A 回答 (7件)
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No.7
- 回答日時:
#5です。
お礼ありがとうございます。>ところで、太陽信仰では、天(お天道様)が回るだろうか。天(お天道様)は不動であり、我われの大地の方が回っているのだ、となぜ思わなかったのでしょうか。
そもそも「回っている」と思わない、です。古代の人が考えていたのはたとえば「地面の下にはカメがいて地面を支えていて、その亀を象が支えている」というような世界です。わかりやすく言えば「地面は地面であって、それ以上でもそれ以下でもない」わけですし、そもそも「それ以外の可能性」を考えるにはほかの要素が必要です。
で、他の要素とは「地面って実は球体じゃね?」という疑問で、ギリシャでは紀元前4世紀ぐらいにこの疑問を持ち始め、アンティキラ島の機械からみて紀元前3世紀ごろには「地球も天体であり、太陽や星や回っている」と知られていたし、地動説にも気が付いていた形跡があります。
しかし、それは「場所によって同じ時間の太陽の角度が違う」などの天体観測の知識が蓄積された後の話で《地球が丸くなければ説明できない観測データ》を合理的に説明するために「地球は丸い、太陽などの天体は回っている」となったわけです。
それ以前の古代人は、自分達が住んでいる土地で《夏至の正午には太陽はこの山の上に出る、冬至の正午は完全に隠れる》というような知識は持っていても「回っている」という疑問を持つにいたる知識は蓄積できなかった、のです。
だからギリシャなら紀元前10世紀ごろの太陽信仰では「回っているかも」と疑問に思う要素はなく、日本の紀元前後あたりもそのような天文学知識がないので「回っている」という考え方自体が生まれませんでした。
No.5
- 回答日時:
まず「太陽信仰が天動説」というのは誤りです。
太陽信仰と天動説を結びつけるものはなにもありません。太陽信仰はユダヤ教に始まる「唯一神信仰」が始まる前には、世界各地で見られたもので、ギリシャではヘリオスやアポロ、エジプトではラー(またはアテンなど)と呼ばれていました。
これらの信仰においては、そもそも「太陽または地球が周回している」という考え方すらなかったのです。
もちろん日本においても同じです。
日本において、太陽は「天照大神」とされ《世界を広く照らす神》でしたが、日本の創造神はイザナミ・イザナギであり、世界は天と地上そして冥界以外の区分はなく、地上から見て天は上、冥界は下でしかありませんでした。
そして、アマテラス=太陽は、毎日お隠れになって翌日またお目見えになる、という繰り返しを行い、時々気が滅入ると日中でもお隠れになる(日食)だとされていました。
なので、地上に住む古代の日本人は「天が回っているのか、地上が回っているのか?」という事は考えていなかったのです。
天動説(または地動説)につながる言説は、紀元前4世紀ごろのアリストテレスに始まり、1世紀のギリシャの天文学者プトレマイオスで学説として完成されるとしています。
それに対してギリシャの太陽信仰はさらにさかのぼり、紀元前15世紀ごろには口伝で伝えられ、紀元前9世紀ごろにはホメロスの著書に記録が残っています。
ギリシャ人は地中海全体を移動する海洋民族でしたので、位置情報を知るために1000年間ずっと天文学を発展させてきました。その結果、「どうやら地球は球体で、太陽は地球の周りをまわっているようだ」としたのが天文学者プトレマイオスです。
これが当時のキリスト教のイデオロギーに非常に都合がよかったので、キリスト教は「神はこの世を人間のために創造なされた、だから地上が唯一無二の神が与えた土地であり、太陽は地上(地球)の周りをまわるように作ったのだ」という天動説を支持したわけです。
>質問は、宇宙の中心に「不動の神」が存在し、大地がその周りを回転している、という地動説が、なぜ、唱えられなかったのでしょうか?
人間というのは、そもそも「自分が見たものだけを解釈する生き物」です。だから推理小説などでも「ミスリードするトリック」があります。ようするに「見ているものが真実とは限らない」ということです。
古代の技術ではそう簡単に「この大地が動いているのだ」と見破ることはできません。そもそも、人間や哺乳類が母親のおなかの中から生まれ、魚や鳥は卵から孵り、同じように種から発芽する植物は動くことがない、というのを「観察」することはできても「それはなぜなのか?」を追求する科学はなかなか発達しなかったわけです。
したがって、原始社会の人間の観察では「太陽は東から昇って西に沈む」もので、それを受け入れるしかないし「大地はそこにあって何世代も動くことはない」ものだったわけです。このような認識の時には天動説も地動説も存在しません。
「〇動説」が誕生するためには、その前に「地球は丸い」という発見が必要なのです。大地はどこまで持つ続く平らなもの、ではなく「大きな丸いもの」だと知って初めて《つまり地球は水の中に浮いているような状態なのだ》と気が付くわけです。
そうして初めて《では太陽や月も同じように浮かんでいるのだな》となり《太陽が動くようにみえるのなら、それは地球の周りを太陽がぐるっとまわっているからだ》と考えるわけです。ここまでは、非常に高度とはいえ観察によって導きだせます。
しかし「まてよ、地球の方が動いているのか?」となるには、相当に多面的な疑問と精密は観察が必要になります。たとえば「太陽も月も回っているとして、毎日それぞれの位置が違うが、でも365日程度で同じ位置に戻るのは、どういう動き方をしているのか?」と疑問をもって、その解明を進めるときに「どうも地球が動いていないと、うまく(つまり合理的に)説明できない」となるわけです。
ここに至ったときの人類の驚きは、信じられないぐらいの衝撃だったと思います。ギリシャ人はともかく、中世のキリスト教徒は非常に驚き、だからこそ「コペルニクス的転回」という表現が生まれたわけです。
日本人が地上説を初めて知ったときは「神が与えた地球」という概念がないので、驚くは小さかったように思います。イスラム教も地動説を知った初期の学者は隠していたようですが、公表されたときの神学論争はキリスト教ほどでは無かった、とされています。
キリスト教において、地動説・天動説が大きく扱われるのは「神は万物の創造主であり、すべてのモノは人間のために作られた」というイデオロギーがひろくそして強く信じられていたからです。
この回答へのお礼
お礼日時:2025/01/22 12:57
はじめに、私の質問が良くなかったことをおことわりします。
天動説といっても、学問的なものでなく、天(お天道様)が回るということを意味したつもりです。
ところで、太陽信仰では、天(お天道様)が回るだろうか。天(お天道様)は不動であり、我われの大地の方が回っているのだ、となぜ思わなかったのでしょうか。
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