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「でき得る」「出来得る」というのは可能の助動詞を2つ重ねているので
かねてから誤用ではないかと思っていました(頭痛が痛い,机上の上に,の類)。
さらに3つ重ねたようにみえる「でき得べくんば」にいたっては
もはや「ひっくりかえって」しまいます。

ところが・・・

某東大教授の本を読んでいたらこの表現があり,
敬愛する隆慶一郎の本の中にもこの表現があり,
さらに
昭和初期の文献を見ていたらやはり「でき得べくんば」
がありました。
こうなると,もはや「誤用」とは言ってられません。

「でき得べくんば」は文法的にどう説明されるのでしょうか?

A 回答 (4件)

「でき得る」はいいでしょう、二重になってるけど。

次にべくんばですが、まあ英語でいえば仮定法ということになりますね、この「べくんば」というところが。If I should be able to do thatという感じかな。

この回答への補足

さっそくのご回答ありがとうございます。

しかし,問題は「可能の意味」が二重,三重になっているのが変,という
ことです。
そういう意味で「でき得る」もおかしいのではないかと思っています。

「べくんば」単独には文法的になんら疑問を持っていません。

「でき得べくんば」は,意味的にはおっしゃる
とおり,「できることなら」ということで使われています。

補足日時:2001/04/18 16:53
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結果的にはすべて「可能」を表すとはいっても,「できる」は「そのような状態が出現する」,「得」は「そのような状態を手に入れる」,「べし」は「そうなるのが必然である」とそれぞれ異なる原義から生じた言い方です。

「できうべくんば」は,つまり,「そのような状態が出現することを手に入れることが必然なのだとしたら」といったことになるわけで,必ずしも単純に「可能の意味が三重になっている」ということにはならないのではないかと思いますが,いかがでしょうか?

この回答への補足

回答ありがとうございます。

しかし

>「そのような状態が出現することを手に入れることが必然なのだとしたら」

というのは私にはよくわかりません。いったいどのような状況
なのでしょう。

補足日時:2001/04/19 16:26
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あなたにできる支援とあなたのできうる支援・・充分にニュアンスは違うと思いますが?



ありうべからざる用法とは考えにくい。可能性の範囲を表現するものとして私は特に違和感はありませんが。

この回答への補足

回答ありがとうございます。

>あなたにできる支援とあなたのできうる支援

う~ん,これはあり得るのかなぁ? 

 「できる限り」 と 「でき得る限り」

というのがよく使われていますが,この「でき得るかぎり」が
ひっかかるんですね。
可能性の範囲とは,例えば,30%の可能性か,70%の可能性か,
ということなのでしょうか。う~ん,ちょっと無理がある気も
しますが。

補足日時:2001/04/19 16:28
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誤用です。

言葉が正確かどうかは3つの観点で検証しなければいけません。
1.文法上の問題はないか
2.意味上の問題はないか
3.慣用的に問題はないか
です。

質問文に「可能の助動詞を2つ重ねている」とありましたが、可能の助動詞を2つではありません。
「でき+得る」は「できる」と「得る」が重なったものでどちらとも動詞です。
「出来(でき)得る」の場合、1の文法上の問題、これはクリアします。
2の意味上の問題、ここに引っかかってしまいます。
「出来(でき)る」も「(動詞+)得る」も同じ意味になるからです。
3の慣用的な問題、この判断の仕方は極めて微妙で細かく説明するとかなり長くなるので省略しますが、この場合、慣用的にも「出来(でき)得る」は認められていません。

さて、「でき得べくんば」に関してですが、これは「できうべくんば」の間違いではないでしょうか? 「できうべくんば」は「できうべければ」の変化型で、「べし」という助動詞のことを知っておかなければなりません。助動詞「べし」はもともと「うべ」を形容詞化した「うべし」を母胎としてできたのだろうという説が有力です。つまりこの「でき(出来)うべくんば」は「でき(出来)+得る+べくんば」ではなく「でき(出来)る+うべくんば」と見るべきなのです。
現在、「うべし」という言葉は使われていませんが、昭和初期の文献でどういう意味で使われていたかは前後を見ないと分かりません。というのも「べし」には実にたくさんの意味があるからです。
「推量」「予定」「可能」「当然」「命令」「適当」「義務」とあり、この分類の仕方も明確に決まっているものではありません。
もし、「できうべくんば」ではなくて「でき得べくんば」と書かれていたのなら、誤記か、それとも当時そのように字を充てていたかのどちらかではないかと思います。
つまり、「できうべくんば」は「でき(出来)」という部分だけが可能であって、あとは可能ではないのです。
因みに「べし」はもともと「うべし」を母胎としてできたのではないか、ということもあり、「べし」という助動詞はウ段接続です。つまり「べし」の上には必ずウ段の文字がくるということです。
最後に、東大の教授であろうが作家であろうが、誤記をしてしまうことはたくさんあります。
言語学者でも間違いがないとは言い切れません。
辞書にも間違いがある場合もあります。
という説明でよろしいでしょうか?

参考URL:http://www.kit.hi-ho.ne.jp/jimmie/sentence/

この回答への補足

ありがとうございます。
私にとって説得力のある有力な回答です。

「できうべくんば」ではないか? ということでしたが,
それを調べようとしていて,忙しさに紛れてレスが遅れていました。
目下,どこにあったか探している最中です。
その結果をこの「お礼」に書き込み,しばらく時間をおいてから,
閉じようと思います。 

補足日時:2001/05/09 10:46
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この回答へのお礼

この間、多忙で結局隆さんの
本がチェックできておりません。

また機会がありましたら、もう一度考えてみますので
おつきあいくださったら幸いです。

ありがとうございました。

お礼日時:2001/09/07 09:37

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