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EPRパラドックスが提出された時点では、アインシュタインもボーアもこの世の中は「局所的」であると思っていたのが、その後の「ベルの定理」や「アスぺの実験」などにより、この世は「非局所的」であるという結論になったと思うのですが、この「非局所性」と特殊相対性理論は矛盾しないんでしょうか?1932年にフォン・ノイマンが「量子力学の非局所性がメッセージの即時伝達を可能にするものでは決してないことを証明した」ようなのですが、このことで無矛盾と言えるのでしょうか?現在、世の中一般的にはどのような解釈がメジャーなのでしょうか?

A 回答 (2件)

 ご質問の点で申し上げれば、特殊相対論が(虚数の質量等を仮定しない限り)言っているのは「情報伝達を含む因果関係が光速度を超えて成立することはない」ということです。

この点で、もしかするとアインシュタインは自分が創始したはずの特殊相対論を理解できていなかったかもしれません。

 スピンが左回り・右回りが対になる素粒子があったとして、一方を観測してスピンが右回りと分かれば、それの対になる素粒子は、どんなに遠く離れてしまっていても直ちに左回りになります。時間差がないんですから、超光速どころか無限大の速度です。ではそれが、例えば通信に使えるかといえば、使えません。

 一方の素粒子Aを観測して状態を確定させたとして、それは確率的なものです。左回りか右回りかを選んで状態変化させられるわけではありません。それでも観測して状態を左右回りどちらかに確定させたとします。もう一方の素粒子Bは直ちに反対回りになりますが、そのことはその他方の素粒子を観測せねばなりません。

 Aを観測してBの状態を確定し、Bを観測したとして、観測結果は遠く離れたAが確率的に決まった結果ですし、Bを観測して状態を特定できたとして、それがAが確定した結果なのか、Bを観測したから確定したのか、判別はできません。

 どちらなのかは、Aを観測した人から通信などを用いて知らせてもらう必要があります。その通信は光速度以下でしかできません。(量子では上記のような状況になり、使えないため)。電波通信でも光速度です。

 EPRパラドクス提唱者は、量子もつれとも呼ばれる量子間の現象の超光速性が因果関係を伝えると考えたか、因果関係を伝えない物理現象でも光速度の限界があると考えたようです。しかし、特殊相対論をよく見れば、特殊相対論は超光速の因果関係の逆転は言っていても、因果関係を伝えない現象については何も言っていないんですね。

 ベルの不等式でEPRではなく量子力学が正しいと証明したアスペの実験を行ったアスペ自身、自分の実験結果は相対論と矛盾するものではない、と正しく理解して述べています。

 現状では、量子力学には超光速性があるが、それは因果関係を伝えず、相対論と矛盾していないとするのが主流です。

P.S.

 量子力学のマイナーな学派では因果関係を伝えない超光速性のない仮説を主張し続けて居たりはします。例えば、有名なものにガイド波説があります。一見すると超光速性等があるようでも、あらかじめ観測不可能な波動が伝わっている、などとしています。

 量子力学の正しさはアスペの実験以外にもいろいろ証明されているので、超光速性否定の仮説では、量子力学での結果に合うようになっています。つまり解釈だけの問題なんですが、そのためだけに計算過程をややこしくしたりするので、あまり人気がありません。
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この回答へのお礼

詳しい説明、ありがとうございます。
現状での主流派の考え方は分かりました。

お礼日時:2014/06/18 19:05

光速を超えて情報が伝わらないので、その点では矛盾はないけど


宇宙のすべて時計を置くといっても、不確定性原理があるので、
決定論的ではないよね

この回答への補足

一方の粒子のスピンを測定して上向きだった時、その情報がエンタングルしているもう一方の粒子に伝わる前にその粒子のスピンの向きを測定した場合はどうなるのでしょうか?そしてその場合は、量子もつれはほどかれてしまうのでしょうか?

補足日時:2014/06/18 02:21
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