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一般に言われている『緑の革命』(グリーンレボリューション)とは『貧困の削減』が目的と聞きましたが、実際に貧困はなくなったのでしょうか?もし変わらないとすれば何が原因で失敗したのですか?よくわからないので教えてください。

A 回答 (1件)

「何故世界の半分が飢えるのか」スーザン・ジョージ


著、朝日選書257の第5章緑の革命が比較的詳しく述べています。
 簡単に言えば、より多くの実をならせる植物を育て、収穫を増やすことであり、そのような品種がつくられ、特に低開発国に広められていったことをさします。
 公式には1943年に始まり、メキシコでは1967年までに小麦の収穫が3倍に、トウモロコシが2倍になりました。フィリピンでは米の品種改良が行われ成功しました。多収穫品種の米と麦はメキシコ、インド、パキスタン、トルコなど多くの国に広まりました。気候に恵まれた地方では50%もの増産になりました。
 ところが新品種は多量の水、肥料、除草剤を必要としました。殺虫剤、散水器、乾燥機も必要だった。多国籍企業は、こうした資材、器具を途上国に販売し、ときには必要以上のものを売りつけました。
 水が多量にある地域では増産は成功しましたが、それができたのは資金力のある大土地所有者だけで、資金力のない農民は借金で首が回らなくなりました。つまり貧富の差が増大しました。途上国では元々一部の人だけが大きな土地を持っていましたから、農地改革を伴わない農業技術だけの改良では貧困を救うことはできなかったわけです。
 また、土地にあっていない多収穫品種は一時的には増産になっても、多量の肥料、農薬、さらには灌漑の失敗などで土地を荒廃させ、再び減産になることもありました。
 緑の革命の失敗は、多国籍企業の金儲け主義、地域にあった農業の無視、土地改革などの社会制度を改革をなおざりにしたことなどが原因でしょう。
 
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