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先日、原田常治著「気温の周期と人間の歴史(1-2巻)」という本を読んだところ、著者らが実際に北回帰線(夏至のとき)及び南回帰線(冬至のとき)までいって、本当に太陽が真上に来るかを確認する実験を行った経過が書かれていました。
それによると、北回帰線の確認は1973年及び74年に台湾で行われ、地図上の北回帰線より北の台中で太陽が真上に来たとあります。また、南回帰線の確認は1973年にオーストラリアで、1974年にはブラジルで行われましたが、この時も南回帰線より北の地点で太陽が真上に来たとあります。著者は、書物の編集者で科学的な観測は素人であることを認めており、また、素人であるがゆえに分かりやく間違いの無い測定方法として、釣り竿に錘を吊るし、その影が真下以外に映らない地点に車で移動しその緯度を地図で確認すると言う方法をとっています(一般に行われている、ある地点からの太陽高度の角度計測に比べ測定誤差が少ない。車の移動距離は数十キロになるので、はっきり違いが分かる。また、太陽が真上にあるので大気差の誤差も無い)。観測結果に対する著者の考察には疑問が残りますが、この観測結果自体(回帰線が北にずれている(0.5度位か)→地軸の傾きがずれてきている?)はどう評価すべきなのでしょう。また、3箇所の回帰線標識があるところには、地元の人に確認したが専門家は今まで誰もきていないそうです。日本国内を含めて、世界では太陽のこうした実際の観測はどのように、またどの程度行われいるのでしょうか(例えば、理科年表等に発表されている数値は、単に計算で求めたものなのか、実際に観測しているのか)?よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

 


太陽高度の測定は、精密な時計、精密な地図、精密な「太陽高度測定器」で測定すれば、非常に精密な数字がでます。太陽高度測定装置などというものがあったかどうか、あったように記憶しますが、要するに、太陽観測用に特化した望遠鏡です。

垂直軸を錘などで決め、垂直に対する法平面に測定器が載るように水準器で、法平面を出します。東西南北の方位に正確に測定器を合わせて、太陽高度を測定し、その日付・時刻を記録します。別に、夏至、冬至の日に、南回帰線や北回帰線で測定する必要はありません。

もっと精度の高い測定は、天文台で、太陽高度を測定することでしょう。天文台の緯度や経度、測定日時が正確にわかっていれば、南回帰線や北回帰線の緯度を正確に計算で出すことができます。

地球は、完全な球形でなく、回転楕円形ですが、楕円の扁平率等は非常に精密に測定されています。従って、高度実測を元に、理論的に、南北回帰線の緯度を計算で出すことができます。この場合、「単に計算」ではなく、「実測測定」を元に、測定場所の緯度・経度、日時などを考慮に入れ、更に、地球の回転楕円体の形状も考慮に入れるので、この測定と計算で、狂いが出るとなると、従来の南北回帰線の緯度数字が違っていたことになります。

なお、理科年表の数字は、上のように、どこかの天文台での実測を元に、理論計算したものだと思えます。一つの天文台の測定ではないでしょう。世界中の天文台での測定に基づいて、整合性のある数字を示しているのだと思います(以前は、「宇宙物理量諸表 Astrophysical Quantities」という本のデータを、理科年表は使っていたはずですが、いまはどうか知りません)。

>この観測結果自体(回帰線が北にずれている(0.5度位か)→地軸の傾きがずれてきている?)はどう評価すべきなのでしょう。

測定エラーだと考えられます。もし地軸の傾きにずれが生じていたら、南北回帰線の緯度が、同じ数字で増えるか減るかするので、北の方角に一方的に減るというのはおかしいからです。「異常な歳差運動」が起こっているのかも知れませんが、もしそういう事態が起これば、世界中の天文台で、すぐに異常が検知できます。

「真上」というのを、錘で決定すると(先に、錘や水準器と言いながらおかしいですが)、異常重力のある場所では、正しく「真上=天頂点」を決定できません。また東西南北の方位は、磁石などだと、異常磁場のある場所では、狂って来ます。

正確な東西南北を確定するのに、かなり精密な測定が必要になります。見知らぬ土地に行って、測定して、どこまで精度があるか、疑問というべきです。

>また、3箇所の回帰線標識があるところには、地元の人に確認したが専門家は今まで誰もきていないそうです。

回帰線は、地球上を一周してあるので、標識のあるところで、測定しなければならないという理由はありませんし、回帰線緯度上で測定しなければならないということもありません。

>日本国内を含めて、世界では太陽のこうした実際の観測はどのように、またどの程度行われいるのでしょうか

太陽を専門に研究している研究者は世界中に存在し、彼らは、太陽を観測する訳で、観測する際、理論的に計算した、あるいはデータベースのなかに入っている太陽位置と違うところに太陽があると、すぐ気づくはずですから、相当頻繁に、太陽の位置確認は行われています。
 
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。測定エラーという事であれば一言もございません。むしろ誤差0.5度は素人の観測にしては上出来ということになるのでしょうね。回帰線標識は、地理における測量基点のようなものと思っていたのですが単なるオブジェに過ぎないのでしょうか。また、基本的な疑問になってしまいますが、そもそも地球が回転楕円体であることや、ある観測地点で、そこの重力異常や異常磁場があるということをどうやって観測するのか(地球の中心点を仮定し、それを原点とた座標系に対するズレとして認識するということでしょうか)、、、。疑問は尽きませぬ。

お礼日時:2003/02/23 02:30

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