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最近ふと思った素朴な疑問なのですが,ご存知の方がいらっしゃったら教えて頂けないでしょうか.

色が気分に影響を与えるということが言われていますが,そもそもの初出はいつなのでしょうか?

また,この場合の「色」というのは波長のことなのでしょうか.それとも知覚的な色のことなのでしょうか.例えばある色刺激を提示して反対色の色残像が生じた場合においても,その反対色に対応した気分変化が生じるのか?また反対色とはちょっと違いますが,暗いところの林檎でも恒常性によって赤に対応した気分の変化が生じるのか?などということが知りたいです.

最後に,はじめの疑問とも重なるかもしれませんが,数々の視覚的特徴の中でもなぜ「色」だけが気分に影響を与えると言われているのでしょうか.色という視覚的特徴で気分変化が生じるのならば輝度,単純なパターン,運動刺激などでも気分の変化が生じてもおかしくないのでは?と思ったのです.

三つも質問してしまいましたが,わかる部分だけでもお答え頂けるとうれしいです.宜しくお願い致します.

A 回答 (4件)

#1です.


私の分かる範囲で補足します.
現在,手元に文献や資料がおいてありませんので,記憶に頼る部分が多くなりますが,ご容赦下さい.

1.色と感情の関連
いわゆる学術論文として,誰が最初にレポートしたかは,手元に資料がありませんが,次の文献を見ていただきますと,明暗の視覚,ゲーテの色彩論と色彩心理学の視点,色は色を呼び起こす,シュヴルールから印象派へ,色の現象する世界,色の感性的心性的作用 といった内容がまとめられていますので,見つける手がかりになるだろうと思います.

金子 隆芳 (1990):色彩の心理学.岩波新書.

また,次のものも参考になるかと思います.

大山 正 (1994)色彩心理学入門―ニュートンとゲーテの流れを追って―. 中公新書.

いずれも,実験心理学の泰斗が書かれた本です.
私も持っていますが,職場においてありますので,ご質問に関わるところを確認してきたいと思います.

2.残像による色の知覚現象
ごく最新の研究動向まではフォローしていませんが,末梢(網膜)レベルでの現象とされていたと思います.ただし,光化学の問題なのか,神経レベルの問題なのかは,解決されていなかったと思います.

なお,色の知覚については,波長と知覚された色との関係については,中枢神経系でかなりの調整が行われるという報告があるようですので,おそらく,光の波長の問題というよりも,知覚あるいは,もう少し高次の処理をされたという意味で,認知された色が関わっていると考えた方がよいと思います.

3.視覚的特徴とセラピー
いわゆるカラー・セラピーも,アカデミックな意味では,心理療法とは認知されていないと思います.
一般的な気分や感情状態に色が影響を及ぼす効果という点で,建物の設計や,部屋の内装などに心理学的治験が応用されているということだろうと思います.

その他,おっしゃるような「luminance therapy」などは,寡聞にして聞いたことがありません.
心理療法となると,クライエントの状態をアセスメントし,それに応じてセラピストが一定の見通しや意図を持って援助を行って行くわけですから,そういう形では使いにくいということもあるのではないでしょうか?
上述の色が感情に与える効果のように,環境を設定する際に,明るさなどの物理的要因が,心理状態にどのような影響を与えるかを配慮するという形で使うことになると思います.

あまりきちんとした説明ではなく,恐縮です.
最近の心理学関係の領域でいえば,「感性心理学」や「環境心理学」といったテーマを取り上げている研究もご覧になるとよいのではないかと思います.
工学系などでも,「感性工学」という領域も出てきているようですね.
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この回答へのお礼

私の素朴な疑問に二度もお付き合いいただいてありがとうございます.

>光の波長の問題というよりも,知覚あるいは,もう少し高次の処理をされたという意味で,認知された色が関わっていると考えた方がよいと思います.

私もそう思います.かなりトップダウン的なものが関わっているのかなぁと.ただその「トップダウン的なもの」が何かはわかりませんが….たとえば炎は概して赤い色(を反射する)と思いますが,炎の属性として「熱い」というものが付随します.そのため「炎」-「赤」,「炎」-「熱い」という関係が,「炎」を中心としたネットワークを形成して,枝葉の「赤」と「熱い」が横のつながりを持つのかと.ただ,この時にも炎の端を知覚するためには輪郭を検出しなければならないし,時間変調もあることから,運動も検出しているはずです.なぜ印象や気分,イメージが色と結びつくのでしょうね.不思議です.

>いわゆるカラー・セラピーも,アカデミックな意味では,心理療法とは認知されていないと思います.

はじめて知りました.そちら方面の知識は疎いもので…どこまでが学問的な臨床心理学の範疇なのか,素朴心理学的なものなのかの区別がはっきりできないので参考になりました.

色(他,視覚的特徴)と気分の関係は様々な場面で応用されてはいるものの,メカニズムに関してはまだまだこれからの研究待ちというところでしょうか.統制すべき要因も多く存在すると思うので大変でしょうね(^_^;)

また,質問の性質として,色の知覚+気分の効果という,いってみれば低次と高次の両方を含む(繋ぐ?)問題だと思います.心理学諸分野の方々の意見をもう少し伺ってみたいと思っていますので,締め切るのはもう少し先にしたいと思っております.

最後になりましたが詳細な説明を本当にどうもありがとうございました.

お礼日時:2006/03/16 21:19

#1です.



再度の補足です.

#3の方が書いて下さった季節性気分障害(冬季性うつ病)の治療法に高照度光療法(bright light therapy)は,実は,メラトニンというホルモンに関わってきます.
メラトニンは,脳の松果体というところで産生され,生体のサーカディアン・リズム(概日リズム)に関係しています.
メラトニンは,夜間に多く分泌される性質があり,このメラトニン分泌過多が,季節性感情障害の抑うつ気分に影響していると考えられています.
高照度光照射療法は,このメラトニンの産生を抑制する作用があります.

サーカディアン・リズムは,ほぼ24時間のリズムを刻むもので,“生物時計”によって生み出されます.
その生物時計は,脳の松果体にあると考えられています.

このような仕組みで高照度の光を浴びることが,気分にも影響してくるものなのです.
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この回答へのお礼

大変遅くなりましたが,回答どうもありがとうございました.

光の強度(量/1日?)が気分に影響する,という理解をしました.内分泌系や神経系と気分とのある程度の関係性がわかってくれば,外部刺激と気分との関係性も明らかになってきそうですね.

お礼日時:2006/04/02 18:50

通好みの問答,興味深く読ませていただいています。



質問者さんの想定するlumimance therapyというのとは少し違うかもしれませんが,
季節性気分障害(冬季性うつ病)の治療法に高照度光療法(bright light therapy)というものがあります。
多数の蛍光管を嵌め込んだlight boxを2500~3000lux程度の照度で点灯し,
光源を断続的に見つめながら早朝の2時間ほどをその前で過ごすというだけのものですが,
過半数の患者に顕著な効果があるようで,家庭用の照射機も販売されています。
http://fk-clinic.com/detail/sad.htm(高照度光療法のコンパクトな解説があります)
http://poesie.hp.infoseek.co.jp/BrightLi.htm#HF3 …(少しあやしげな広告です)

高照度光療法は近年アルツハイマー病など睡眠・覚醒リズム障害を伴うさまざまな疾患への適用が試みられていますが,
その作用機序についてはいくつかの仮説が競合している段階の模様です。

季節性気分障害の予防法としては
・太陽光線を出来るだけ浴びるように心かげる。
・部屋の壁を濃く暗い色にしない。
・カーテンやブラインドを明るい色にする。
・毎日散歩や室外運動をする。
・日照量の多い国に旅行する。
といったことが推奨されているようです。

季節性気分障害の患者は世界的に見れば高緯度の地域に多いこと,
また日本における人口当たりの自殺死亡率の上位に
秋田,青森,岩手,島根、新潟といった東北と日本海側の県が並んでいることも
日照の強さや日照時間の不足が気分障害発症の背景にあることを窺わせます。

色もさることながら,明るさが気分に影響していることは確かなようです。
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この回答へのお礼

>季節性気分障害(冬季性うつ病)の治療法に高照度光療法(bright light therapy)というものがあります

私もそのような話を過去に聞いたことを思い出しました.病院で行われているのであれば効果があるということなのでしょうね.紹介して頂いたサイトの説明のとおり,非侵襲的な方法なのですが,そうなると,視覚刺激の入力によって気分(障害)に影響ということになりますよね.このような初期的な感覚情報の入力によって,気分という高次な部分に影響を及ぼすということはやっぱり不思議ですね.

>通好みの問答,興味深く読ませていただいています。
どうもありがとうございます.もう少し「通」の方の意見も伺いたい(集まって頂きたい?)と思っておりますので締め切るのはもう少し先にしたいと思っております.

最後になりましたが貴重な情報を教えて頂いてありがとうございました,

お礼日時:2006/03/16 22:56

色のイメージということを最初に言い出したのは,ゲーテのようです.


ゲーテは,「赤は威嚇的な恐ろしい色。夕焼けの色は恐怖や危険、闘争を象徴する」とか「黒は悲しみの色」などと述べています.

色というのは,知覚的な現象です.もちろん,色の感覚を生じるのは視覚刺激で,光の波長が異なれば,異なる色に見えます.
色覚が生じる生理学的機構については,現在は,段階説という理論が受け入れられています.
この理論によれば,視覚系のもっとも初期の錐体視細胞レベルでは,3種類の錐体と呼ばれる細胞で三色説的な情報処理が行われ,次の段階へは,その三色説的な信号が反対色説的な信号へ変換され,脳へと伝えられるといいます.
ただ,三色説的な信号から,反対色説的な信号への変換などは,十分明らかにされていません.

視覚的特徴のうち,色だけが気分に影響を与えるのではないと思います.
形なども,安定性などの気分に近いものに影響してくるように思いますが,いかがでしょう.

参考URL:http://www.athome.co.jp/academy/culture/cul08.html

この回答への補足

私の説明が足りなかった部分がありましたので補足を致します.

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色彩論に記述があることがわかったのですが,心理学雑誌における初出はいつなのでしょう?極端に言えば色と気分の関係について実験をした場合,誰もがイントロの一番はじめに引用するだろう論文は何だろう?と思ったのです…これは自分で調べることかもしれませんね(苦笑)

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残効によって引き起こされる色は,外からの入力がない状態での神経の(自発?)発火のみによって引き起こされる感覚/知覚だと理解しています.これがLGNの中心-周辺の拮抗型受容野由来なのか,皮質レベル(blob?V4?)なのかは恥ずかしながら理解しておりません.

私の疑問は「色」が気分に影響を与える時にクリティカルなのは,外から光の入力があることなのか,入力の有無にかかわらず「色」を知覚することなのかと言うことです.前者であれば,例えば500nmの波長の光が入力されていたとしても,残効や恒常性が生じた場合には,その光の波長特性によらない「色」が知覚されることもあります.この時に気分を変化させる「色」は波長なのか?知覚した色なのか?ということを疑問に思ってます.わかりにくい文章と質問で申し訳ありません.

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>視覚的特徴のうち,色だけが気分に影響を与えるのではないと思います.
私もなんとなくはそう思っています.「Color therapy」というものがあるのなら,「Luminance therapy」,「Motion therapy」,「Pattern therapy」などもあってもよいのではないのか,と自分でもバカだなぁと思いつつもなんなく考えてしまったのです.また「1 deg/secの運動刺激を見続けると○○な気分になる」なんていう話もあっていいはずなのに聞いたことがありません.色が気分に及ぼす影響やイメージというものは一般的に言われているにも関わらず,他の視覚的特徴に関してはほとんどそういう話がないなぁと感じます.私が知らないだけという可能性が高いと思ったので,この辺りの研究(各視覚的特徴が気分にどのような影響を与えるか?)の現在までの進展状況を知りたいなぁと思ったのです.また色だけが特別に影響をもつ特性であるのなら,メカニズム的なことまで含めてその要因を知りたいとも思っています.

補足の方が長くなってしまいましたが,色に関してはわからないことが多いので教えて頂けると大変うれしいです.

補足日時:2006/03/15 02:06
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました.質問をしたあとに自分でも調べてみたのですが,ゲーテの「色彩論」に色と気分の関係が記述されているようですね.

お礼日時:2006/03/15 01:09

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