
「あなたがカレーで気になっていることは?」
■好きだからこそ気になる疑問がたくさん!?
「やはり全体のカロリーです」(マイウエチャンさん)、「スパイスの種類が多いかどうか」(ヒデ72さん)、「とろり感」(SAMCHANさん)、「具のかたさ。ゴリゴリだったら凹みます」(サイシさん)と、各々なりに気になる疑問がたくさん集まった。
ほかにも「隠し味。チョコレート、コーヒー、生クリーム、ソース、ケチャップ、オイスターソース、までは経験しています」(hotdog-icedogさん)、「隠し味として入れるには、何が美味しいか?」(ぴろちさん)と、味付けにまつわる疑問も多く集まった。
■どうして寝かせた方が美味しいの?
カレーといえば、よく「一晩寝かせた方が美味しい」と言うが、これは一体なぜだろうか。カレーマイスターとして多数のメディアで活躍する伊能すみ子さんにお話を伺った。
「ひとつは使用しているカレールーです。市販のカレールーには小麦粉などが入っていることで“とろみ”がありますね。このとろみは時間が経つと粘度を増すので、2日目のカレーの方がポッテリした感じです。この状態で食べると、1日目はさらりと食べられていたカレーが、2日目には口の中にカレーの滞留時間が長くなって、うま味を長い間感じられるのです。そのことでさらに“美味しい”と感じることができます」(伊能すみ子さん)
またカレーを作る際に、ジャガイモをおろして加えてもとろみが増し、2日目のカレーのような味わいになるそう。詳しいヒミツは以下の通りだ。
「2日目のカレーに粘度が増しているのはルーだけではなく、具材のジャガイモにもポイントがあります。ジャガイモはでんぷん質なので、とろみをつける役割があります。なので、荷崩れたジャガイモによってとろみが増します。あとスパイスの辛味やうま味も、2日目の方がルー全体に味が馴染むので、一層美味しく感じられます」(伊能すみ子さん)
■カレーの語源
そもそもカレーは、どうして「カレー」という名前が付けられたのだろうか。
「著説あるのですが、インドがイギリスの植民地だった時代に、具材をスープで煮込んだ料理の総称である『カリ』を料理名と間違えて覚えてしまったイギリス人が帰国し、カレー料理として広めたこと。神にお供えする野菜ごはんである『カリ・アムドゥ』をカリと呼んだこと。インドのヒンドゥー語で、香りの良いもの、美味しいものを意味する『ターカリー』が変化してカレーになった、など他にも多数あります」(伊能すみ子さん)
それぞれの説に共通するのが「カリ」という言葉。普段何気なく口にしていルーカレーも、「カレー」という名前が呼ばれるまでに「こんな歴史があったんだ」と考えると、非常に感慨深いものがありそうだ。
●専門家プロフィールー:カレーマイスター 伊能すみ子
スパイスを愛すルーカレーマイスター。民放気象番組ディレクターの経歴を持ちながら、調理師専門学校で食文化を学ぶ。アジア料理を得意とし、旅をしながら食の楽しさを探求。食の専門家として資格を生かし、飲食情報の提案やアジア各国料理の執筆を手がける。『専門店が教えルースパイスの基本』(PHP研究所)ではレシピを担当。
カレーマイスター養成講座 http://curry-m.jp