A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
卒業後、口腔病理学教室に残って学生実習用の研摩標本を十数枚作りました。
大学院を終了して開業してみると、切片標本を透過光で見たときの齲蝕の層分類と、齲窩を表面から削りながら落下光で見たときの所見とはどうも一致しないことがあるような気がします。
齲窩の、着色のある部分を実体顕微鏡で観察すると、肉眼では染色されていないように見えていても、切削感の柔らかい部分は色素が歯質に染み込んでいるのが観察できますが、硬い部分には観察できません。
ですから、硬い部分の少なくとも一部は着色があっても感染はない部分があると考えられます。
しかし、この硬くて染色されない部分を丁寧に除去すると、その奥に齲蝕検知液で染色される歯質が出てくる場合と、染色されない歯質が出てくる場合があります。
結局、深部に感染歯質を残したまま、その表面側が再石灰化を起し、細菌も石灰化されて死んでしまい、染色されない硬くて着色された層ができるのだと思います。
現時点では、染色されない硬くて着色された層の奥が感染歯質であるか否かを判別する手段を私は持っていないので、着色された歯質は除去することにしています。
回答有難うございます。
切削感が硬い部分の下の層で細菌が活動している場合があるということですか。
セーフティーネットを張るという意味で着色歯質を可及的に除去するというのは予後を考えたら当然なのかも知れないですね。
また、何かありましたら宜しくお願いいたします。
No.3
- 回答日時:
変色していても、細菌が達していなかったり、活動していなければ切削の必要なないものとされていますよね。
酸による象牙質の変成か何かだったと思います。機序は改めて調べます。
手用切削器具の手応えやウ蝕検知液での染色性を見て、そこで切削を止めます。
再石灰化については、この内部まで石灰化をすることはないでしょう。
回答有難うございます。
酸による変性というのも考えられるのですね。
この問題に関しても多角的な知識と診査が必要なのですね。
自分なりにも、情報を収集していきたいと思います。
また、何かありましたら宜しくお願いいたします。
No.2
- 回答日時:
基本的にはNo1さんの通りです。
最近は着色があってもブラッシング可能であれば、軟化象牙質でない限り残しても良いという流れではあるようです。
COのような開放の状態では(黒変というより茶色程度の着色ですが)20年近く進行が認められなかったと言う報告が地元歯科医師会ではありました。
充填後やインレーセット後に表面に出ない場合、完全に除去すると歯髄に著しく近づく事が予想される場合、臼歯であって審美的に問題ない場合では残す場合もあります。
ですから、質問のように歯髄との距離はあるなら、除去した方が良いと考えています。
残したものでも最長で10年を超える症例もありますが、今のところ問題ありません。再治療の場合は、むしろ別の場所からの齲蝕が主な原因です。
齲蝕のほか、着色による場合もあり、特に金属イオンなどによるものでは上記の条件で残しています。(但しレジン充填では次第に色が浮いてくる場合があり、窩洞が浅い場合は除去します。)また、特に隣接面などでは脱灰層での着色が多いですが、この場合は、口腔自己管理が良ければ残しますが、多くは比較的積極的に除去しています。
着色部を残す場合は念のため、処置内容と予想される予後について必ず患者さんに説明します。
ちなみに近年増えている3-mixでは着色どころか、軟化象牙質も温存する事が多いようです。私の地域ではこの再治療が多く、齲蝕の進行や歯髄壊死、壊疽、感染根管に至っている場合が目立ちます。
これらがどこまでの段階で感染歯質除去を終えたのかは不明ですが、これらまで着色部温存の予後として捉えると、問題は複雑になってしまうと考えています。
回答有難うございます。
口腔衛生状態の良否や審美性も考慮して、削除・温存を考えるとは・・・・そこまで考えないといい治療は出来ないのですね。
残すにしてもリスクを患者に説明するのはいつもないがしろにしてしまっていたので気をつけようと思いました。
軟化象牙質を温存するような治療はまだ踏み切った事はありませんが、将来熟考してみようと思います。
メガボンドFAを使用するとまた削除の基準が変わってきたりするものなのでしょうか?それについてもこれから長期経過の情報に注目していきたいと思っております。
また、何かありましたら宜しくお願いいたします。
No.1
- 回答日時:
題名にあるとおり非齲蝕罹患歯質の黒変部(アマルガムや銀合金による着色?)であれば保存します。
慢性齲蝕による黒変部であれば、私は除去しています。
ご存知だとは思われますが、齲蝕は表層から、細菌侵入の前縁、着色の前縁、軟化の前縁となっておりその先に透明層があります(教科書的には)。慢性齲蝕による着色層の前縁と細菌侵入の前縁とは非常に近接しており、ほとんどの黒変部には齲蝕原因菌はおりますし、各々の前縁は近接しているので着色層を全部取ってしまってもほとんど問題ないです(えらそうに言ってますが教科書の受売りなんですが)。
一応齲蝕は細菌の活動によるものなんでそれは可及的に除去しておいたほうがよいでしょうし、ちゃんとレジンが接着する歯質は出しといたほうがいいんじゃないかと。(まーシーリングすれば齲蝕の進行は止まるってなはなしもありますが、問題もあるようですし)
まーとある保存の教授が言うには、臨床の場でどこまでが齲蝕だという範囲をちゃんと示せる人はいないって断言してました。今んとこ判断基準として慢性齲蝕は着色部を削って、急性齲蝕はカリエスチェックで染まったところを削るってのが、一番問題なく除去する方法だといってました。(どこの教授がわかったかもしれませんが、私はそこの医局員ではありませんのであしからず)
適当に書きなぐってみましたが、若手のドクターの一つの意見としてお聞きくださいませ。(多分私と-tomoさんと臨床経験はあんま変わんないじゃないかと)
回答有難うございます。
私はまだまだ駆け出しなので上述のような簡便な方法を教えていただけると本当に助かります。
色々な考えがあるものなんですね。金属イオンによるものと確信できるもの意外は削除した方が言いという事ですね。
また、何かありましたら宜しくお願いいたします。
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