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不飽和結合の検出の実験として、いろいろな試料溶液に臭素水を滴下して、液色の変化を観察しました。
アリルアルコールは、臭素を加えると、臭素の赤褐色が消えましたが、トルエンは、臭素の色が消失しませんでした。
アリルアルコールもトルエンも不飽和結合の化合物だと思うのですが、なぜ、トルエンは臭素と反応しないのですか?

A 回答 (2件)

確かにトルエンも不飽和結合には違いないのですが、トルエンなどのように芳香族化合物と


呼ばれるものの場合は、「共鳴」と言われる安定化の効果により、付加反応を起こしにくく
なっています。

ただ、トルエンやベンゼンなどの芳香族化合物でも、臭素と全く反応しないわけではなく、
例えばベンゼンに臭素を混ぜたものに紫外線を当てると、ベンゼン環の二重結合が切れ、
1,2,3,4,5,6-ヘキサブロモシクロヘキサンになります。

なお、トルエンで同様のことをやると、ベンゼン環への付加反応よりも、メチル基の水素が
臭素に置換されます。それぐらいに、ベンゼン環は安定だということです。
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この回答へのお礼

ベンゼン環は安定なんですね。鎖状の二重結合と同様に考えていました・・・。詳しい説明どうもありがとうござました。

お礼日時:2005/11/22 13:51

トルエンの構造式を書く際には、便宜上、二重結合を書きますが、この二重結合は通常のアルケンに見られる二重結合とは異なり、付加反応を起こしません。



すなわち、ベンゼンおよび置換ベンゼンなどのベンゼン環を有する化合物は芳香族化合物と呼ばれており、アルケンとは異なり、付加反応よりも置換反応を起こしやすいことが知られています。
その理由は、それらの形式的に3本の二重結合を有する6員環状の構造が化学的に安定であるためです。
すなわち、付加反応が起これば、二重結合が2本の環状構造になり、その構造がもとの構造(3本の二重結合を有する6員環状)よりも不安定であるために、付加反応が進みにくいからです。

参考URL:http://homepage2.nifty.com/organic-chemistry/beg …
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この回答へのお礼

ベンゼン環の性質などよく知らなかったので、とってもためになりました!分かりやすい説明をどうもありがとうございました。紹介してくださったホームページも分かりやすくて勉強になりました。(^^)

お礼日時:2005/11/22 13:22

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