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ある文章で「どのような場合に量子効果が顕著になるか?」というのがあったのですか、量子効果が顕著とはどういうことなのでしょうか?

A 回答 (2件)

 量子効果は正確な定義はないと言っていいのですが、おおざっぱには以下の感じです。



 全てを確定として数式化できる古典物理学(相対論を含む)では、物理現象が決定論的(理論的には何事も完璧に計算で求められること)、確定的(全てが完璧に観測できること)です。

 これに対して、近代物理学と言える量子力学では、物理現象は根本的に確率論的(乱数のように決められないこと)で不確定的(観測には根本的に不正確さがつきまとうこと)です。

 そういう量子力学を必要とするのが「量子効果がある」ということになります。物理現象を分析するのに、量子力学を必要とする度合いが高ければ高いほど、「量子効果が顕著になる」ことになります。

 少し具体的に言うと、まず対象とする物理現象がミクロであればあるほど、量子効果が顕著になります。たとえば、原子は原子核の周りに電子がありますが、その電子は「確率的に分布」しています。

 化学の教科書に、原子核の周りに円を描くような電子がある模式図(長岡模型)ではない、球や鉄アレイに帯がまとわりついている奇妙な雲のような形をした原子のイラストがあったりします。それは電子の確率的な分布を計算すると、そのような形になるということを表しています。

 そして、その量子効果が顕著なのは「観測していないとき」です。観測すれば、たとえば位置と速度であれば、位置か速度かどちらかの測定を正確にすればするほど、他方の測定は不正確になってしまいますが、ともかく何らかの確定性が現れます。

 それを不確定性原理と言うですが、観測していないときは本来の不確定性が顕わになります。それが奇妙な雲のような形の原子であったりするわけです。電子の位置を正確に測定すれば、観測後の電子の速度は分からなくなりますが、ほぼ一点にある電子が観測でき、雲のような原子にはならなくなります(観測終了後、また雲のような形に戻る)。

 こうした量子効果のため、たとえば、以下のような現象があります。

 電子を非常に狭い密閉した部屋に閉じ込めたとしても、電子は部屋の壁など関係なく「確率的に分布して存在」しているため、部屋の外にもその電子が存在してしまいます。すると、電子は部屋の壁を通り抜けてしまうことも起こります(トンネル効果)。

 絶対零度では、古典物理学では全てが凍結して固体になりますが、たとえばヘリウムは常圧では液体のままです。それは、位置と速度が不確定性の関係(おおざっぱには「位置×速度>」0と考えてOK)にあるため、位置が確定して、かつ速度が0になることができず、どうしてもヘリウム原子は動いてしまいます(零点振動)。そのため、絶対零度でも原子がほぼ静止した固体にならないのです。

 ミクロの現象では、マクロな現象では当たり前の確率計算に従わないことがあります。これは、量子力学創設期にアインシュタインらが量子力学への疑念としてEPRパラドクスを提示し、それをベルが不等式に表し(ベルの不等式)、アスペが実験して(アスペの実験)、間違っているのは量子力学ではなくEPRパラドクスだと証明したことが有名です。

 これらは、ミクロでの量子効果がはっきりと実証された例です。
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この回答へのお礼

説明ありがとうございました!!よく分かりました!!

お礼日時:2013/04/29 20:12

量子効果というのは、不確定性原理によって発生する、古典


力学では説明できない事象のことで、『トンネル効果』が一例
です。

『トンネル効果』の説明は Wkipedia を参照して頂くとして、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%B3% …

このような不思議な現象は、『我々が日常見る事のできる物』
についてはほとんど起こりません。
つまり、我々が日常見る世界では『量子効果は顕著』では
ありません。

しかし、『半導体や集積回路』など超ミクロな世界を話題にする
ときは、トンネル効果は無視できない確率で発生します。
つまり、超ミクロな世界では『量子効果が顕著』になるのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました!!

お礼日時:2013/04/29 20:13

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