非線形系でも線形化せずにラプラス変換で解ける系が在るか、
疑問を抱き、タイトルに示した問題にぶつかりました。
X(s) := L[x(t)] = ∫(0->Inf) x(t) exp(-st) dt
Y(s) := L[y(t)] = ∫(0->Inf) y(t) exp(-st) dt
と書ける時、
1)L[ x y ] や L[ dx/dt y ]、L[ x dy/dt ]、L[ x^n y ]、L[ x y^n ]などを、
X(s)とY(s)を用いて書き下せるのでしょうか。
(畳み込みのことではないです)
「合成関数 ラプラス変換」でググってみましたが、
回路理論で使う、t^n sint、t^n costなどの変換方法は見つかりました。
2)もっと一般的な非線形項の変換に拡張する方法を知りたいです。
3)一般則がない場合、上記の三角関数以外でも限定的に変換可能な関数があれば、
それら関数または情報源も教えていただけますと幸いです。
よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ANo.1へのコメント
> なお「L[f(t)g(t)] = (F*G)(s)」は違うと思います。
について。
Cを何か旨い積分範囲だとして
H(s) = (F*G(s)) =∫{u∈C} F(u)G(s-u) du
を定義したとします。で、その逆変換をやってみればどうか。
まずは(面倒なので定数倍を無視して)
k(t,u) = ∫{c-i∞-u, c+i∞-u} G(v) exp((v+u)t) dv
= exp(ut) ∫{c-i∞-u, c+i∞-u} G(v) exp(vt) dv
= g(t) exp(ut)
というものを作っておく。ここで、積分の順番を入れ替えられると仮定すれば、
s = u+v
として、
h(t) = ∫{c-i∞, c+i∞} H(s) exp(st) ds
= ∫{u∈C} F(u) k(t,u)du
なので
h(t) = ∫{u∈C} F(u) k(t,u)du
= g(t) ∫{u∈C} F(u) exp(ut) du
= g(t) ∫{u∈C} F(u) exp(ut) du
でいかがでしょ。
なお、積分変換の対象を広げたいのであれば、超関数論を勉強なさると良いんではないか。「超関数の定義・構成をどうやるか」という基礎論はすっとばして、いきなり応用をやれば良いんですから、そんなに大変ではないと思う。
続けてご回答ありがとうございます。
あえて逆変換から変換元を探るアプローチもある、
ということでしょうか。
その発想は持ち合わせておりませんでした。
サポートいただき、感謝いたします。
複素関数論と超関数論の2つについて、
勉強してみようと思います。
No.1
- 回答日時:
「合成関数」ってのは、関数 f(x)とg(x)を f(g(x))のように組み合わせることを言うので、ご質問のやつとは違う。
ご質問の対象は「関数の積」と呼ばれるべきでありましょう。ラプラス変換ではコンボリューション定理が成り立つわけで、畳み込み(f*g)(t)のラプラス変換が積F(s)G(s)になる。そして同様に、積f(t)g(t)のラプラス変換は畳み込み(F*G)(s)になる。この畳み込み積分に際して積分範囲を逆ラプラス変換におけるBromwich積分と同じと考えれば、証明は易しいんでは?
たとえば t^n f(t) を変換すれば F(s)のn階導関数になるというのも、t^nを変換すれば「δ関数のn階導関数」という超関数になって、これをF(s)に畳み込むことはすなわちF(s)をn階微分するのと同義だからです。
ご回答ありがとうございます。
「合成関数」と記したのは、確かに私の思慮不足でした。
ご指摘に感謝しますと同時に、閲覧者へ謝罪いたします。。
ただ、関数の積に絞った関心ではなく、
関数の商や指数関数、対数関数の変換にも関心があります。
非線形関数を一絡げに合成関数と呼んでしまいました。
単に「非線形関数のラプラス変換」とすればよかったです。
また、ご回答いただきましたBromwich積分ですが、
私の複素関数論の勉強が滞っており、ご説明をまだ理解できない状態です。
複素関数論の教科書を通読すれば全ての非線形関数を変換できずとも、
L[x(t)*y(t)]くらいはできるようになるでしょうか。
(証明が優しいのであれば、誰かしらの貢献が
ウェブ検索に引っかかるかと思いましたが、見つけられませんでした)
なお「L[f(t)g(t)] = (F*G)(s)」は違うと思います。
(f*g)(t)=∫(0->t)f(t-τ)g(τ)dτなので、∫記号が計2個あり、
積分の範囲や順序を置換をして変換後も∫記号が2個残るので、
「L[(f*g)(t)] = F(s)G(s)」と書けると思います(他の説明は存じません)。
一方で、L[f(t)g(t)] = ∫(0->Inf) f(t) g(t) exp(-st) dt
と書かれる通りf(t)g(t)の変換は、∫記号が1個しか無いため、
素直な定義通りの計算ではラプラス変換の積どころか、
畳み込みも出てこないと思います。
わたしの勘違いなら恐縮ですが、
複素関数論や逆変換の仕組みを理解すればもっと進めるのでしょうか。
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