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電子の状態密度は3次元、2次元、1次元、0次元の応用例が考えられていますが、(薄膜や量子ビットなど)フォトンやフォノンの状態密度の3次元、2次元、1次元、0次元の応用例はないのでしょうか。

A 回答 (3件)

電子の局在化は40年の歴史がありますが、フォトンの局在化はここ10年くらい、フォノンの局在化はつい最近盛んになってきましたからね。


# フォトンについては私も今知りましたが。^^;

2種類の結晶を交互に積み重ねると、バルクとは違ったバンド構造や離散準位を持つようになります。
これは、結晶の格子定数が周期的に変化することにより電子の波動関数が折り返され(反射され)、局所的にピークを持つ状態密度となるからです。
結晶薄膜を重ねて電子を二次元平面内に閉じ込めた「量子井戸」はノーベル賞受賞者の江崎玲於奈博士が提唱したものですが、一次元に閉じ込めた「量子細線」よりも先に、0次元(つまり、「点」)に閉じ込めた「量子ドット」(「ビット」ではないよ)を用いた半導体レーザが数年前に実用化されました。

フォトン(光子)を閉じ込めることは難しいですが、特定のエネルギー準位を持つ光子を選び出すことなら、グレーティングを切ったり、2枚の鏡を向き合わせることで可能です。
半導体レーザでは、活性層にグレーティングを切ったDFB(分布フィードバック)レーザや、活性層の両側にグレーティングを切ったり、量子井戸と同様、屈折率の異なる2種類の半導体薄膜を交互に積み重ねた反射鏡としたDBR(分布ブラッグ反射)レーザなどが古くから実用化されています。

電子に対する量子井戸と同様、光子に対してもバンドギャップを持つ結晶格子、「フォトニック結晶」を作ろうという研究も、20年くらい前からなされています。
グレーティングは二次元平面に線状の溝を刻むものですが、線ではなく例えば点状の穴を開けます。
すると光はある波長に対して特定の方向にしか反射されないので、穴の周期を適当に選ぶことにより、特定の波長帯(エネルギー準位)の光しかその面内に存在(透過)できなくなります。
点のない部分を線状に配置すると、損失が極めて少ない光導波路となり、局部的に周期を乱してやると、高効率の反射器となります。
横浜国大の馬場先生や京大の野田先生などが以前から盛んに研究しています。
また周期構造を三次元的に配置して、複雑な光回路を組み込んだ光ICなども研究されています。

同じ発想から、音波を閉じ込める「フォノニック結晶」(ソニック結晶)も近年研究され始めたようです。
半導体については、フォノンの局在化は私も用途がないと思っていましたが、例えば光らないはずのSiを光らせるために研究されているようです。
間接遷移であるSiを光らせるためには、フォノンの関与が必要だからです。
例えば半導体結晶上に金属のグレーティングを配置するなどが研究されているようです。

参考URL:http://www.cis.kit.ac.jp/~takaghra/resback.html
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この回答へのお礼

「フォトニック結晶」以外にも「フォノニック結晶」というものもあるのですね。ありがとうございました。

お礼日時:2012/10/08 20:28

具体例でいくと、超伝導はフォノン媒介のクーパー対(ボーズ粒子)は、クーパー理論により薄膜にするとTcが下がるという、BCS理論の3次元的な仮定を破るため、逆に応用を阻害する方向に働きます。

しかし、高温超伝導体のように層状でもTcが高いものもあり、未解決な問題でもあります。
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この回答へのお礼

未解決な問題なのですね。ありがとうございました。

お礼日時:2012/10/08 20:27

ボーズ粒子とフェルミ粒子の違いをよく考えればわかるでしょう。



電子はフェルミ粒子の場合には状態密度と言った形で閉じ込め効果が出てきますが、ボーズ粒子の場合は同じエネルギー準位に粒子が存在できるので、閉じ込め効果の物性的な応用なんかありません。
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