企業の給与担当をしております。2つの質問について悩んでいます。お教えいただけるでしょうか。
(1)業務委託契約で給与所得扱いは法的に問題ないでしょうか?
(2)同一の従業員に対して雇用契約と業務委託契約を結ぶことは可能でしょうか?
(1)ですがハローワークに契約書の雛形を見せて相談したところ雇用契約ではないと回答されました。
契約の概要は以下の通りです。
・当社の顧客を訪問する
・月に100件訪問してもらう(時間・日数の条件はありません)
・名簿は当社の名簿をもとに訪問する
・活動費用は当社が負担する
・報酬は固定
ハローワークの指示を受けて業務委託契約で運用していたところ税務署の監査で給与所得である指摘を受けました。理由は活動に必要な費用を会社が負担していることや活動に必要な名簿も会社が提供している点でした。
自分自身の理解では雇用契約ならば給与所得、業務委託契約ならば事業所得であるとの認識があったため少し頭が混乱しています。
この場合、契約上は業務委託契約であるけれども税務上は給与所得として扱っても問題はないのでしょうか?
またこのような取扱いをされているところはありますでしょうか?
個人的には上記の扱いでは管理面で複雑だとの思いがあります。契約は業務委託であるため従業員登録は出来ませんし、でも給与なので給与計算しなければなりません。労働保険は加入しませんが給与支払報告書は作成する必要がある等です。
(2)については、同一の従業員に対して給与所得と事業所得(完全歩合的な報奨金のイメージ)を支給したい場合に一方は雇用契約でもう一方は業務委託契約(もしくは委任契約でしょうか)として双方の契約書を取交すことは問題ないでしょうか?
既出の質問も探してみましたがピッタリくるものがありませんでしたので質問させていただきました。
よろしくお願いいたします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
再びNo1です。
1.対象が一般主婦の方とは想定していませんでした。私はSOHOみたいなことをしている方の場合を前提にしていましたから、予想外の事態です。契約の問題と税法の問題もごっちゃにしていたようです。私もこれをきちんと整理していないでアドバイスした点、反省しています。契約の視点ではすでに述べましたので、今回は税の視点で私の考えを書きます。
2.まず、「普通に考えたらこうなるでしょうという私の考えを述べます。
給与であろうと何であろうと個人の収入に課税するというのは税法の大原則で、受託者が事前に開業届けを出して事業所得の申告をするという事前の届けを出して、税務署の事前チェックを受けていれば事業所得とできるでしょうが、この届けの無い個人の業務委託契約の収入は、税法上は「報酬、料金、契約金及び賞金」とみなされるでしょうというのが私の意見です。受託者から見ると「雑所得」の扱いで、年間20万円以上になれば、申告し納税義務を負います。質問者の会社は、納税者に確実にこの義務を果たさせるため支払い金額の10%の源泉徴収義務を負います。(1回の支払額が100万円以下の場合)
3.質問者の方の言うとおりに「税法上は給与所得とする。」なら、源泉徴収義務はやはり生じ、源泉徴収する税額は給与所得の源泉徴収税額表で計算することになりますが、これによれば確かに質問者の書かれているように税額ゼロとなるかもしれません。(最新の税額表を見てないので、あいまいな表現お許し下さい。)もしそうなら、「質問者の主張は、やはり源泉徴収義務違反!受託者と結託した税金逃れ」のように私には見えます。計算上、税額に大差なければ、税法上は所得税とすると主張しても税務署はめくじらたてないでしょう。
4.給与所得としたときの税額がゼロまたは10%以下になって、このような批判(場合によっては税務署の脱税容疑?)を避けるなら、形式上も実体上も雇用契約としてしまえばよいでしょう。税務署の方は「給与所得にすれば、主婦の方は納税義務がなくなりますよ。どうせ確定申告しないでしょうから、1割の源泉徴収分お得ですよ」という節税のアドバイスとも思えます。
5.上のように雑所得の扱いで長期間業務に従事することは税法上の負担が大きいですから、形式上も実質上も雇用契約が成立するような状況が困難なく作れるのでしたら、雇用契約に変えたほうが税金支払い面で主婦の方は大変有利になり感謝されるでしょう。(SOHO対象でないので前回と結論は異なってしまいますが。)雇用契約を作って結び、毎月給与明細書を発行し、別の就業規則を定めるなど総務部・経理部としての対応ができるなら(よくいわれる「契約社員」制度を作ってしまえば万全でしょう。)雇用契約の方が委託契約より利便性も高いでしょう。(ただ、私の子供がやっているアルバイトの支払い調書を見ると殆どの場合、10%の源泉徴収ですませており、給与明細票などみたことがありません。税務署は大得ですね。)
6.契約社員規則には「週○回はどこどこに出社すること。」とか「本人の申請があれば、契約期間中、全日の直行直帰の短距離出張扱いを承認する。」・・・・などの文言を入れれば、雇用契約化は可能かもしれません。すでに契約社員制度があれば契約社員3級とかクラス別けしてしまえばよいでしょう。(私は「契約社員」の分野では法的知識はありませんから、良く知ってそうな人に再質問して見てください。)
moonliver_2005様
再度のご回答ありがとうございます。こういった質問は出来るだけ前提となる情報をお伝えした上で相談するべきですが中途半端な情報提供となったことお詫び致します。
さて今回アドバイス頂いた税法の視点での話ですが、ご指摘頂きました受託者の所得が「雑所得」に該当することは知りませんでした。事業の届出がされていない業務委託契約の収入は「雑所得」扱いなんですね。
ただ私も少し調べてみましたところ「雑所得」であっても「特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする者」の雑所得については必要経費として65万の所得控除が認められており、これに当社の受託者は該当するのではないかと考えております。
そうであれば一時的に10%の源泉徴収はされますが、結果的には還付申告により税額ゼロとなります。
この点で税務署サイドから見た場合、一時的なキャッシュは納付されますが税収面ではゼロとなるためどちらの所得になろうが大差なしと思われます。
結局のところ、moonliver_2005さんがアドバイスしていただいている雇用契約の方向でハローワークに認めてもらえるような契約内容を作成できれば素直に給与所得として扱えるのではないかと考えます。
弊社にも契約社員制度はありますが、本件のような形態とは少し異なります。ただアドバイス頂いた表現の工夫やクラス分けの発想は非常に参考となりますので今後検討を進めてみたいと思います。
ちなみにmoonliver_2005さんの子供さんは詳細が分かりませんが源泉徴収された税額の還付申告はされていないのでしょうか?税務署が大得と言われているので少し気になりました。
色々と丁寧なアドバイスをいただき本当にありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
給与契約でもあり委託契約でもあるような対応は総務や経理現場で混乱を招くでしょうし、税務署も「どちらかはっきりさせよ」と迫ってくるでしょう。
「今はおとなしく注意ですませるが、そのうち税法違反で処罰するぞ」とも言われる可能性なきにしもあらずですハローワークの立場では、募集条件で「勤務時間○時から○時、休日は・・・勤務場所は・・・交通費は・・・」などと書けなければ、本件は雇用契約ではありえないでしょうね。
一方、税務署の立場では「委託した結果会社が受領する成果物、または受任者の権利義務・受任している具体的事務行為が定義されていない。」「成果物の受領日または具体的受任事務業務内容、それに対する支払い条件が明示されていない」などの委託契約の基本的要件が満たされていないので本件業務委託契約ではないと考えるのでしょう。(単なる所得税の源泉徴収義務違反!被雇用者と会社が結託した所得税逃れ?)
会社経営の立場では雇用契約より業務委託契約の方が何かと有利でしょうし、勤務実態も業務委託契約に近いものですから、業務委託契約の文面を見直すのがよいと私は思います。
民法上の契約の性格として「請負契約」寄りとするか「委任契約」(厳密には民法第656条の「準委任」)寄りにするかがありますが、本件は私には請負契約に近いように見えます。
顧客訪問は手段であって目的ではないはずです。顧客訪問と書けば誰でも労務提供と誤認し雇用契約との相違点が税務署でなくても気になります。目的は、管理者・経営者が決めることですが、成果物が書面で提供されることが主なら「市場開発業務」「市場調査業務」、会議とか打ち合わせ、顧客との面談など非文書系であれば「市場調査コンサルティング業務」「市場開発コンサルティング」などのようにすれば良いでしょう。
成果物は、たとえば「当社が提供する名簿に記載の顧客と100件面談しその内容と結果を記した報告書とする」のようにすればよいでしょう。報告書は、実際は業務日誌、訪問記録であってよいでしょう。報酬は「上記報告書を毎月月末or○日に提出する。提出後翌月○日以内に会議、面談にて報告書内容を説明報告しこれをもって成果物の検収とする。検収完了月の同月25日に報酬を支払う。」などのように決め、成果物受領後の支払いであることをはっきりさせると良いでしょう。実費支払い費用については、負担する具体的費目内容、条件(領収書提出日、交通費などの本人作成記録提出日?交際費は幾らまで相手先明示要、本人食費は認めないとか、現在の条件)をはっきりさせるとよいでしょう。
契約名義は、委託者に任意の個人企業名「XXX」を決めてもらい「XXXX 代表 何の誰男」としておくことも重要で、単に「何の誰男」とすると税務署の追及は終わらないかもしれません。何せ、給与に対する所得税課税業務は税務署の生命線でしょうから、厳しい対応されて、たとえけんかになっても負けるでしょう。
「現在の契約は打ち切る、今後の契約はこうする」と文書で宣言して、ズルズル契約を引きずっている印象を与えないようにしないと、偽装契約とのいちゃもんを税務署につけられるかもしれません。
このように手順を踏んで、変えた契約書を税務署に見せれば雇用契約であるとは、言わなくなると思います。詳しくは税理士さんに相談すると良いと思います。
moonliver_2005様
ご丁寧な回答誠にありがとうございます。契約内容の方向性も具体的かつ的確にアドバイスいただき感謝しております。
会社が意図的に雇用契約逃れをするつもりは無いので担当としては正しい姿(契約)で運用したいというのが本音です。
今回の事例での契約対象者は圧倒的に主婦層が多いのですが、彼女達にしてみればノルマの顧客訪問を1ケ月の中で自由時間を使って仕事が出来る点で魅力があるようで、以前に雇用契約の方向性で検討した時に出勤日や勤務時間を指定すると人が集まらないと現場からクレームがありました。
そういった経緯から現在の契約内容になっているのです。支払金額についても主婦層が配偶者の扶養に入れるように年間100万未満の水準にもしています。これは事業所得であっても特定の事業主に従事するため給与所得と同様の所得控除(65万)が受けれるようにしたものです。ですから給与所得と認定されたとしても実質的には非課税になるかと思います。
個人的には雇用契約+給与所得か業務委託+事業所得のセットにしたいと考えますが、業務委託契約で労災や雇用保険は加入せず、税務上は給与所得として源泉を行なった場合に税務署やハローワークは本件の取扱いに対して何か言ってくるでしょうか?向学のためにmoonliver_2005さんの意見をお伺いできれば幸いです。
またお時間ある時で結構ですのでよろしくお願いいたします。
頂いたアドバイスを参考に社内で検討したいと思います。
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