No.12ベストアンサー
- 回答日時:
<鳥とは関係ない解説 はじまり>
「明るさ」というのは、物理学で言う「Intensity(強度=フォトンの数に比例)」に、人間の特性(視感度)を掛け算したものです。
世の中の照明器具及びディスプレイの、スペック表示や測定評価は、全て、CIE(国際照明委員会)が大昔に定めた基準、すなわち、人間の視覚の標準的な特性のデータに基づいて行われています。
発生熱も赤外放射と仮定すれば、Intensity は、基本的に消費電力(ワット)に比例します。
しかしそれは、赤い成分(可視光の中でも、あまり明るく感じない成分)、さらには、可視光でない成分(赤外線~遠赤外線)なども全て含んだものです。
白熱電球の性質上、暗くなるにつれて、青白い白から黄色、そして赤になっていきます。
ですから、人間は、電球から出る光のIntensityの減少の効果以上に、輪をかけて暗く感じます。
世の中にある照度計、光度計、輝度計というものは、すべて、機器の中に上述の「人間の視覚特性のデータ」があらかじめ記憶されています。
(多くの場合、ROMに入っています。)
<鳥とは関係ない解説 終わり>
---
>>>
理科で、並列に繋がった電球の回路は同じ電圧がかかると習いましたので、鳥と電線は並列に繋がっているので、鳥(抵抗10Kオームとしたばあい)にも6600Vかかると、0.66A流れると考えてしまうのはいけませんか?
---
いえ。いけなくないです。
これも、正確に合っています。
(私は交流に詳しくないですが、少なくとも直流だとすれば、そうです。容量やインダクタンスの無い、単純な抵抗体のみの回路ならば、直流と全く同じです。)
あなたのようにシンプルに考える人が、一番、正解を出す確率が高いです。
では、
前回回答で書いた「簡単な方程式」を実際に立ててみましょうか。
鳥の右の足元をA地点、左の足元をB地点と呼ぶことにします。
線分ABの長さ当たりの電気配線の抵抗をrと置きます。
これは、送電線の特性そのものですから、定数と考えます。
また、rに流れる電流をiと置きます。
それに並列つなぎされた、鳥の体の抵抗をRと置きます。
どういうRになれば最も焼け死にやすいか(=最大の電力消費になるか)を求めるのですから、Rは変数とします。
また、Rに流れる電流をIと置きます。
AとBとの電位差をVとします。
V=ri=RI
ここで、簡単のために、電流の総和=(私は詳しくないですが)変電器から次の変電器まで?の電流は、常に一定とします。
(何故ならば、鳥がとまったぐらいで、家庭に届く電力が変わってしまっては困るので。)
すなわち、
i+I=定数
鳥の体で消費される電力は、
P=VI=RI^2
= r・(定数-I)・I
= r・(定数・I-I^2)
これが最大になるポイントを見つければよい。
-----
これは、Iの二次関数で、Iの係数はマイナスだから、グラフは上に凸。
つまり、I微分がゼロになるポイントがP最大。
r・(定数-2I)=0
I=定数/2
よって、Pが最大になるためには、
I=i=定数/2
R=r
という結果になる。
・・・ところが、これでは、AB間の電線抵抗と他の部分の(長さ当たり)電線抵抗とが2倍違うことになってしまう。
・・・鳥の股の幅が異常に広ければ話は別ですが
(=前回回答の話と同じことです。)
-----
だから、「P最大」の考え方をやめて、
i≒定数
i≫I
r≪R
とする近似を考える。
(そして、ここから、「定数」を I0 というシンボルに書き換える。)
すなわち、
電線に流れる電流: i = I0(1-Δ) = I0-Δi
鳥に流れる電流: I = I0 - i = Δi
ただし、Δ≪1
ここで
--
V=ri=RI
--
という式を思い出せば、
r(I0-Δi) = RΔi
より、
r・I0 = rΔi + RΔi = (r+R)Δi
となり
Δi = I0・r/(r+R)
となる。
よって、鳥の体で消費される電力は、
P = R(Δi)^2
= I0^2・R・r^2/(r+R)^2
Rとrの比を ρ = R/r と置けば、R = ρr なので
P = I0^2・ρr・r^2/(r+ρr)^2
= I0^2・r・ρ/(1+ρ)^2
= r・I0^2/{ρ・(1/ρ + 1)^2 }
ここで、1/ρ ≪ 1 なので、
ρ・(1/ρ + 1)^2 ≒ ρ
よって、
P ≒ r・I0^2/ρ
となりました。
以上のように、
近似を行う場所が計算の、ぎりぎり最後近くになるように、慎重に計算したわけですが、
結局のところ、
「鳥の体の経路(足→体→足の経路)の抵抗が、電線の抵抗より非常に大きいとき、
その経路で消費される電力(=発生する熱)は、ほぼ、その抵抗に単純に反比例する」
という結果になりました。
ちなみに・・・
・rは、当然、ABの長さに比例します。
・仮に、ρはABの長さによらず一定であるとすれば、
「鳥が大股広げてとまるほど、その股の広さに比例して、鳥の体内で沢山熱が発生する」
です。
また、I0は、送電線で送っている電力の平方根に比例します。
以上を総合すると
鳥に発生する熱(焼け死ぬポイント) ∝ P0・x/ρ
ρ: 鳥の体の経路の抵抗の、電線の(ある長さの)抵抗に対する比
x: 鳥の股の広さ
P0: 電線に流れる電流(送電する電力の平方根に比例)
です。
なお、
#11さんの
「おもいっきし ちがーらしーぞ。 ^_^;」
という指摘についてですが、
これは、電柱がアースになっているからです。
つまり、それは、
#6さんの回答にある、「片足を地面に付けた時」と同じことです。
もしも仮に電柱がアースされていないとすれば、我々は、道を歩いているとき、電柱に決して触れてはなりません。
また、
「感電する」という言葉の定義は難しいかもしれませんが、私が思うに、下記の2種類があります。
1.ビリっとくる
2.焼ける
私が上記で解説したのは、2の方です。
電柱がもしもアースされていなければ、我々が受ける被害は、おそらく、1と2の両方になります。
そして、1についてですが、
人体(と衣服や靴)がプラスに帯電すると、ドアノブに触ったときにビリっとくる現象は、電圧だけで考えると、送電線の電圧なんぞ到底及ばない、とんでもない電圧であるはずです。
(数字は忘れましたけど、数千~数万ボルト程度じゃないでしょうか。)
あれは、
人体とドアノブとが電気的に中和するまでに流れる電力を中和時間で積分したもの
(=∫Vidt≒ Vit~Vit/4ぐらい)
=エネルギーが微小だから、命に別状がないわけです。
(さらに厳密に言えば、スパークの通り道の空気にもエネルギーを与えてますが)
つまり、
常に「エネルギー」で考えることが大事です。
(エントロピーだの相対性理論だの量子力学だの宇宙論だの色々と不気味な物理学がありますが、エネルギーの考え方だけは、大昔から不変、かつ、絶対的です。)
ちなみに、
この問題では、送電線に電流が流れている時間が無限として考えるので、厳密には、鳥の体から熱が逃げる速さとの競争になります。
鳥の体の熱容量が大きく、放熱速度の方が僅かに負けている状態であれば、鳥は、徐々に焼けます。
No.15
- 回答日時:
なんか、
#10へのご返事と、それに答えた#12の冒頭部分が、削られちゃったみたいですね。(笑)
(ここのサイトの質問に、小さい図ぐらい添付できるようになるほうが、便利ですよね。)
さて、
それによって、文章の意味やつながりが分からなくなってしまった部分があるので、
編集して、下記に書き直します。
#12の回答の冒頭部分に挿入した文章だと思ってください。
>>>
鳥がとまっているのは"回路の導線と並列つなぎで電球をつないだ状態"で、感電しないと言うことは、そのときに電球が点かないという意味と同じですか?
-----
はい。
その意味と「正確に同じ」です。
ただし、「点かない」という日本語の意味は、「人間に光が認識できない」です。
つまり、光(=電磁波)は少し出ています。
可視光であれば、かなり赤いほうになり、「明るさ」も小さくなります。
To Be Continued ...to the head of Answer #12
ドラクエ3のエンディングみたい?(笑)
この回答への補足
詳しいご回答ありがとうございます。
皆さんのおかげで徐々に理解していきました。
#3さんの参考URLに載ってるやり方も参考になりました。
で、鳥には全く電気は流れないのでなく、限りなく0に近い電気が流れているのが分かりました。(参考書など読んで、完全に流れないと思っていました)
それと、鳥が感電しないのは電位差が0だからというよりも、鳥には電線に比べ抵抗が大きいから感電しないと言い換えたほうがいいんでしょうね。でないと、たとえば無茶な話、限りなく0に近い抵抗の動物が電線に止まったら、「電位差が0だから感電しない」と言えなくなりますよね?
No.14
- 回答日時:
中国電力のサイトのどこに、+と+の電池が書いてあるのか分かりませんでしたが、
一般に回路というものは、(送電線もその一種です。)、交流のものがほとんどなのですが、
よく勘違いする人がいますが、
たとえ、高電圧でなくても、電源線(Vccとか)でなくても、
一見一定電圧を保っているように見えるグラウンド線でさえも、交流の電流は流れます。
グラウンドノイズなどで、瞬間的にプラスになったりマイナスになったりしたときに、元のレベルに戻ろうとするときには、必ずと言っていいほど電流が流れます。
最初の回答に書きましたが、
もしも電流が流れない線なのであれば、永久機関でもない限り、送電は出来ません。
No.11
- 回答日時:
No.10
- 回答日時:
私は電力とか交流の専門家ではないので、定性的な考え方しか出来ませんが、
「電位差が無いから感電しない」という考え方は誤りだと思います。
(電気ショックで死ぬ話ならば別ですけど。)
それは、このような思考実験をすれば、明らかです。
その1
Aさん「電位差が無いのだから、鳥の右の足元から左の足元までの経路には電流は流れない。」
私「それは、おかしい。」
Aさん「なぜ?」
私「だったら、電力を送れないじゃない。」
その2
もしも、
・右の足元→胴体→左の足元 の経路の電気抵抗
・右の足元→足の間の電線→左の足元 の経路の電気抵抗
この2つがもしも同じだったら、どうなりますか?
答え
電流は二手に分かれて半分ずつ流れます。
(抵抗の並列つなぎと同じ)
・・・本当は、もうちょい説明が必要で、
二手に分かれるだけだと、鳥が焼け死ぬのであれば、電線も焼き切れるでしょう。
すなわち、両者の抵抗値の逆数の合計の、そのまた逆数が、他の電線部分の、その長さ当たり抵抗より高ければ、そうなります。
簡単な方程式で解けますが、鳥の体の抵抗が中途半端だと、鳥だけ焼け死にます。
つまり、#1さんと#3さんと、参考書が正解。
#7さんの「昔聞いた話」は惜しいですが、胴体は断面積が非常に大きいので、抵抗体としては足部分よりも、むしろ抵抗値が低いと思います。測定データ見たわけじゃないですから、断言できないですけど。
(ただし、上述の1行の結論は、断言です。)
<おまけ>
なお、
電子の流れというのは、(#7さんの話と似たイメージかもしれませんが、)脳みそを持った動物(≒人間)の集団が廊下を一方向に通る時のイメージと非常に近く、実は定量的にも結構似ているらしいです。(と、かつて物理学の教授から聞きました。)
簡単な例ですと、直角に曲がった廊下では、なるべく内側を通ろうとし、アウトコースを回る人数はあまりいないです。
同様に、
本件では、鳥の体を通る経路を、電線に比べて細い廊下とか、若しくは、細くなくても障害物が沢山ある廊下に例えれば、似たような説明が出来ます。
この回答への補足
理科で、並列に繋がった電球の回路は同じ電圧がかかると習いましたので、鳥と電線は並列に繋がっているので、鳥(抵抗10Kオームとしたばあい)にも6600Vかかると、0.66A流れると考えてしまうのはいけませんか?
補足日時:2006/05/09 16:22No.9
- 回答日時:
正しいと思います。
ただし、もう少し追加説明があるほうが分かりやすいです。
追加とは、はるかに抵抗が小さいため、鳥の両足の間隔ぐらいでは電圧はOなので、鳥の足から足へ電流が流れることはない、と。
人間の場合でも、どうにかして両手で同時に電線を握ることができたらやはり感電しないでしょう。
この場合も同じで、人間の両手の間隔ぐらいでは電圧は0なので。
また、巨大な鳥がいるとして、電線に片足を触れ、もう一方の足を地面に付いたら感電することになります(そんな鳥はいないので実験できませんが・・・笑)。
あるいは、二本の電線にまたがって触れることができたら感電します(これも実験不可能でしょうね・・・笑)。
No.8
- 回答日時:
電気が何故流れるか、それは電位差(電圧)があるからです。
簡単な話、乾電池の+だけに豆電球をつないでも電気は流れません。これと同じで、同じ電線では電位に差が(ほとんど)無いために鳥に電気は流れません。別の電線や地面などと同時に接触すれば電位の差があるので電気が流れてしまいます。
No.7
- 回答日時:
昔聞いた話です。
右足から流れた電流は、左足へ流れる。
その為感電しない。
電流は、最も抵抗の少ない所を最短距離で流れる。
足→心臓→足の経路は流れない。
(足→またぐら^^→足)
100V10Aとし、
足の抵抗を1メガオームとすると、1万分の10Aしか流れません。(1mA)
実際の電線は、電圧が高く、電流は低いので
鳥には平気なのだと思います。
(更にビニール手袋じょーたい^^)
※抵抗が高くても、電流は流れます。
No.6
- 回答日時:
交流でも直流でも片方の線だけでは感電しないのでは?
アース(+-のもう一方)をとる事により電流が流れる(電圧差が生まれる)のであって鳥が単線に止まっていても電流が流れないという事ではないでしょうか。
鳥が片足づつ2本の線を掴むか片足が地面に着けば感電するでしょう。
人間も一本の線に掴まり、反対の線や地面に触れなければ(近づかなければ)大丈夫なはずです。
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