遺留分権利者Aが内容証明郵便で減殺の意思表示を行った後、遺留分侵害者Bに元々B所有の不動産X(遺留分相当)の取得を求めることは可能でしょうか。こうした場合の法律関係を教えて下さい。
遺留分権利者Aは、遺留分侵害を確認後直ちに内容証明郵便で減殺の意思表示を行いました。Aは、遺留分侵害者Bから元々B所有の不動産Xを借りていました。しかし、Aが減殺の意思表示を行ったために、Bは憤慨してAに不動産Xの返還を求めてきました。AはBに、遺留分相当である不動産Xの取得を求めていますが、Bは不動産Xは遺産ではないとして話し合いに応じようとしません。Aは、この協議が解決するまでの間、不動産Xの返還には応じないつもりです。
Aが減殺の意思表示を行う以前に、Bは遺言公正証書により全ての遺産の名義を自分に書換えていました。こうした場合には、Aの持つ請求権がBの現に所有する資産(書換えられた遺産含む)の全体に及ぶと聞いています。もしそうであれば、AはBに遺留分相当として不動産Xの取得を求める事が可能ではないかと思われます。
また、ある本の解説では「債権債務の関係にあれば留置権は当事者の意思にかかわらず法律上生じるもの」とされています。Aの持つ請求権により、Aは債権者として債務者Bの所有権侵害に対抗して、不動産Xの留置権を行使することも可能でしょうか。
No.2
- 回答日時:
遺留分減殺を理由に,Bに,元々Bの所有財産を渡すよう求めることはできません。
遺留分減殺請求権を行使した効果は,贈与又は遺贈を,遺留分を侵害する限度で失効させるというもので,遺言公正証書で,全遺産をB名義とした場合には,その遺産がBに所有権移転した中で,遺留分の限度で,遺言公正証書による相続が失効するというものです。
このように,遺留分減殺請求権行使の効果は,Bの全財産に及ぶ者ではありません。
また,遺留分相当として,個別の財産をねらい打ちすることもできないとされています。その意味でも,Bの特定の財産を要求することは,法律上意味がないことになります。
回答有難うございます。
申し訳ありません。
回答番号:No.4で、お礼とともに追加の質問をさせて頂きました。
参考になる回答を頂けますと幸いです。
No.3
- 回答日時:
「Bは憤慨して、Aに不動産Xの返還を求めてきました。
」借地借家法は知っていますか?遺留分減殺請求をしたことは、借地借家法に定める賃貸借契約終了の正当事由にはあたらず、不動産Xの返還を求めることはできないと考えます。
「Aの請求権はBの財産の全てに及ぶ」
初耳です。今回のケースでは、遺産に含まれる財産しか、遺留分減殺請求の対象にはならないはずです。
留置権が発生するためには、債権が不動産Xに関連するものでなければなりません。しかし、遺留分減殺請求による債権と不動産Xは全く関係がないので、留置権は発生しません。
回答有難うございます。
申し訳ありません。
回答番号:No.4で、お礼とともに追加の質問をさせて頂きました。
参考になる回答を頂けますと幸いです。
No.4
- 回答日時:
#1 追加
なお、遺留分減殺請求に留置権があるかどうかは不明です。
その件は考慮していません。
皆さん、ご回答有難うございます。
実は、「こうした場合には、Aの持つ請求権がBの現に所有する資産(書換えられた遺産含む)の全体に及ぶ」と話していたのは、法律の専門家です。
法律的な解釈がもう一つ分からないので、教えてもらえないかと思い質問させて頂いた次第です。
以前、次のような2つ判例説明を見たことがあり、関連しているのではないかと思いました。
1.遺留分減殺請求権は、形式権と解されているので、受益者・受贈者に対して減殺請求の意思表示をすれば、その時点から減殺の効果が発生します。従って、その後は、金銭であれは支払請求権、物であれば引渡請求権等に転化し、減殺請求はもはや目的を達して消滅します。
2.減殺の結果生ずる法律関係を、相続財産との関係としてではなく、請求者と受贈者、受遺者との個別的な関係として規定する。特定遺贈に対して遺留分権利者が減殺請求権を行使した場合に遺留分権利者に帰属する権利は遺産分割の対象となる相続財産としての性質を有しない。
いずれも、最高裁判例だったかと思います。
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