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π電子が動きやすく。σ電子が動けない理由をおしえてください

A 回答 (4件)

非常に単純に考えれば、σ結合は特定の2原子間に形成され、そのローブは結合相手の方向を向いて固定されることになります。

そのため、その位置から動くためには一旦、強固なσ結合を切断して、別な方向にローブを伸ばす必要があります。
しかしそのためには、当然、他の軌道も影響を受け、場合によっては他の結合の切断も必要になります。

それに対して、π電子は結合方向とは直角の方向を向いおり、共役系においては、両隣のπ軌道と同程度の距離しか離れておらず、本来のπ結合の相手となっているπ軌道とは反対側のπ軌道とも相互作用を起こしやすくなっています。しかも、一般にπ電子が動き回ることにによって、電子の非局在化が起こり、分子やイオンの安定化につながります。
こう言ったことから、π電子は共役系の中を動きやすくなっています。
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炭素は4つの最外殻電子を持っており、他の元素と電子を供給しあって4つの結合を作ることができます。

他の元素の例として、水素を取り上げると、この時に形成される結合は、炭素の電子1つと、水素から電子1つを出し合って、C-Hという結合(共有結合と呼ばれる)を作ります。このように結合を作るために使用されている電子(σ電子)は基本的には動くことはありません(超共役効果と呼ばれるものもありますが、ここでは難しいので取り上げません)。

さて、ここからベンゼン環を例にΠ電子に触れて行きましょう。
ベンゼン環を構成している炭素は上述した炭素とは異なる電子の存在状態を持ちます。電子は軌道と呼ばれる場所に収容されていおり、この軌道が先程の炭素とは異なるのです。ベンゼン環の炭素では、先程のように結合が作れるσ電子は3つでSP2軌道と呼ばれるところに収容されています。この3つ電子は軌道の形から同一平面上に存在することになります。そして残りの1つの電子はその同一平面と垂直方向に当たる、P軌道と呼ばれるところに収容されており、これがΠ電子でσ電子のように結合には関与しません。
ここで、今注目している炭素のとなりに、もう一つ同じ炭素があったとしましょう。この2つの炭素間では、σ電子を1つずつ出し合い、結合を作ります。また、両炭素にはΠ電子が存在することになります。ここで、Π電子が収容されている軌道が全く同じ方向を向いていたとすると、Π電子が持つ一箇所にとどまろうとせず、出来る限り広がろうとする性質(非局在化と呼ばれる)があるため、Π電子は隣の炭素のΠ電子の入っている軌道に一部移りたがります。これがΠ電子が動く原因です。
先程、Π電子が収容されている軌道が全く同じ方向を向くというコメントがあったと思いますが、ここは必ず押さえてほしいとおもいます。

出来るだけ簡単に書いたつもりですが、図がないのもあり伝わりずらかったと思います。最初はとっつきにくいと思いますが、頑張って理解してみてください。

以下のURLを参考にすると良いと思います。
http://www.kochi-u.ac.jp/~tatukawa/edu/mondai/20 …

次の本を読めば、もっと理解しやすくなるでしょう。大変簡単に書いてあります。

・暗記しないで化学入門―電子を見れば化学はわかる ブルーバックス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062572 …

ちょっと専門的ですが、これも読みやすいです。
・有機反応機構
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785331 …
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たとえば3原子ぶんだけ書いてみますと


次のような図をよく見かけると思います。
σ電子(2つ分)が∞、π電子が○です。

○ ○ ○
A∞B∞C
○ ○ ○

図でわかるように、原子Bにあるπ電子(○)というのは、原子Aの○とも、原子Cの○とも重なりあっているわけです。
両方の原子との重なりがあるので移動ができます。
それに対しσ電子(∞)は、例えばAとBの結合にのみ使われているので、原子Cの方へ行くことはできないのです。
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グラファイトやポリアセチレンなどの複数のπ電子を持つ分子では、π電子の雲が隣同士くっついているので、電圧をかければ移動することができます。


それに対し、σ電子は特定の2つの原子間をつなぐ役割を果たしているので当然のことながらその原子間にしか存在できません。
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