
はじめて質問します。
よろしくお願いします。
動詞「座る」について
「座る」は瞬間動詞とある文法書に記載がありましたが、
立つ→座る 上から下への移動
ということでほかの文法書に
「移動としての意味は弱いが移動動詞である」
との記述がありました。(意味が弱いので「へ」は不可)
瞬間動詞であることと移動動詞であることは両立するのでしょうか。
助詞「に」について
上記を踏まえて、
A.イスに座る
B.イスに座っている
の助詞「に」は意味が違うのでしょうか。
移動動詞であればAは「動作の帰着点・到達点」
(立つ→座る 座る動作の到着点がイス)
瞬間動詞であればBは「状態が現れている場所」?
(部屋に電気が点いています、庭に花が咲いています と同様の用法)
わたしの見ている問題集には「に」の用法として
・存在の場所
・状態が現れている場所
・到達点
・動作の相手
・ものの帰着点
・目的
が書かれています。
はじめてなのにたくさんの質問ですみません。
よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
No.1です。
早速のご丁寧なお返事を有難うございます。ドキドキしていただいて、こちらも恐縮です。補足質問にお答えしますご質問1:
<「座る」は対象がモノの場合は『に』、場所の場合は『で』かとも思ったのですが、
いかがでしょうか。>
1.「対象」という捉え方はいいと思います。ただ、対象は必ずしもモノでなくてもかまいません。
2.ポイントは「動作の向かう対象がある」ということです。
3.補足質問で挙げられた以下のOの例に、それぞれ共通点があるのがおわかりになりますか?
例:
○イスに座っている ×イスで座っている
○机に座っている ×机で座っている
○テーブルに座っている ×テーブルで座っている
○テレビに座っている ×テレビで座っている
これらのモノと動作の間には、「そのモノに向かって意志的な動作となっている」ということが挙げられます。
別の言い方をすれば、座るという動作が「向かう場所」が、それぞれ「いす」「机」「テーブル」「テレビ」となっており、その場所を「意志的に」選んで座ることでその場所をクローズアップさせているのです。
4.対象がモノに限らない、というのは、例えば「父の膝に座る」「馬の背中に座る」「蓮の葉の上に座る」など生物の例もあるからです。
5.この論理は補足質問にある到達点の例にもあてはまります。
例:
「家に入ります」
「山に登ります」
これらは、「家に」「山に」という対象に向かって、「入る」「上る」という自発的な動作をしています。これらの「に」も「動作が意志的に向かう対象」に対してつけられる格助詞となります。
ご質問2:
<?教室に座っている ○教室で座っている
?公園に座っている ○公園で座っている>
上記の解説から、これらの文で使われる「に」を上記の「到達」の用法と一緒にすると、違和感がある理由がおわかりになると思います。
1.違和感のある理由は、「教室」「公園」が、「座る」という動作の向かう具体的な対象にはならないからです。
2.「教室に座る」「公園に座る」といってもどこに腰掛けているのか明瞭ではありません。
3.ここでは「教室」「公園」という広い場所の中の、一定の箇所に「腰掛けている」ことになります。つまり、教室・公園はその「動作・状態が行われる場所」でしかないので、その用法に相当する格助詞「に」「で」が使われるのです。
4.従って、「教室に座っている」「公園に座っている」も間違いではありません。しかし、これらの「に」は到達を表す用法ではなく、「動作・状態が行われる場所」に使われる「に」となるのです。
ご質問3:
<○公園のベンチに座っている ○公園のベンチで座っている>
1.後者の「ベンチで座っている」は誤法で、前者が正しい用法です。
2.前者の「に」は質問1の「に」と同じく、「イスに座っている」の「に」、すなわち動作の到達点=「動作の向かう対象」を表す格助詞の用法になります。
3.ベンチが座るという動作の対象になる以上、広がりのある場所につく「で」は違和感があります。ベンチはあくまで座る対象としての物なので、「ベンチに座る」が正しい語法です。
4.ここが「ベンチで寝ている」なら使えます。理由は、ベンチは通常寝るという「動作の対象」にはならないからです。ここは偶然寝るという「動作が行われた場所」として格助詞「で」を使うのが一般的です。
この手の国文法は、受験レベルではありませんね。かなり深く国語を勉強されているとお見受けします。頑張ってさらに極められて下さい。
以上ご参考までに。
大変丁寧に、且つ詳細な解説をありがとうございます!
とてもよくわかりました。
特に「イス」と「公園」の違い!
そうですね。
対象は生物の場合もありますね!
気が付きませんでした!
本当に助かりました。
また何かの折りにはよろしくお願いいたします<(_ _)>
今後も精進に努めます(>_<ゞ
No.1
- 回答日時:
はじめまして。
ご質問1:
<瞬間動詞であることと移動動詞であることは両立するのでしょうか。>
両立します。
1.瞬間移動という言葉もあるくらいですから。
2.「移動」は「位置を変えること」「動き移ること」を意味します。
3.その動作が漸次的であれ瞬間的であれ、「位置が移る」という事実が存在すれば、それは「移動」になります。
ご質問2:
<「座る」は瞬間動詞とある文法書に記載がありましたが>
1.別の言い方をすれば「一時的動作」を表す動詞に相当します。
2.つまり、「座る」という動作は長時間に渡って少しずつ行う動作ではなく、瞬時に動作が完了するので「瞬間動詞」という言い方をするのです。
3.例えば「勉強する」というのも動作ですが、これは「恒常的動作」になります。
4.つまり、ある一定の時間、それが長・短時間に拘らず、勉強するという動作を続けることになるからです。
5.この手の動詞は「瞬間」に対し「継続動詞」「持続動詞」などと呼ばれます。
ご質問3:
<立つ→座る 上から下への移動ということで~移動動詞である>
そうとも言えます。
1.理由は、立っている姿勢から座ることで、顔の位置、頭の位置、目の位置などが移動するからです。
2.従ってその対義語である「立つ」もまた、「瞬間動詞」で「移動動詞」ということができます。
ご質問4:
<イスに座る イスに座っている の助詞「に」は意味が違うのでしょうか。>
基本は同じです。
1.理由は、ここでの助詞「に」は、いずれも「座る」という動作にかかっているからです。
2.Bの「座っている」を文法的に分解すると
座っ:「座る」の連用形の促音便
て:接続助詞で動詞の連用形につく
いる:動作・状態の進行・継続を表す補助動詞的な動詞
となります。
3.つまり、「椅子に」は、「座る」という動作の向う場所を表す修飾語(副詞)になります。
4.従って、この「に」は「動作・作用の及ぶ所、その帰着点を示す」用法になり、A・B共に、同じ用法になるのです。
5.ただ、Aは「座る」という「移動という動作」にポイントがあり、Bは「座っている」という「状態の継続」にポイントがあります。
そこから、前者の「に」は動的、後者は静的というニュアンスの違いがあります。
ご質問5:
<部屋に電気が点いています、庭に花が咲いています>
1.これらの「に」と、「~に座っている」の「に」は異なります。
2.理由は、動作が自発的でないからです。
3.「人が~に座っている」というのは、人が意志的・自発的に「座る」という動作をした結果としての状態です。
4.そのため、「~に座っている」の「に」は「(意志的な)動作の及ぶ帰着点」という解釈になります。
5.一方、ご質問の2文は、「電気がついている」「花が咲いている」という主語の無意志的な状態になります。これは、「電気」「花」という主語が、「部屋に」「庭に」という場所に向って意志的に「つく」「咲く」という動作をしたのではありません。
6.従って、これらの「に」はご質問にある分離で言えば
「状態が現れている場所」
の用法となり、「~に座っている」に見られる「動作の帰着点」「到達点」の用法とは異なるのです。
7.ただ、「~に座っている」の「に」とは、「静的」な用法という意味では同じニュアンスがあります。
8.しかし、あくまで「主語」と「述語」の間の関係に、「意志的な動作」があるのでれば、その場合の「に」は動作の帰着点となるのです。
9.他の例を挙げてもそのニュアンスがわかるでしょう。
例:
1.「意志的動作」(瞬間・移動などの動作動詞)→「動作の帰着点」:
「父に手紙を書く」
「父に手紙を書いている」
(1)いずれも「書く」という意志的な動作です。
(2)従って、この「に」はどちらも「動作の帰着点」を表す用法です。
1.「無意志的動作」(状態動詞・継続動詞)→「状態の現れる場所」:
「壁に絵がある」
「壁に絵が飾られている」
(1)いずれも「ある」「飾られている」という状態・受動を表す無意志的な状態です。
(2)従って、この「に」はどちらも「状態の現れる場所」を表す用法になります。
以上ご参考までに。
この回答への補足
早速の回答ありがとうございます!
いつもこのサイトで見ていたParismadamさんにコメントをいただいて
ドキドキしています!
とても分かり易い説明ありがとうございました。
実は外国人から
「どうして〈イスで座る〉は言わないのか」
と聞かれ困っていました。
『動作の場所』は『で』・・・教室で弁当を食べる、デパートで靴を買う
と問題集には載っているので、
「動作の場所だから〈イスで座る〉だ」
と言われてしまったのです。
瞬間動詞は
開く→開いた→開いている
知る→知った→知っている
結婚する→結婚した→結婚している
なので、同様の変化をする「座る」も『状態の場所』なのかなと思ったのです。
>Aは「座る」という「移動という動作」にポイントがあり、Bは「座っている」という「状態の継続」にポイントがあります。
『状態が現れている場所』と『状態の継続』では意味が違いますね。
わたしはごっちゃになってしまっていました。
『到達点』の例としては
・家に入ります
・山に登ります
が出ているのですが、少し意味が違うような気がしました。
分類が大雑把で全ての動詞に当てはまるものでもないですし・・・。
1.A:山田さん、どこにいる?
B:あそこに座ってるよ
2.A:山田さん、なにしてる?
B:あそこで座ってるよ
わたしは違和感がないのですが、文章から想定される質問が違うと
助詞まで変わるのでしょうか。
○イスに座っている ×イスで座っている
○机に座っている ×机で座っている
○テーブルに座っている ×テーブルで座っている
○テレビに座っている ×テレビで座っている
?教室に座っている ○教室で座っている
○教室で座っていてください
?公園に座っている ○公園で座っている
○公園のベンチに座っている ○公園のベンチで座っている
(↑誰かに教えている感じがします)
「座る」は対象がモノの場合は『に』、場所の場合は『で』かとも思ったのですが、
いかがでしょうか。
よろしくお願いします。
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