
量子力学習いたてのものです
授業のまとめをしていたのですが、教授の作ったテキストに違和感を感じて投稿しました
一次元井戸型ポテンシャル(範囲が0からa)上の電子から時間に依存しないシュレティンガー方程式を導き、そのあとで、電子のド・ブロイ波の振幅に関するボルンの確率論的解釈(波動関数ψ(x)に対し、ψ(x)²dxをx~x+dxに間に電子が観測される確率とする)を導入したのちに、波動関数の定数部分を求めてみよう、という内容でした。
その時に、テキストでは波動関数ψ(x)を
ψ(x)=Asin(2πx/λ) (Aは定数)
とおいて、∫(0→a)ψ(x)²dx=1
よりAを求め、
ψ(x)=√(2/a)・sin(nπx/a)
を得ていました
しかし、講義では波動関数には複素数が定義されている、というか一般式が
ψ(x)=Acos(2πx/λ)+iB(2πx/λ) (A,Bは実数、i=√(-1))
と教わりました(この部分は板書が汚かったので私が読み間違っている可能性があります)
テキストではなぜか波動関数を勝手に実数に限定しているようです
そのため自分でこの場合も同様にして波動関数を求めてみました
すると
ψ(x)=i√(2/a)・sin(nπx/a)
と虚数単位を付けただけで、あとは同じような関数が得られました
テキストではなぜ実数を考えていたのでしょうか?
そして、この波動関数の複素数、特にこの場合での複素数の意味はあるのでしょうか?
この二つを教えていただきたいです
まだ偏微分を習っていないため、電子を一次元内に存在すると仮定しています
ただ検索しても偏微分の記号や偏微分に関するものがあったり、問題設定が決定的に違い量子力学習いたての私では理解ができないです
もし、
ψ(x)=Acos(2πx/λ)+iB(2πx/λ) (A,Bは実数、i=√(-1))
が間違っているようでしたら訂正もお願いします
本当に習いたてですので、もしかなり高等な理論が展開されるようなら、後々習いますよ、とさえ言っていただければ大丈夫です
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
例えばある棒や矢印の「向き」を表現したいとき、ベクトルを使って表現するのがわかりやすいと思いますが、
ベクトルvの指し示す向きと、正の実数αを用いてαvというベクトルが指し示す向きは同じになりますよね。当然ベクトルの大きさは異なりますが、向きだけを知りたいのであれば大きさの違いがあるかどうかは関係がないわけです。
とは言うものの、何かの向きを求めたいとき、その向きを表すベクトルが複数あるのは不便なことが多いです。(例えばある方程式から向きを求めたい場合、常に解が複数ある(=不定方程式になっている)事を意味します)
そういうことが困るときには、例えば|v|=1のように長さを特定の値に制限することで、向きとベクトルが1対1に対応するようになってくれるのですね。(例えばある計算からv=(3,4)と求まったとしたら、このベクトルの長さで割ったv=(3/5,4/5)を向きを表すベクトルだと思う事にする、という事を言っています)
量子力学の話を念頭に置いた言葉遣いをすると、|v|=1のように長さを制限することを「規格化」と言います。
これと同様な事は量子力学(波動関数)においてもおこります。
波動関数ψが表している状態と、0でない複素数αを用いてαψという波動関数が表している状態は同じものになります。
そうすると、向きとベクトルの話と同様に、必要に応じてαを適切に選ぶことにすれば、ψに関してある条件(規格化条件)を自由に課すことができる事になります。
テキストから引用されている
>ψ(x)=Asin(2πx/λ) (Aは定数)
Aは定数としか言っておらず、実数に限るとは言っていないようですがいかがでしょうか。
>テキストではなぜ実数を考えていたのでしょうか?
お示しのテキストでもそうだと思いますが、多くの場合、|ψ|=1という規格化条件を選びます。
この条件から|A|の値が決まる事になりますがAの位相因子についてはこの条件からは決まりません。
しかし、α倍しても同じ状態を表す事を踏まえると、αの位相を適切に選ぶという事を前提にすれば「Aが正の実数」であるという条件を課すこともできるのですね。
>そして、この波動関数の複素数、特にこの場合での複素数の意味はあるのでしょうか?
>ψ(x)=i√(2/a)・sin(nπx/a)
の事を言っているのであれば、この波動関数に-iをかけてやれば、テキストにある解と一致し、同じ状態を表していることが確認できます。

No.5
- 回答日時:
テキストでは
「Aは実数」
としていますか?
A^2=1(正確には|A|^2=1)の解って、複素数まで含めると、
A=1だけではないですよね(無数にある)。
ですが、量子力学的には、それらは同じ状態です。
なので、(最も簡単な)Aが実数に限って求めているのだと思います。
φ=Aexp(ikx)+Bexp(-ikx)
とおいて、解を求めるのが王道だと思いますよ。
ただ、あなたも、慣れれば、
φ=Asin(kx)
としたくなりますよ。
ただ、φ^2は極めてミスリードですね。
とてもよくない書き方だと思います。
|φ|^2とすべきです。
No.4
- 回答日時:
複素数zをz=rexp(iθ)と書いた時のexp(iθ)が位相因子です。
>教授は波動関数を複素数まで見ていて、テキストでは波動関数を実数に限定して話をしていた、ということでよろしいでしょうか
文脈がわからない部分はありますが、
どちらもシュレーディンガー方程式の解として実関数であるものを求めている点は変わらないはずです。
違うのは波動関数を実関数に制限して考え始めるタイミングでしょう。
>規格化された波動関数の一般式は複素数まで広げると
>ψ(x)=√±(2/a) sin(nπx/a)
>となるのでしょうか
Aが正の実数という条件を課さないのなら、θを任意の実数として
ψ(x)=√(2/a) exp(iθ) sin(nπx/a)
となります。
ただ、規格化というのは#2に書いたように波動関数が一つに決まらないのが不便だからやることなので、
こうやって任意定数θを残したままの中途半端な規格化は普通はしません。

No.3
- 回答日時:
こんにちは。
☆ボルンの確率論的解釈(波動関数ψ(x)に対し、ψ(x)²dxをx~x+dxに間に電子が観測される確率とする)
◇ここで既に「波動関数ψ(x)が実数(関数)である」ことを仮定している。
波動関数が複素関数である場合、x〜x+dxの間に電子が観測される確率は
(ψ*(x))ψ(x)
に比例する
となる。
ここで、ψ*(x)は、ψ(x)の共役複素数。
そして、ψ(x)が実数の場合、ψ*(x)=ψ(x)となるので、
「ボルンの確率論的解釈(波動関数ψ(x)に対し、ψ(x)²dxをx~x+dxに間に電子が観測される確率とする)」
となるわけ。
☆そのため自分でこの場合も同様にして波動関数を求めてみました
すると
ψ(x)=i√(2/a)・sin(nπx/a)
と虚数単位を付けただけで、あとは同じような関数が得られました
◇この解は、
∫_(−∞)^∞(ψ(x)^2)dx=1 (1)
という波動関数の規格化条件を満たさないんじゃないですか。
ψ(x)=i√(2/a)・sin(nπx/a)
だと、i²=−1だから(1)の左辺の積分の値は−1になってしまう。
規格化条件を
∫_(−∞)^∞(ψ*(x)ψ(x))dx=1 (2)
とすると、
ψ*(x)=−i√(2/a)・sin(nπx/a)
となり、(2)を満たすので、これも解になる。
参考までに、以下のサイトを紹介します。
http://hooktail.sub.jp/quantum/normalize/
No.1
- 回答日時:
いろいろ分からない点があります(^^;)
∫(0→a)ψ(x)²dx=1 とあるので、ポテンシャルは、x≦0 , x≧a で V=∞ 、0<x<a でV=0 なのだと思いますが、正しいでしょうか?(・・?)
また、ψ(x)=Acos(2πx/λ)+iB(2πx/λ) は、「一般式」とありますが、どんな状況での「一般式」と教わったのでしょうか?
それから、ψ(x)=i√(2/a)・sin(nπx/a) はどんな式を解いて出てきた解でしょうか?
この手の問題では、解がψ(x)=√(2/a)・sin(nπx/a) のような式になるのですが・・・(・・;)
よかったら、もう少し詳しい情報を下さい(^^)
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ああ、なるほど
私の勘違いが少しずつわかってきました
教授は規格化条件を∣ψ(x)∣²としていたのですが、テキストではψ(x)²としていました
また、教授は∣ψ(x)∣²=ψ(x)*ψ(x)と説明していました。
ということは、教授は波動関数を複素数まで見ていて、テキストでは波動関数を実数に限定して話をしていた、ということでよろしいでしょうか
とてもわかりやすくイメージがわきやすい回答ありがとうございます
規格化条件まで教えていただき、わかりやすかったです
ひとつだけ、聞きなれない「位相因子」という言葉が出てきましたので、そのことについて教えていただければ幸いです
もうひとつ
規格化された波動関数の一般式は複素数まで広げると
ψ(x)=√±(2/a) sin(nπx/a)
となるのでしょうか
皆さんをベストアンサーに選びたいのですが…
一番イメージがしやすかった人を選ばさせてもらいました
皆さん本当にありがとうございます