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アミド結合の保護基としてBocを入れる反応をしたのですが、その時Et3NもBocと等量入れました。このEt3Nの寄与がいまいちよく分かりません。反応を促進させている(何かを活性化させている)ために入れているのでしょうけれども、どこにどういった形でアタックしているために、反応が行きやすくなっているのでしょうか?ほかにもEt3Nを入れる反応はいっぱい見るのですが、Et3Nの効果が理解できていません。ご存じの方、是非、教えて下さい。よろしくお願いいたします。

A 回答 (4件)

 御質問者からの反応がありませんが,#2 の方の回答を拝見して補足回答いたします。



 この様な反応でのアミンの効果には2種類あると考えられます。1つは,私が回答した求核剤として活性中間体を形成する事による反応の加速です。もう1つは,#3 で触れられている塩基として働いて反応性の高いアニオン種を形成する事による反応の加速です。なお,反応の加速から離れれば,塩基として生成する酸をトラップするという効果を期待している場合もあります。

 ここで3級アミンが求核反応を容易に起こす事は,トリアルキルアミンと塩化アルキルからのテトラアルキルアンモニウム塩の生成が容易に起こる事からも明らかですので,3級アミンがアミド窒素上の水素を引き抜ける程の塩基性を有しているかどうかについて検討します。

 3級アミンとして御質問にあるトリエチルアミンを考えますが,手元の「アトキンス 物理化学(上) 第6版」には,共役酸であるトリエチルアンモニウムイオンの pKa が 10.76 と出ています。一方,アミド窒素上の水素の酸性度については,手元の「Vollhardt-Schore Organic Chemistry 3rd Ed.」に R-CH2-CO-NH2 の CH2 の pKa が約 30,NH2 の pKa が約 22 と出ています。

 したがって,下記の酸塩基平衡を考えた場合,アミド窒素上の水素の酸性度よりもトリエチルアンモニウムイオンの酸性度の方がかなり大きく,平衡は殆ど左に偏っています。これでは,トリエチルアミンが塩基として作用して反応を促進するのは困難と思われます。

 RCH2-CO-NH2 + Et3N ⇔ RCH2-CO-NH(-) + Et3NH(+)

 実際,pKa 約 30 というと,メタノール(pKa = 15.5)よりも弱い酸であり,メタノール等のアルコールからプロトンを引き抜いてアルコキシドアニオンを作るのに強塩基が必要な事を考ええてみても,アミド窒素上の水素を引き抜くにも強塩基が必要と考えられます。
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この回答へのお礼

書き込みありがとうございます。まず、最初の書き込みでカルボン酸誘導体辺りを調べれば良いのかと思い、調べている内に、さらに、詳しく書き込みをなさって下さっていたのですね。気づきませんでした。スミマセン。まだまだ理解できていない点がありますが、最初に比べて分かってきた感じにはなっております。今回のご指導もあり、もう少し勉強すれば、何とか理解できそうな気がしてきました。手持ちの教科書では、力不足のような気がするので、G.W.にでも大学図書館かどこかに行って勉強したいと思います。本当に色々教えて下さいまして、ありがとうございました。何をどう調べればよいのか分かったので、大変感謝しております。(こちらへの書き込み&チェックが遅くて大変申し訳ございませんでした。)

お礼日時:2004/04/22 20:13

No.2ではEt3NがBOC試薬に求核付加するとありますが、


むしろEt3Nはアミドと反応し、窒素上のプロトンを引き抜く塩基として働いているのではないでしょうか?
アミド結合の窒素上の非共有電子対はカルボニル基との共鳴効果のために求核性が弱く、アミン類でアニオンにして反応性を上げていると思います。
で、反応後に発生する塩化物イオンは先のアミドのプロトンを引き抜いて出来たトリエチルアンモニウムとイオン対をなすと考えたらよろしいのではないでしょうか。

 RC(=O)NHR' + Et3N → RC(=O)N(-)R' + Et3N(+)H
 RC(=O)N(-)R' + Boc-Cl → RC(=O)NR'-Boc + Et3N(+)H・Cl(-)
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。アミン類との反応ですね。調べてみます。

お礼日時:2004/04/22 20:09

 Boc はどう言った試薬をお使いか分かりませんので「Boc-Cl」で書いておきますが,他の試薬でも同じ様に考えて下さい。



 まず,この反応自体は Boc-Cl のカルボニル基に対するアミド窒素による求核付加・脱離反応です。求核付加・脱離反応については,「有機化学」の教科書のカルボン酸誘導体の反応の辺りに出ている筈ですので御覧下さい。おそらく,そこにピリジンを触媒とする反応が出ているのではないかと思いますが,トリエチルアミンもピリジンと同じ三級アミンですので,反応における役割は同じです。ですので,以下簡単に書きます。

 アミド窒素は求核性が低いですから,そのままでは反応が遅く,収率も低くなります。それに比べてトリエチルアミンの窒素の求核性は高いですので,まず,トリエチルアミンが Boc-Cl と反応して活性中間体を生成します。

  Boc-Cl + Et3N → Boc-N(+)Et3 + Cl(-)

 生じた活性中間体は反応性が高いため,求核性が低いアミド窒素とも反応し,トリエチルアミンを再生します。

  Voc-N(+)Et3 + H2N-CO-R → Boc-NH-CO-R + Et3N(+)H

 この時生じる H+ はトリエチルアミンにトラップされます(トリエチルアミンの塩基としての作用)。

 以上,アミド窒素の反応として書きましたが,他の反応でトリエチルアミンを触媒に用いる場合も同様に考えて下さい,
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塩基と触媒の役割です。

私もcyclenの3Boc体をよくトリエチルアミン条件下で行っていました。あと液体であるのでエパボで除去できるところも利点です。

この回答への補足

レスありがとうございます。どの様に関与しているのかが具体的に理解できていないのです。出来れば、アミンのローンペアがどこら辺りにアタックするので活性化されて、反応後再生するのか教えていただけると有り難いのですが...。スミマセン

補足日時:2004/04/14 09:24
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