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 どちらかというとミニタリー系統の質問ですが、よろしくお願いします。
 松本清張の「昭和史発掘」あたりを読んでいると、昭和初期くらいの事件でやたらと簡単に日本人がピストルを手に入れて使用しているんですが…。
 ただ単に「ピストル」としか書かれてないんですが、これって具体的にどこの会社が生産したなんていう名前の拳銃なんでしょうか。(まさか昨今流行のトカレフではないでしょうし)
 この時代を舞台にしたドラマとか見ているとワルサーっぽいシルエット(あの先っぽに何か付いている全体的に細いやつです)のものを大陸なんかでは使っていますが、あれは陸軍の制式銃って設定でああなってるんでしょうか。
 素朴な疑問で、あの時代ってたとえ地下活動家とかでも、一般に生活している日本人が、そんな簡単に銃が入手できたんでしょうか。

 「銃火器のことを語らせたらちょっとうるさいぜ」という方、お待ちしております。

A 回答 (5件)

まず、当時の士官が持っている拳銃は概ね「私物」です(下士官などに対しては貸与もあった。

ちなみに制服やらクツやらすべてにおいて官給品はない。ので下級の士官は結構貧乏だったりします)。つまり銃砲店で個人の趣味にあったモノを買えば良かったし、別段買わなくてもよかったわけです。

購入は法令が直接出て来ないので分かりませんが、
1)民間人には持たせない
2)所持、運搬は許可制
だったようです。ただ、今よりもはるかに銃をあつかう軍人が身近な存在だったことも事実です。

じゃ、どの位市中に出まわっていたのかというと、
参議院の議事録(参考)に

拳銃の所持許可数につきましては(中略)昭和十二年に戦争が始まったその当時、警視庁管下の所持許可をしておりました拳銃を、戦争が始まると同時に、一括警視庁で保管するために警視庁に集めました。そのときの数が約二千丁でございます。この警視庁の二千丁から推定いたしまして、全国で約二万丁くらい所持許可数があったと推定されます。
とあります。

 この年の男の人口がおよそ3500万人。分かりやすく子どもなど拳銃を持たない人が1500万として、およそ1000人に1丁の割合で拳銃が存在していたわけです。
 さらに、この数字、戦場に出掛けていった人が持って行った数は含まれていませんので、実数はさらに大きくなったモノと考えられます。それでもこの10倍=20万丁あったとしても100人に一丁。

 ちなみにドコモの「PHS」の契約数が17年2月現在で130万件ほど。ポケベルが65万件ですから、極端に推定値の10倍が流通していたとして、この程度の普及率だったわけです(実際にはもっと低いでしょう)。

参考URL:http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/040/0320 …

この回答への補足

>当時の士官が持っている拳銃は概ね「私物」

 現代人の感覚からすると武装や制服に関して官給がないのはケチくさいですが、これは昔の武士の感覚で、「俸給の中に含まれているから各人で責任持ちなさい」ということだったんでしょうか。
 しかしこれだと給料をほとんど拳銃コレクションに注ぎ込んでしまうアブナイ輩もいたんじゃないかって気がします(^^;)

>どの位市中に出まわっていたのかというと

 具体的な数字をありがとうございます。
 うーん、今みたいに生活水準が地方と大都市圏で差がないって時代じゃないですから、実際には「一極集中」してたかもしれないんで、東京とかでは割合が高いってこともありえますが、ひとつの基準にはなりますね。
 でも乱歩とか横溝とかの妖しい世界の背景が見えました。

 ありがとうございました。

補足日時:2005/04/05 10:51
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この時代に日本人が一番手に入れ易かったのは恐らくベルギーのFN社の「ブローニング1910」だったと思います。


南部自動式や九四式が登場するまでは、陸軍の正式拳銃はアメリカのS&W社、次いで国産初の拳銃の二六式でしたが、命中精度等の問題から相当数のブローニング1910が陸軍の正式軍装用に輸入されていたようです。
で、恐らくドラマで使われていたのはルガーでしょうね。
よほど大映しにならなければルガーも南部式も見分けはつきにくいと思います。小型のブローニングでは見栄えが悪いですしね。かといって大型のモーゼルM1896じゃバランスが悪い。
軍人くずれが大陸あたりで南部式(実はルガー)をドンパチって良くありそうな設定ですけどね。
一般人が持ってる可能性としては恐らくブローニング1910が妥当じゃないかと思います。
最後に、
ブローニング1910は峰不二子の「フトモモ銃」でしたし、モーゼルミリタリーはグリップの形状が特徴的だった事から「ブルームハンドル:ホウキの柄」というあだ名がついていました。

この回答への補足

>峰不二子の「フトモモ銃」

 わかりやすい説明をありがとうございます(笑)
 今でもブローニングは「女性の護身用」って解説がついてたりしますよね。察するに「軽い・安全・命中させやすい・安い」ってとこなんでしょうか。

 それにしても面白いのは、ピストルに関しては20世紀の初めくらいに開発されたモデルが、改良を重ねて今も使われている例が多いってことですね。なんかサメが恐竜時代以降あんまり進化してないみたいな…。

補足日時:2005/04/05 11:11
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>お、おじいちゃんは何をする気だったんでしょう(^ ^;)



現在ピストルを所持出来るのは警察官や自衛隊員など一部に限られますが、1945年以前一般には許可制でしたから、自衛のためとか、コレクションとか軍経験者が気に入ったからと購入しても不思議はありません。

なお、ニューナンブ(警官が使っているのはM60)の名前は生産会社である中央工業(現在はミネベア工業に名称変更)の創設者『南部麒次郎』からとられている。

この回答への補足

>1945年以前一般には許可制でしたから

 あー、やっぱりそうなんだ。
 どこが許可出してたんでしょう。内務省?

>南部麒次郎

 今となってはある意味一番名が知られている軍人かもしれませんね。ありがとうございました。

補足日時:2005/04/05 09:58
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>ワルサーっぽいシルエット・・・・



マズル(銃口)がワルサーににているものとして、「Luger P08とMauser 1896」が有名です。
また、日本製だと「南部14年式」
これは旧日本軍の正式採用の銃です。
大陸と云うキーワードで考えると、モーゼルと南部。
通称「モーゼルミリタリー」と呼ばれるそれは市販(量産)セミオートマティックピストルの元祖です。
名前にミリタリーがついていますが、ドイツでの正式採用はありません。
特徴は、現在のピストル(慣例上ピストルと言えばセミオートマティックを指します。)の様にマガジンをグリップに収めるのではなく、トリガーの前の部分にある弾倉にクリップで10発を一セットにしたものをエジェクションポート上部から押し込みます。
(改良が重ねられて後にマガジン式も生産された。)
また、グリップ後部に溝が有り、そこに専用のストックをつける事で「カービン銃(ライフルとピストルの中間的なもの」のようにつかえました。)
中国ではこの銃が好んで使われました。
因にトカレフもこの時代には既に生産されていたので、あっても不思議はありません。(昨今流行のものはロシア製ではなく、北朝鮮とかのライセンス生産品が多い。)
モーゼルの使用弾薬は「7.63モーゼル」トカレフのそれは「7.62トカレフ」なのですが、実は殆ど(全く)同じで互換性があります。

南部14式は8ミリナンブと云う弾を使用します。
見た目はごついのですが、威力はさほどではないそうです。
(占領地だった日本から大量のこの銃がアメリカに持ち帰られて、現在でもこの銃の弾薬は市販されています。)

ニューナンブはリボルバーなので14年式とは殆どその共通点を見いだせないでしょう。
強いて云えば、S&WのM36チーフススペシャルの方がシルエットも機構も近いです。

あの頃は銃はお金さえあれば結構簡単に手に入ったのでは?
よく「おじいちゃんが持ってた」なんて話を聞きますから。

この回答への補足

 ありがとうございます。たいへん参考になりました。
 じゃあたとえば江戸川乱歩の小説とかで探偵がトカレフを使ってても年代的には変ではないわけですね(あの握り難そうなゴツいシルエットが好きなので…)

>占領地だった日本から大量のこの銃がアメリカに持ち帰られて…

 メイドイン・オキュパイド・ジャパンですね(笑)

>「おじいちゃんが持ってた」

 お、おじいちゃんは何をする気だったんでしょう(^ ^;)

補足日時:2005/04/04 23:03
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"ワルサーっぽいシルエット"


南部14年式拳銃だと思います。
排莢不良でいざという時困ったそうです。
基本的に、士官が持っていた銃です。

警察が現在使っている、ニューナンブのご先祖様です。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。南部14年式拳銃で検索してみたら写真も出てきました。

お礼日時:2005/04/04 23:02

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