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実父のことで相談いたします。
まず、父は現在78歳。10人兄弟の末子です。
家族は母と子供4人。私も含め、子はすべて結婚独立しております。
実祖父は40年ほど前に死亡。その時一族が集まって、全員納得の上で財産を分配しました。
問題の土地は、長男と次男と父の3人が共同名義で相続した土地です。
長男は老衰で既に他界。その子(男・いとこAとする)が相続しています。
次男も1年前に死亡。妻と長男がいますが、名義をどうするかは聞いていません。
困っていることとは、父がその共同名義の土地を、長男の子供(いとこA)に相続させようとしていることなんです。
すでに公正証書遺言を作成しており、さらに本人に「生前贈与してやるから手続きをしろ」とまで言っている状況です。
父親がなぜ長男の子供に相続させようとしているか?本人いわく「長男が誰よりも多く相続するのは当前のこと。祖父が亡くなった時、本来なら長男一人でこの土地を相続しているべきだった。だが遺言がなかったため、男兄弟3人の共同名義にした。これは間違いである。本来の持ち主長男に返すべきだ。長男亡き今、その子供であるいとこAに返すのが本筋だ。」と言います。
お答えいただきたいのは、
1、生前贈与されてしまうとどうしようもないのか?
2、仮に生前贈与されなかったとしても、公正証書遺言にかかれていると、私達には一銭も要求する権利はなくなるのか?
3、相続をやめさせられる方法が何かあるか?
です。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
本件での物の考え方の基本として、(1)父親が自由な意思で自身の財産を処分しようとしている事を、その家族(子供)が何を根拠・理由にして止めさせようと考えているのかと言う点と、(2)父親名義の資産に対する法定相続人(家族)の期待感についても十分に理解できるし法的保護にも値すると言う点が、両極端の起点になります。
1.民法550条他には、贈与の意思表示を取り消せる権利が贈与者に残っているが、既に履行が終った部分や相手に書面を交付した贈与の場合には、贈与の相手方に権利が生じるので贈与者からの一方的な取消はできない、と定められています。(意訳です)
2.遺言及び相続開始1年内の生前贈与による法定相続割合を超えた特定人への財産移転については、法定相続人からの遺留分減殺請求が可能です。(民法1030条他) 本件の場合には、相続発生後に資産承継人Aに対して、父親の全体相続財産に対する相続割合(母親50%、子供各12.5%×4人)の1/2部分について自分の物だと要求できる権利が各相続人に有る、という考え方です。残り資産によってこの遺留分割合以上の相続があれば、各相続人はこの土地の処分については何の権利も持たないことになります。
3.父親の自由な意思表示による撤回・新しい日付での遺言者作成以外にはありません。(仮に父親以外の者が、このAへの遺言による贈与を止めさせることができるのであれば、逆に質問者なり特定相続人への相続権を第三者や別の相続人が奪えることにつながり、それでは質問者も納得ができないと推測します。)
この回答への補足
早々のご助言をありがとうございます。やはり父本人を説得するしか方法はないようですね…。
年令から想像していただけるかと思うのですが、父は昭和一桁生まれの昔気質の人間です。
私自身、親に話しかける時は敬語、口答えすると2階から突き落とされるなど、想像以上の厳しい育てられ方をしました。本人に意見などしようものなら、殺されてしまいます。そういう性格なのです。
それでも、父への恐怖をおしのけてでも、この件に関して納得がいきません。
長兄の長男(いとこA)氏は、すでにたくさんの土地や財産を譲り受けており、生活に何ら困っている状況ではありません。父が特別に世話を受けたわけでもありません。数年に一度会うか会わないかの親戚に過ぎません。
反して父は数年前、借金の保証人になり、祖父から譲り受けた土地はすべて返済に取られてしまったのです。残っているのは実家だけです。今は年金と母のパート代で暮らしています。
ある日突然降ってわいたような借金、そして土地の取り上げに、ショックから母はうつ病になりました。
それでも母が立ち直れたのは、まだその共同名義の土地が残っていたからです。
なのにその土地を無償で譲るという、その思考回路が理解できません。
父には母の気持ちも私達兄弟の気持ちも関係ありません。「自分のものを自分で決めた相手に譲って何が悪い。」と母に言いました。
その土地とは日本地図で確認できる大きさがあり、不動産屋に数億と見積もられました。母はまたノイローゼ気味になっています。
確かな判断力を持って行動しているのかさえ疑問に思える金額だと思いませんか。年による健忘症と脳梗塞はわずらっていますが、痴呆症になっているわけでもありません。
やはり「大馬鹿者」としてあきらめるしかないのでしょうか。
本日弁護士の方とお会いし、いろいろとお話を聞いてまいりました。おっしゃるとおり、何の手立ても打てない状況でした。本人の気が変わるのを待つしかないようです。
この度は本当にありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
ご質問に具体的回答でなくすみません。
正論、法律論で回答をするとNO1さまのご回答の通りとわたしも認識します。しかし、
実務家への相談の多くは、「法律はそうだが、何とかならないか」というものばかりです。
つまり可能性を求めてきます。
例えば、死亡生命保険の場合は原則相続分割財産になりませんね。
受取人の固有の権利(遺族保障の観点)という判例・審判が大部分です。
しかし次の場合どうでしょう、死亡保険金1億の受取人が前妻の子供であり、
現在の財産は負債ばかりで現配偶者や子供にはまったく財産が残らない事例です。
このような時、法律論で共同相続の実質的衡平は保たれるでしょうか?
大阪家審昭51.11.25家月32-5-46
宇都宮家栃木支審平2.12.25家月32-5-46
は生命保険を特別受益として認め、持ち戻し計算をさせた数少ない審判です。ご担当先生の努力には敬服します。
わたしが言いたいのは、「法律上、あきらめるのは簡単です」しかし上記のように実務家は依頼者の願いを、
針の穴程の可能性を探して達成しようと努力します。
ご生前であれば、債権者取消権、債権者代位権の債権がらみでは無理か?
相続開始後では、寄与や特別受益面からどうか?などいろいろ
検討してくれるはずです。
良き先生に会われることを願います。
ご丁寧にお答えいただき、本当にありがとうございます。母とも相談し、やはり弁護士の方に相談することになりました。さっそく今日お会いしてきたのですが、今時あまりにも古風な考えの父に、かなり驚いておられました。
なんとか本人の気持ちが変わってくれればいいのですが…。
この度は本当にありがとうございました。
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