No.4ベストアンサー
- 回答日時:
惑星(さらには衛星)の公転や自転は、おおむね太陽の自転と同じ(順行)です。
しかし、逆向きのもの(逆行)のものも少数ながらあります。また、惑星の公転面は、だいたいですが太陽の自転軸に垂直な平面に近いものになっています。しかし傾きの大きいものも少数ながらあります。
基本的なことから、応用的なことへと理解するといいのではないかと思います。
まず太陽系のでき方ですが、宇宙空間の膨大な数の塵が重力で集まって来てできます。多数の塵が集まってくるとき、ある一点を目指して集まるということは起きません。
単純に二つの塵で考えてみます。これがいきなり正面衝突することは確率的に非常に低いです。すれ違いになります。すると互いに重力を及ぼしますから、互いに接近する方向に軌道を変えます。うまく行けば、互いに楕円軌道を持つようになって、安定します。
こういうものができれば、それは二つ分の重力を持って安定することになります。すると、そこへ別の塵が引き寄せられやすくなります。これも、ぶつからずに、すれ違います。
三つが安定するには、元々の二つが持っていた楕円軌道の回転に沿うようにすれ違ってくれた場合です。すると、今度は三つ分の重力を持ちます。回転方向と合っている塵が、さらに一つ、また一つと集まって、ついには粒となって固まります。元の楕円軌道の方向の自転をします。
三つ目が楕円軌道の反対方向から来れば、二つが持っていた楕円軌道が解消されて、三つがバラバラの方向に向かいます。これだと、一からやり直しです。
こうして、集まってきた多数の塵が、偶然に頼りながら、次第に塵から小さい粒へと成長します。
集まってきた塵全体を考えると、それの重心はあります。そこを中心とするように塵は集まって行きます。このとき、塵全体が平均、あるいは全体として、その重心周りについて回転していれば(角運動量を持つといいます)、塵が集まって来ても、回転運動があります。塵全体をトータルしたら回転がないというのは、物凄い偶然で、確率的には事実上ゼロです。
塵全体が、惑星を持つ太陽系へと、渦巻きながら成長して行くようになります。
塵から粒へ、粒から惑星の元となる微惑星へと成長して行きます。微惑星同士も引き合って、衝突・融合して大きくなって行きます。大きな物ほど重力が強いので、早く大きくなった物が、さらに加速度的に大きく成長して行きます。最も速く大きくなった物が太陽となり、全体の回転の中心に位置するようになります。もちろん、元の塵全体の回転方向の自転軸を持っています
公転面ですが、太陽系の初期段階では、かなりバラバラだったと思われます。これが、ほぼ平面に収束して行きます。
これも、二つの惑星に単純化して考えてみます。公転面が互いに大きく異なる二つの惑星があるとします。二つの惑星同士は重力を及ぼし合っています。長らく公転しているうちに、互いに引き合うように公転面を変えて行きます。ついには、ほぼ同一平面を公転するようになり、それで安定します(公転に関する位置エネルギーが最低になって落ち着く)。
こういうことが、太陽系ができる初期の段階から起こったと考えられます。先に、渦巻きながら成長して行くと申し上げましたが、さらに、平面的に渦巻きながら成長して行く、としてよいでしょう。
こうしたことは、全体的に見ればということですので、例外は生じます。太陽系が生まれたときから、公転や自転が逆行している微惑星や彗星などはあるでしょう。公転面が傾いたものも残ります。特に公転周期が長ければ、公転面がまだまだ合わないこともあるでしょう。
また、公転が元々は順行している微惑星であっても、たとえば木星の傍を通って軌道が曲げられ、逆行の公転に変わるものもあるでしょう。地球の傍を通り過ぎる小惑星は多数あり、衝突しないか心配されて軌道計算がされています。4000個くらいありますが、100年くらいは大丈夫のようです。しかし、それほど接近すると、元の公転方向とは全然違う方向に軌道が変わることも多くなります。中にはらせん状に近づいて、またらせん状に遠ざかるものもありますので。
自転が、逆行、あるいは非常に傾くものがあります。原因は二つ考えられます。一つは、微惑星段階を含む太陽系初期では特に多かった衝突です。衝突で自転軸は変わります。地球も火星くらいの惑星が衝突したとされています。それで月ができたわけなんですが(というのが、月の出来た主流の説)。
もう一つは、惑星同士の重力的な干渉です。特に木星は質量が大きく、強い影響力を持ちます。次いで土星ですね。これが、その二つより小さな他の惑星の自転に影響を与えます。
火星が、なぜ今のような生命の存続を許さない環境になったかについて議論があります。最初は地球と同じように大気や海があったと考えられています。もちろん、重力が小さくて大気が逃げたということはあります。
それに加えて、自転軸が安定していないことが分かって来て、それも大きな要因ではないかと言われるようになりました。南極・北極がどんどん移動しては、安定した環境になりません。今でも自転軸は安定していません。主に木星の影響だとされています。
他の惑星も、同様な干渉を受けています。
対する地球ですが、火星のような自転軸の不安定さがないのは、地球の大きさに比べて不釣り合いなほど大きい衛星、つまり月のためと考えられています。月の地球に対する公転を含めて、自転の安定が保たれています。月を含めて回っている安定したコマのようなものです。もし月が無ければ、地球は今のように多くの生物が住める環境にはならなかったのではないとも言われています。
遅くなりすみません。
詳しく記載して戴いてありがとうございます。
大体わかりました。
でもひとつ疑問が。
太陽系ができる時にというか、最初の発生時になぜ回転運動があるのか?
ま、銀河自体が回転しているので、それにつられる事は
あると思いますが、それであれば、銀河はなぜ回転するのか。
No.3
- 回答日時:
はい、他の回答者さんがご存じないだけで、たしかに小惑星や彗星なら、公転が逆行しているものも有ります。
ついでながら自転が(見かけ上)反対になっているのは金星、ですね(天王星は横倒し)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%86%E8%A1%8C% …
No.2
- 回答日時:
前の方の説明がパーフェクトなので補足だけします。
小惑星は、惑星になりきれなかった岩石の塊ですので、小惑星の公転方向も全て地球等と同じです。
また、小惑星帯(火星と木星の間にあります)は密度が高いので、仮に逆方向に公転しているものがあったとしても、既に他の小惑星と衝突しているはずなので、一つだけ逆方向に公転しているというのは、ありえないです。
彗星も、極端な楕円軌道を描いていますが、地球等の公転方向に逆行しているものは、知っている限り無いです。(すみませんが、理由は分かりません。恐らく、彗星の素も小惑星の様なものだったのだと思います)
他の恒星の惑星も、太陽系と出来方が同じならば、公転の仕方も同じです。
ついでに……自転の方向は必ずしも同じでは無いです。天王星は地球等と、自転方向は反対です。
No.1
- 回答日時:
公転面の傾きと公転の周回方向の事を言っているのか?
太陽系の起源を考える。
塵やガスが集まってやがてその塊が回転運動を始めて、その回転する塊の中で徐々に塵やガスから太陽や惑星が形成されていった。
詰まり最初から惑星があって、ソレが集まって太陽系になったわけではなく。
大きなひとかたまりの混沌が回転するウチに惑星が生まれていったので、最初の塊の回転運動方向と角度が残っている。
それぞれの惑星によって微妙に公転面の傾きが違っていたりするのは、惑星形成途中に起きた衝突の影響による。
多分、そんなかんじ。
回答が遅くなりすみません。
混沌としている時に回転するのはなぜなのか。恒星が発生段階でなぜ回転するのでしょうか?
でもよくわかりました。
TVで宇宙系の番組を見てた時ふと疑問に思いました。
ありがとうございました。
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