プロが教えるわが家の防犯対策術!

わかりにくいタイトルですみません。

アインシュタインの相対論をテーマにした入門書籍など読んでいて、どうも理解しにくいところがあったので質問させてください。

光速で移動するものが時間が遅れるとか進行方向に長さが縮むとかはなんとなくわかった気がしています。

で、理解を深める上で疑問になったのが時間の進み方について。

よく浦島太郎や双子の姉妹などにたとえられる話ですが、静止している点Aから移動体Bが光速で離れていったとします。(加速とかは無視して、いきなり速度0から光の速度100%に加速したとして。)
私の理解だと、当然光の速度で移動するBは時間が遅れる(止まる?)という理解です。
ですからブラックホールとかの重力のへり(時空のゆがみ?)を利用するかなんかして速度を落とさずにUターンすれば出発した点Aに戻ったときにAとBの(すれ違った瞬間の)時間は違うはず。たぶん。(?)

でも、移動体BからAを見たときに光の速度で遠ざかっているのはAに対しても(Aの方がBから遠ざかっている)とも言える気がして、そうしたらAの時間も同様に同じ量の時間が遅れてしまう(?)
つまり遠ざかったもの同士が再びすれ違えたらAもBも時間は遅れていなかったということに・・・??
(AとBを第三者的に見ていたCというのがあれば、AもBも時間はずれるのでしょうが。)

しかし光の速度に無限に近づこうとしたら無限にエネルギーが必要で質量も無限大になるわけですが、エネルギーを使っているのは移動体Bで静止しているAはなんのエネルギーも消費していないのにこの思考だとAは時間が遅れる?ことに。
まるで言葉遊びというか、ものすごいもやっとした感想ですが、この時間が遅れるという理解が間違っているのでしょうか?
(離れていくときに時間が遅れて、Uターンして戻ってくるときに時間がすすむから再会するとプラマイゼロになる?とも考え直してみたものの余計におかしくなりました。たぶん違う?)

入門書などで相対的に時間が遅れるというのは、結局誰に対して遅れると言っているのでしょうか?

A 回答 (10件)

 お礼、ありがとうございます。

補足、承りました。#5他です。

 ベストな理解に至るには、2段階に分けましょう。
 まず、大域的、つまり神の如くABとUターン地点までの全てについて、時々刻々とリアルタイムに把握する理解です。つまりそれが、無限大の速さの何かで見渡すことなんですね。

 もし嘘っぽいからという感じがするのであれば、時刻合わせした時計を持つ物凄く大勢の観測者Dたちを、ABからUターン地点まで、ずらずらと並んでもらい、各々が時々刻々の目の前のことを記録し、後でDが皆地球に戻って、何が起こったかを検討すると考えてもいいのではないかと思います。

AB----------Uターン地点
DDDDDDDDDDDDD

 それを踏まえて、ドップラー効果等を加味して、Bの光学観測視点でどうかが分かればベストです。

 しかし、先に申し上げた、時報での理解でも、Aの言い分が正しいことは定性的には理解はできます。

 Aから見て、BがUターン地点からの光のパルスを合計100回受けているなら、Bからしても100回の光パルスを受けとっています。Bという移動はしているものの、一つの地点ですから、そこで起こった同じ物理事象が、観測者ごとで異なることはありません。

 たとい、Bがいかに理屈をこねようと、Uターン地点=Aの時報100回を受けたことは否定できません。ならば、Aの100回分の時報の時間が経過して、BはUターン地点にたどり着きます。それはBも認めなければいけません。

 でも、この説明ではここまでなんですね。お互いにお互いの時計がゆっくり進んでいるという、「双子のパラドクス」を説明しきれません。こうなってしまうと、特殊相対論要らないじゃん、てな感じもしてきます。どこでも時間と空間が絶対のニュートンでいいじゃないかと。

 そこをクリアするなら、やはり大域的に事態を把握してみましょう。
 それには、図示で、AとBを別々して2行で表してみるといいかもしれません。

1)出発直前([**]は、それぞれの時計の時刻)、・はUターン地点からの時報
A[00]・・・・・・・・・・・・Uターン地点[00]
B[00]・・・・・・・・・・・・Uターン地点[00]

 これはいいですね。しかしBが一気に亜光速に達すると、先に申し上げた同時刻の相違とともに、ローレンツ収縮という空間が縮む、つまり今の場合でいえば、Bにとって目的地が一気に近くなるという現象が起こります。

2)出発直後でBは亜光速!
A[02]・・・・・・・・・・・・Uターン地点[02] ←平穏な日常
 B[02]………Uターン地点[80] ←近くなって時計が進んだ!
A’[01] ← BにとってのAの時計の進み方は遅い

 このような劇的なことが、瞬時の亜光速までの加速終了後に出現するわけです。
 Bからしたら、Uターン地点までの距離は近くなり(これが亜光速では船内時間が1年でも10光年とかでも行けてしまう理由)、しかもその時計は自分よりゆっくり進む。近い距離を行き、相手の時計はゆっくり進む。
 一見、外界の時間こそが遅くなる要素ばかり。
 だけれども、一気に時間が進んでしまっているので、その効果では打ち消せない程、目的地の時計は進んでしまうわけです。つまり、どうやってもBの時計は遅れます。

 片道で、既にこういうことが起こります。Bが向きを変えて、Aに向かって亜光速まで加速すれば、それが2回起こるわけです。もちろん、ますますBの時計は遅れるだけです。

 これを、Bの光学観測視点で言えば、短くなった距離に詰まった時報の光パルスを、しかも迎え撃つように進みながら受けます。さらに、Uターン地点の時計が一気に進んだということは、その間に時報の光パルスは大量に出てしまっています。
 もちろん、それらの時報をキャンセルはできません。そうなるような理屈はどこにも出てきません。大量に出てきた時報を受けつつ、B自身の時計が遅れること確認することになります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。


やっと、理解できました。(予想外に長旅になりました、この理解。)

亜光速で速度を落とさずUターンしたりとか疑問に思ったことを複雑にしてしまっていましたが、やっぱり移動している側の時間が遅れるという結論ですね。

この数日間いろいろと回答を書いてくださった皆様、本当にありがとうございました。

お礼日時:2012/01/08 21:26

No8より、続き


再放送じゃないのを見てたっぽいですね。
シュレディンガーの猫全く関係ないですし、時間を遡って決定もしません。
量子力学とごっちゃになってます。
心中お察ししますがその番組で見たことすべて忘れてください。

「相対性理論の正しい間違え方」という書籍は、
「よくこういう風に勘違いされてるけどそうじゃないよ」という例を並べた本で
列車の例題で上記の事が間違え方の一つに挙げられてました。
その番組見ていまだに勘違いしたままの人って結構いるのかもしれません。

<<ご回答としては「もともと同時だった時間は、列車内の同時と列車外の同時とは違ってしまうので、
  観測装置の意味合いも異なる」で理解してよろしいですか?

え~と、たぶんその理解であってると思います。


理解の助けになるのか混乱するだけなのかはわかりませんが
私は別の視点から説明しておきます。

x'=γ(x-vt)    式1
t'=γ(t-βx/c) 式2
(β=v/c、γ=1/√(1-β^2)

ローレンツ変換です。
解釈に迷ったら式と相談してください。
(本当は数式を理解した上で考えるのが正しいんです
 個々のケースで考えるだけだと、別の例に変わったとたんに???となりますが
 元となる式を知っておけば、そのケースの時間、空間を逐一計算していけば
 何が起こっているのかわかります。)


・同時の相対性
時計を一列に並べて列車の中から見て全て同じ時刻にしておきます。
速度vの人から見ると全部違う時刻であるように見えます。
これは式2の内容です。t'にxが絡んできますね、時刻は場所に依存します。


以下のHPの図を参考にします。
別窓を開いて図を見ながら聞いてください。
グラフが乗ってますね。
横軸は空間x、縦軸は時間t
赤線はUターンして戻ってくる宇宙船を表しています。
縦軸の目盛は、等間隔時間を刻んだ目盛で仮にT秒とします。
赤線についている目盛は、宇宙船の中から見たT秒ごと
に間隔を刻んだものです。

青線は地球から見た同時刻を結んだ線です。
青線の間隔と軸上の間隔を比べてみましょう。
青線の間隔の方が大きいですね。時間が引き伸ばされて見えるわけですが
これが地球から見た時間の遅れに相当します。

2つめの図のピンクの線
これは宇宙船から見た同時刻を結んだ線です。
Uターンする前と後では、何を同時刻と見なすかが変わるので
二種類の傾きの線があります。
ピンクの線の間隔は、軸の時間間隔よりも短いですね。
宇宙船の人間から見れば、地球の時間間隔の方が引き伸ばされて見えます。
これが宇宙船から見た時間の遅れです。

2枚めのDEの幅の所では宇宙船から見て時間の飛びが生じているのがわかります。

http://sf-fantasy.com/magazine/column/relative/2 …
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

リンク先のグラフを見て納得。

あ~、確かに図で書くと時間がずれてます。リンク先の図で言うところの横軸の青い線は誰に対しても水平方向に平行だという理解のスタートがまずかったのですね。

そっか。そういうことか。
ありがとうございました。

お礼日時:2012/01/08 21:11

NHKの「アインシュタインロマン」・・・


すごい聞き覚えがあったので大学の図書館で本を漁りました。

「相対論の正しい間違え方」という本です。
上記の番組では、同時の相対性を間違って報道していたそうです。

番組の説明では、
「列車の真ん中から発射した光が、列車の両端に同時に届けば列車は爆発する。(*注1)」
という設定で、
「電車の中から観測すれば光が同時に届くので列車は爆発し、
 電車の外から観測すれば光が同時に届かないので「爆発しない」」
そして
「爆発した状態と、爆発していない状態の量子的重ね合わせ状態が生じる」
というものだったそうです。

正しくはどちらの観測者から見ても爆発します。
「同時を観測して爆発する装置」は外から観測すると
「Δt秒の時間差を観測して爆発する装置」になってしまうからです。

再放送では訂正して報道されたらしいので、質問者さんがどちらを見たのかはわかりませんが。

TV番組とかコンビニにおいてあるような科学読み物とかは結構適当だったりするんですよね。
特に偉い先生の名前を借りて「○○監修」としている本とか。
ああいうのは何人かの執筆者が他の本見ながら面白い部分だけ掻い摘んで、
わかり易く(曖昧で適切ではないけど馴染みのある言葉に)翻訳してるだけなんですけどね。
参考文献見てもそれもまた啓蒙書とか入門書だったりして、はっきり言って伝言ゲームの末端です。
ネットはもっとひどいです。特に知恵袋。悲惨です。
そういうの見て相対性理論は間違ってると言いだす人が後を絶ちません。

すいません、愚痴でした。

*注1 本では例題と絡めて少し言及しているだけなので、報道では「爆発する」設定ではなかったかもしれません。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

NHKのアインシュタインロマンを覚えていた方がいらっしゃってよかったです。なにしろだいぶ古い話で、撮っておいたはずのVHSもどこかに行ってしまいました。(そもそもすでにデッキ自体がありませんが。)

私が見たのが再放送だったかどうかは知るすべがないのでなんとも言えませんが、列車の中央から発した光をちょうど列車に乗り合わせた家族が車両の両端で見るという思考実験でした。(なので列車が爆発したという情報は知りません。)
この番組ではほかにもシュレーディンガーの猫という興味深い話があり印象に残っています。(これも観測すると、時間をさかのぼって猫の生死がすでに決まっていたという理解不能な話でしたが。)

番組を何度も見返していたので、あの番組に間違いがあったというのは驚きました。教養的な番組だったので必死について行こうとがんばったのに、根底がくつがえるとちょっとショックです(泣)

さて、この数日この質問と回答の理解(してないけど)で爆発しかかっている私の頭はともかく、ご回答としては「もともと同時だった時間は、列車内の同時と列車外の同時とは違ってしまうので、観測装置の意味合いも異なる」で理解してよろしいですか?(自信がなくなってきました。)

お礼日時:2012/01/08 00:41

No.6 です。

お分かりとは思いますが、訂正一か所です(^^;

--誤--
>同様のことが Bの腕時計をAの多数の観測装置で観測した場合にもいえて
>Bの腕時計はAの観測装置に比べ遅く観測されます。

--正--
同様のことが Aの腕時計をBの多数の観測装置で観測した場合にもいえて
Aの腕時計はBの観測装置に比べ遅く観測されます。
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ブラックホールの話まで踏み込むと途方もなく難しくなるので


双子のパラドックスあたりまで。

まず、時間が遅れる話ですが、二人の人がA, B がいて、BがAに対して
一定の速度を持つ場合、BとAとの時計を直接比較することはできません。

特殊相対論では観測というものは非対称になります。

例えば、Bの腕時計を、Aが観測するということは、Aが静止している
慣性系全体にちりばめられた多数の時計兼観測装置を使って、
Bが時計兼観測装置のすぐそばを通った時に、Bの腕時計の時刻と
観測装置の時刻を記録するということになります。

すると、2個観測装置に記録されたBの腕時計の時刻差と、
観測装置がBに出会った時の観測装置の時刻差を比較すると
Bの腕時計の時刻差の方が小さくなります。

A側の時計1個と、B側の多数の時計を比べているわけで、激しく
非対称な観測方法になっています。

同様のことが Bの腕時計をAの多数の観測装置で観測した場合にもいえて
Bの腕時計はAの観測装置に比べ遅く観測されます。

つまり、観測の非対称性の方向がどちらの時計が遅くなるかを決めます。
1個の時計の方が多数の時計より遅くなるのです。

この2種類の観測の観測対象は全く異なるので矛盾は起きないのです。

さて、双子のパラドックスというのは、A, B の腕時計の時間経過
の問題です。上で述べたように、特殊相対論での時間の遅れは、
A, B の腕時計を互いに見比べているわけではありません。

A, B の腕時計の時刻は、A,B の固有時間と呼ばれるもので、
特殊相対論で計算が可能です。

AやBを特定の慣性系で観測した時、AやBの運動を短い等速直線運動をつなげた
ジグザグな(折れ線な)運動で近似してよいとして、
各直線運動の時刻差、位置差を、Δti, Δxi, Δyi, Δzi
とすると、固有時間は

Δτ=Σ√(Δti^2-Δxi^2-Δyi^2-Δzi^2)

と計算できます。Δtiを十分小さくすれば

Δτ=∫√(dt^2-dx^2-dy^2-dz^2)

という積分になります。

これがAやBの腕時計の経過時間です。
#ΔτはA, B のそれぞれの経路から別々に計算します。

AとBが旅行に出て戻って腕時計を見せ合うことが出来る時、
初めてお互いの時間の経過の差(Δτの差)を比較できます。

ΔτはAとBを観測した慣性系とは無関係に決まります。つまりΔτは
ローレンツ変換の影響を受けません。A, B の旅行での腕時計の時間経過量が
観測によって変わるはずはなく、もし変わったら理論に矛盾が
あることになりますが、実際計算してみると変わらないことがわかります。

Δτは旅行の経路の形によって決まり、観測に用いた慣性系には関係ありません。

そろそろ結論です。特殊相対論では、A, B の腕時計はそれを観測する
観測系からはどちらも遅れて観測されますが、A, B を直接比べているわけでは
ないので矛盾はありません。

A, B の腕時計の時間経過を見積もるには固有時間の計算が必要です。
式からわかるように、固有時間の計算には明らかに双子のパラドックスはありません。
どちらかが年を余分に取るだけです。

以上です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

数式の説明はもはや私には理解できないのでこの辺はあきらめるしかないのですが、要するにA、Bでお互いの時間を観測しあって時間の狂いを見るのではなく、それぞれの時間はそれぞれ勝手に伸び縮みするということですね。固有時間という単語は知りませんでした。改めて調べてみようと思います。

お礼日時:2012/01/07 13:08

 お礼、ありがとうございます。

#4です。

>移動するBが亜光速に加速するとUターン地点(点Uとしましょうか)の時計が進むとはどういうことなのでしょうか?

 先にご説明しました列車の中で合っている時計が、駅から見たら合っていないということに対応付けますと、列車の後端の時計が先端の時計より時刻が進んでいることに相当します。
 つまり、向かってくる慣性系、例えば出発地点を列車先端の時計位置、Uターン地点を列車後端の時計位置だとすると、その慣性系の時計ではUターン地点の時計のほうが進んでいるわけです。

 これを、Bが亜光速まど加速し移動し始める前後で申しますと、出発前にはBとUターン地点地点の時計は合っているのですが、亜光速移動開始すると、Uターン地点(とA)はこちらに向かってくる慣性系となり、遠く離れたUターン地点では、B加速開始から加速終了までの僅かな時間で、突然に時計が大きく進むことになるわけです。

 一応、見えるという言葉を使いましたが、これはちょっと掟破りをして無限大の速さで見ている、あるいは計算上そうなるはずとしている、というようなことです。
 もし、本当の目視、つまり光学観測だとしますと、光の速さは有限ですから、上記のような現象を目視するわけではありません。

 音のドップラー効果では、こちらに向かってくるパトカーのサイレン等の音が実際より高音に聞こえますが、それと同じです。
 もしUターン地点の時計を目視できたとしたら、加速終了後からUターン地点到着で停止するまで、Uターン地点の時計の進み方(時の刻み方)が物凄く速く進んでいることを目視することになります。もしアナログ時計だったら、亜光速になるとUターン地点の時計の針が物凄い速さでくるくる回るということです。

 この状況はもしかすると、Uターン地点から10秒ごとに時報代わりの光パルスを発射させる、で理解してもいいかもしれません。
 Aの立場からすれば、Uターン地点からの光パルスを10秒ごとに受け取ります。これは、過去に発射された光パルスですね。このとき、まだ届かぬ10秒おきに発射済の光パルスはAに向かってきています。
 まだA視点で、Bが出発すると、Uターン地点から向かってくる光パルスの列に向かって亜光速で進んでいくことになります。既に発射済みの光パルスの列と、BがUターン地点に到着するまでに発射される光パルスの列を合わせて、Bは受け取ります。

 まだA視点で、よしんばBの時計がゆっくり進まなくても、Bは10秒より短い間隔で光パルスを受けとります。ましてや、Bの時計はゆっくり進んでいます。Bは、ますます10秒より短い間隔で光パルスを受け取ることになります。その光パルスの個数は、出発直後に既に発射済みのと、到着までに発射されるのとを合わせた個数であることは明らかです。

 これをB視点で説明すると、多少煩雑なので省略しますが、この「Bが受け取る光パルスの個数」という物理的事実は、AだろうがBだろうが、他の誰かだろうが、どんな立場からしても同じです。立場を変えたら、こういう物理事実が違うということはありません。そういう一つの地点で起こる一つの事象が観測者によって違う理論が仮にあるとすれば、必ず内部矛盾と観測事実との相違で破たんします。

 10秒ごとの光パルスを時報だと考えると、Bは出発直後から到着まで、10秒より非常に短い間隔でUターン地点からの時報を聞くことになるわけです。
 つまり光学観測では、Uターン地点の時間が物凄く速く進んでいるように観測されるわけで、これが同時刻の相違でUターン地点の時計が大きく進むということにぴったり合致して、どちらで計算してもBの時計には同じだけの遅れが生じます。

 とりあえず、疑問に思われておられるポイントはここかな、と思い、そこを補足してみました。さらにご質問がございましたら、補足欄にて仰せつけください。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。ちょっと理解するまで時間をください。なんか、わかったような気がするような、もうちょっとでわかりそうな微妙な感じ。光パルスの例を頭に思い描いて考えてみたいと思います。今ちょっと頭の中がわかる寸前のモゾモゾする感じでいっぱいなんですが。
もう少しがんばってみます。

補足日時:2012/01/07 13:15
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この回答へのお礼

何度もご回答を読み直して、理解している自分と理解していない自分の重ね合わせをリアルに体感しておりますが・・・。

ご回答の前半、Bが亜光速に加速した際にUの時計が進むとはつまりBがAとUの時間に対して勝手に遅れだしたという解釈でよろしいでしょうか。(Bの存在に関係なくAとUの時間は同じという前提だから、Bの時間の遅れの分だけUの時間が進んだと換言したと言うことでしょうか。)


後半の説明では、光パルスの信号は一定間隔だけど、BとAでは現象が異なる(?)ということで?

・を光パルスとして私の頭の中の想像図をなんとか書いてみますが、

Aの視点

A  B   ・  ・  ・  ・  ・  ・   U
   →   ←


Bの視点

A  B   ・・ ・  ・   ・    ・   U
   →   ←

こんな感じで光パルスの先頭の間隔が詰まってくるような感じで届くというイメージでしょうか。

光パルスは間隔が詰まってBに届くけども、その分Bは時間が遅れているので光パルスが詰まって届くことをBは自覚できないし、Aの視点から見た現象とも矛盾しないということですか(!)

お礼日時:2012/01/08 01:51

 光速度は、ある意味、特別な場合と言えますので、光速に近い亜光速で考えたほうがいいでしょう。

その極限状況が光速で移動するとどうなるか、と考えることができます。

 ですので、亜光速ということで。

 お考えのことは「双子のパラドクス」というものです。
 それは、双子の兄弟ABがいて、Aは地球に残り、Bは加速時間無視で亜光速に達し、、後は慣性飛行。遠い彼方まで行って、即座にUターン。また瞬時に亜光速まで加速し、慣性飛行で帰って来るとどうなるか、というものです(思考実験ですから、そんな加速に耐えられない、とかの技術的問題は無視)。

 時間の流れと言うとくどいので、時計ということにします。
 Bの出発時、AとBはきっちり時計を合わせます。

 Aの立場から言えば、Bは行って帰って来るまで亜光速ですから、Bの時計はゆっくり進み、Bが帰ってきたらBの時計は遅れているはずだ、と主張します。

 Bの立場から言えば、加速は瞬時だから無視できて、慣性飛行なのだから、自分が静止としていいわけで(これこそガリレイ以来の動かせない事実)、そうなるとAの時計がゆっくり進むのだから、帰り着いたらAの時計が遅れているはずだ、と主張します。
 全く正反対の主張です。

 これは、特殊相対論で有名な「同時刻の相対性」を考えていないことにより、矛盾のようなことが起こっています。実は、他にローレンツ収縮というものもありますが、本質に寄与しないので省略します。

 同時刻の相対性とは、こんなものです。
 等速直線運動で走っている列車があり、それが駅のそばを通過するとします。

 列車のちょうど中央に発光装置があり、先端と後端それぞれに、光を受けると時刻0から動き始める全く同じ時計があるとします。
 列車は慣性運動ですから、列車の中は静止と考えて良いです。発光装置が発光すると、先端と後端には同時に光が届き、二つの時計は同時に動き始め、同じ時計ですから、いつでもこの二つは時刻が合っています。

[♀←光----○----光→♀]
_0スタート_________0スタート
 時計    発光装置
 これを駅から眺めるとします。光速度不変の原理からして、列車の中で発光した光は駅からしても同じ速度で列車の先端と後端に進んで行きます。
 しかし、列車は駅に対して速さがありますから、駅からすれば、まず後端に光が届いて、後端の時計が動き始め、遅れて先端に光が届き、先端の時計が動き始めます。

[♀____←光○光→____♀]→進行方向
__[♀←光----○--光→・・・♀]→
___0スタート
_____[♀______○----光→♀]→
____既に2_____________0スタート

 つまり、動いている列車の中での同時刻は、駅からしたら同時刻ではないわけです。

 元に戻って、AとBだけでなく、Uターン地点にも時計を置きましょう。三つの時計は時刻合わせしているとします。AとUターン地点の時計は互いに静止しているとします。すると、その二つの時計はいつでも合っています。

 Bが瞬時に亜光速まで加速したとき、上で説明した「同時刻の相対性」が発生します。Uターン地点の時計がぐいっと大きく進んでしまうのです。
 この時計は亜光速となったBからしたらゆっくり進んでいます。慣性飛行のBからすれば、移動しているのは、そのUターン地点の時計ですから。
 しかし、その遅れ方よりも、加速したときに起こった「同時刻の相対性」の効果のほうがずっと大きいのです。
 このため、Uターン地点でいったん停止し、時計を見比べると、Bの時計が遅れています。このUターン地点の時計はAの時計とピッタリ合っています。もう、Aに対してBの時計は遅れているのです。
 もちろん、Uターンして、Aに向けて亜光速まで加速すると、同じことが起き、さらにBの時計は遅れます。

 こうして、Aの主張する通りのことになります。Bは、加速する、すなわちAとUターン地点に対して速度を持つ慣性系を乗り換えるとき、必ず発生する「同時刻の相対性」をうっかりしていたのです。

 慣性飛行中は、互いに平等です。どちらが移動しているという区別はありません。慣性系では自分は静止と考えてよい、いや、そう考えなければいけません。
 だから、平等を期して、相対速度という言葉がよく用いられますが、相対速度は必ず自分=その慣性系の観測者でないほうが持っています。自分は静止で、動いているのは周囲の物です。

 だから、時計がゆっくり進むのは、お互いさま、平等に起こります。しかし、加速する=慣性系を乗り換えると、乗り換えたほうだけに同時刻の相対性は発生します。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

まさに疑問の中心を照らす回答ですね。

列車のたとえは文系の私が相対論に興味を持つきっかけとなった、(かなり昔ですが)NHKのアインシュタインロマンという番組で同様の思考実験の映像を覚えています。列車の中では同時に車両の両端に届く光が、列車の外から観測すると同時じゃないという説明がさっぱりわからず何度も視聴してました。
(このときは結局納得がいかないので、進行方向に進む側の車両が縮んで、結果光の進む距離が短くなるのだから進行方向の反対側の端と同時に光が到着する・・・と、強引に理解して(したことにして)やり過ごしてきたわけですが。どうもそのあたりからイカンのだろう。)

さて、ご説明の中でUターン地点の時計の部分。移動するBが亜光速に加速するとUターン地点(点Uとしましょうか)の時計が進むとはどういうことなのでしょうか?
AとUは静止しているわけですから、移動しているBの時計が遅れるのはわかりました。(この場を借りて、回答して頂いた皆様、解説本当にありがとうございます。)
しかし折り返し地点のUが進むというのは「Bからの視点限定で」と理解したらよいのでしょうか?UとAはBの挙動にかかわらず時計は一致しているはずですよね?もしBが存在しなければAもUも同じはずなのですが・・・???あ、でもBが亜光速で移動する時に「#3の回答者様のおっしゃるように質量が増大して、Bの周囲の時空がゆがむから」AもUも時間が狂うということなんでしょうか?Uに人がいたらBの勝手な移動の影響で時間が狂う?(この辺は理解できていない)
いや、これは時間の問題ではなくて観測者の問題だったということでしょうか?
もし、A・B・Uを観測しているXという観測者から見たら時間の進み・遅れはこの三者の中でプラマイゼロになるから全体として丸く収まると考えれば良いのでしょうか。

すみません。せっかく解説して頂いたのにまだ若干理解度が上がっていないみたいです。お礼を書いていて、なんか難癖つけている気がして申し訳ないです。

お礼日時:2012/01/07 00:13

「ブラックホールのような光さえ曲がってしまう(周回する)位置に(すり鉢状と表現するならばその中心に引きずり込まれないぎりぎりの位置に静止するAと周回してきたBでは時間の遅れがある」で OK です. 単純には


シュバルツシルトブラックホールにおける「シュバルツシルト半径の 1.5倍の地点」
が分かりやすいかな. ここはまさに「光が周回する」ところ (つまり「水平」に光を打ち出せば戻ってくる) なので, そこの軌道速度は光速度になります. ということは「B の経過時間」は必ず 0 です. 一方, 軌道運動せずそこに努力と根性でとどまっている A の経過時間は正になります (シュバルツシルト半径より外なので当然観測可能) から, A と B では時間の進み方に違いが現れます.

余談だけど, 「光を曲げる」のはブラックホールに限らないからね. 質量をもつものは (その質量に応じて) 周囲の空間をゆがめ, 光はその「ゆがんだ空間」を「まっすぐ進む」というのが一般相対性理論における考え方.
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

若干理解度に不安があったので、わかりやすく回答して頂けてとてもうれしいです。


余談までありがとうございます。この現象はたしか皆既日食の時に太陽の陰にある星が観測できる現象で有名なやつでしたっけ。空間がゆがむので直進している光があたかも曲がっているように見えるというふうに理解しました。

お礼日時:2012/01/06 23:27

<<結局誰に対して遅れると言っているのでしょうか?



自分に対して相手が、です。
Aから見てBの時間は遅れて見え、またBから見てもAの時間は遅れて見えます。

何故互いに遅れて見えるのか?
時空図上でABのそれぞれの時間のベクトルは角度を持っており、
これを互いの斜交する時間軸の基準に照らし合わせると、
互いに遅れて(ベクトルが長く)見えます。
相対性理論では、時間は単に1次元のみに存在するのではなく
空間方向の次元に「傾く」ということを覚えておいてください。
大学生以上であるなら線形代数学の教科書を買って線形変換について勉強してみてください。
それを理解してないと本質的なところは分からないと思います。


Aが静止し、BがUターンする場合に関して。

Aから見てBは、常に時間が遅れて見える。
Bから見てAは、行き:時間が遅れて見える。Uターン時:時間が進んで見える。
          帰り:時間が遅れて見える。

自身が加速している際には相手の時間が進んで見えることがあり得ます。
(ちなみに加速の仕方によっては相手の時間が逆行して見えることもあり得ます。
 ただし情報伝達が光速以下である制限から、その逆行した「過去」に行くことや、
 情報を伝えることはできません。)
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この回答へのお礼

回答、ありがとうございます。

なにぶん高校では数学は苦手で、でもサイエンス系の話題は好きなもので相対論の本はいろいろ読みました。(入門レベルですが。)
時間は1次元で一方向にしか行けないという先入観があったので、角度を持つというのは初めて知りました。

やっぱり、興味本位で足を突っ込むべきではなかったかとちょっと反省。・・・高校ですら、代数幾何は赤点だったもんなぁ。光の不思議な振る舞いとかわくわくして本読んでいて、想像を膨らませていたんですが、さすがにちょっと恥ずかしい質問でしたね。

お礼日時:2012/01/06 01:42

2人の観測者A, B が「等速度運動している」というときには, A と B のどちらも「相手の時計が自分より遅れている」と観測します. これは, 「A と B を区別することができない」からです.



しかし, 「一方が Uターンする」ということになると話は全く違います. このときには「Uターンする観測者」と「Uターンしない観測者」という区別が生じるため, 一方のみが遅れていたとしても問題ありません. いわゆる「ウラシマ効果」です.
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

なるほど、Uターンをしてしまうと条件が変わるわけですね。

ということはブラックホールのような光さえ曲がってしまう(周回する)位置に(すり鉢状と表現するならばその中心に引きずり込まれないぎりぎりの位置に静止するAと周回してきたBでは時間の遅れがあると理解すればよいのでしょうか?

お礼日時:2012/01/06 01:29

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