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|k>=(1/√2π)∫dx・e^(ikx)|x>   範囲[-∞,∞]
と基底ケット|k>を定義する。この時、|k>が規格化直交条件を満たす事を示せ。ただし<x'|x>=δ(x'-x)__(1)と、(1/2π)∫dx・e^{i(k-k')x}=δ(k-k')__(2)の関係を利用してよい。

上の問題を解く場合、|k>のエルミート共役は<k'|=(1/√2π)∫dx'・e^(-ik'x')<x'| だから
<k'|k>=(1/2π)∫dx'・e^(-ik'x')<x'|・∫dx・e^(ikx)|x>
となり、計算すると<k'|k>=(1/2π)∫dx・e^(ikx-ik'x') となりました。しかし本当なら(1/2π)∫dx・e^{i(k-k')x}となって(2)式の関係を使って答えへ導くのだと思います。こういう時は勝手にx'→xとおいて良いのでしょうか。そもそもエルミート共役をとる時にダッシュ記号(')を付けて区別する理由がよく分かりません。また教科書は完全性条件では∫dx・|x><x|=1とダッシュを付けていないのに対し、規格化直交条件では<x'|x>=δ(x'-x)とダッシュを付けているという違いにもピンときません。

どなたかご教授お願いします。

A 回答 (3件)

siegmund と申します.


大学で物理の研究と教育をやっています.

> デルタ関数の性質より ∫δ(x'-x)dx'=1 だから (1/2π)e^(-ik'x')∫e^(ikx)dx
> ここでx'→xとおくと(2)式を使って答えになるため、こういう計算で良いように思えます。

ここらへんが間違っています.
任意の(適当に性質のよい)関数 f(x) に対して
∫dx f(x) = f(0)
がデルタ関数の最も重要な性質の一つです.
変数変換すれば
∫ dx' f(x'-x) = f(x)
です.
質問で f(x) に対応するのが
(1/2π) e^(-ik'x') ∫dx e^(ikx)
になっていますから
<k'|k> = (1/2π)∫dx・e^{i(k-k')x}
になります.
ここが間違っているので,積分したはずの変数が残るということになるのです.

> そもそもエルミート共役をとる時にダッシュ記号(')を付けて区別する理由がよく分かりません。

エルミート共役をとるからダッシュがつくのではなくて,規格化直交条件を調べるから片方はダッシュにして
区別しないといけないのです.
同じ基底ベクトルの内積は1で(今は連続バージョンだからデルタ関数ですが),
違う基底ベクトルの内積はゼロ,が規格化直交条件.
<k|k> では同じベクトルの内積しか調べたことになりません.
eatern27 さんのおっしゃるとおりです.

> また教科書は完全性条件では∫dx・|x><x|=1とダッシュを付けていないのに対し

こういう疑問を持たれるのは,多分線形代数の知識があやふやなのだと思います.
簡単に2次元平面に例を取りましょう.
x 方向の単位ベクトルを |e_x> = (1,0)^t,y 方向の単位ベクトルを |e_y> = (0,1)^t とします.
^t は転置を意味します.つまり上の |e_x> と |e_y> は縦ベクトル.
規格化直交条件は
<μ|ν> = δ_{μν}
ただし,μ,ν = e_x,e_y で δ_{μν} はクロネッカーのデルタ.
質問の話は連続バージョンなのでクロネッカーデルタがデルタ関数に化けています.

完全性の方は2次元平面の任意のベクトル A = (a,b)^t が e_x と e_y で表現できるということです.
実際,μ = e_x,e_y として
Σ|μ> <μ|A>
= |e_x> <e_x|A> + |e_y> <e_y|A>
= a |e_x> + b|e_y>
ですね.
質問の話は連続バージョンなので和が積分になっているのです.
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この回答へのお礼

デルタ関数の積分が窓関数のようになってe^(-ik'x)が出てくるのですね。
回答有難うございました。

お礼日時:2015/01/05 07:13

いや、私はexp(-ik'x')の項が消えてなくなるなんて事を言っている訳ではなく、一般論として積分変数が積分後に残る事はない、と言っていたのですが、補足を拝見する限り、exp(-ik'x')も(x'での積分の)被積分関数(の一部)になっているんだと言った方がいいのでしょうか。



つまり、一般には∫f(x)g(x)dx≠f(x)∫g(x)dxであって、xに依存する関数f(x)をxでの積分の外に出す事はできません。従って<x'|x>はxに依存するのでxでの積分の外には出せないし、exp(-ik'x')はx'に依存するのでx'での積分の外には出せません。


>この問題の解答はありませんが、別の本の似たような問題では普通に最後の方でx'→xやk'→kのように置いて答えへ導いています。
きちんと積分を計算すればx'にxを代入する形になるのであって、何の理由もなく「置き換えよう」などとやっている訳ではありません。

この回答への補足

>つまり、一般には∫f(x)g(x)dx≠f(x)∫g(x)dxであって、xに依存する関数f(x)をxでの積分の>外に出す事はできません
それは分かっていました。
ただ他の似た問題の解答では最後の方でうまくx'→xと置き換えていたので、∫δ(x'-x)dx'=1の部分だけでx'の積分を実行したことにして、最後にx'→xと置いてxの積分をすれば一応答えの通りにはなるので、こんな感じで良いのかどうか質問しました。
原点に戻って関数の積の積分で計算をしてみましたが、積分値が発散してしまうような気がします。具体的な途中計算式が欲しいです。

補足日時:2015/01/04 17:15
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><k'|k>=(1/2π)∫dx'・e^(-ik'x')<x'|・∫dx・e^(ikx)|x>


>となり、計算すると<k'|k>=(1/2π)∫dx・e^(ikx-ik'x') となりました。
この途中でx'についての積分を実行しているはずですから、x'が残る事はあり得ません。

>そもそもエルミート共役をとる時にダッシュ記号(')を付けて区別する理由がよく分かりません。
異なるk同士が直交しているという条件を考えたいと思っている時には、何らかの方法で区別できるように書かないと不要な混乱を招くだけです。

この回答への補足

前回に引き続き回答有難うございます。

途中計算で(1/2π)∫<x'|x>dx'・e^(-ik'x')∫e^(ikx)dx となります。<x'|x>=δ(x'-x)であり、
デルタ関数の性質より ∫δ(x'-x)dx'=1 だから (1/2π)e^(-ik'x')∫e^(ikx)dx
ここでx'→xとおくと(2)式を使って答えになるため、こういう計算で良いように思えます。なのでx'について積分はしましたが、ここでx'の部分(というかe^(-ik'x')の部分)が消えると答えに辿り着かない気がします。
この問題の解答はありませんが、別の本の似たような問題では普通に最後の方でx'→xやk'→kのように置いて答えへ導いています。特に条件や仮定もしていませんが、他の問題の解答のようにこの場合もx'→xとして良いのでしょうか。

補足日時:2015/01/04 14:57
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