よりも高度な手法というイメージがあり、実績作りに励む場合がある)
A社のメリット
・長期かつ固定金利での調達もできる。
・貸し剥がしを受けにくい。債券の場合は、約定どおりの支払いを行っていれば、繰り上げ返済を銀行が求めるのは、通常、債券を通じた債権の権利行使は銀行取引約定書の適用外であり、困難です。求めてきてもA社は謝絶できます。
ただ実務的には(財務)制限条項等を付して、銀行借入よりも条件が厳しい場合がありますし、銀行側はそうしようとします。

このほかにALMなど銀行の財務政策目的といった教科書的回答がありますが、中小企業の債券の転売は、公的制度利用以外は事実上不可能なので、自行保証付き私募債全額引き受けのB銀行のメリットは、収益の前倒し計上、手数料等の実績作りと公的制度による債権譲渡のためというのが、実情です。
A社側のメリットは先に述べたように、公的制度を利用して、借り入れにくかった条件で借りられるといったことが一番のメリットと考えられます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。詳しく、わかり易く説明してくださりよくわかりました。期待していた以上のご回答の内容でした。

お礼日時:2009/03/14 18:01

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