5/3の会見で、WHOの田代委員が、下記のような発言をしていました。

a 「病原性が若干強くなる可能性は否定できないけれども、強毒型のウイルスに変化する可能性はまったくありません」

パンデミック・フルー情報最前線: 新型インフルエンザ WHO緊急委・田代委員「強毒型ウイルスに変化する可能性ない」
http://pandemic.seesaa.net/article/118554877.html

この発言はあまり報道されておらず、むしろ

b 秋にかけて強毒性に変異する可能性がある

c 現在の対応は強毒性を前提にしており、致死率から考えると弱毒性の対応に切り替えるべき

という議論がされているようですが、

aの発言は正しいのでしょうか。そしてあまり報道されていないのはなぜでしょうか?

bについてはこんなニュースもあります。

新型インフル、強毒性ウイルスへの変異も=WHO | ワールド | Reuters
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPA …

「WHOはインフルエンザウイルスは頻繁に変異する特性を持ち、どのように変異するかは予測不能なため「パンデミックが発生している間にウイルスが強毒性のものに変異する可能性は決して排除できない」と警告している。」

これは田代委員の発言が誤っていたと言うことでしょうか?

ちなみに同じ記事で

「1918年にパンデミックを引き起こし、数千万人が死亡したインフルエンザウイルスは、感染拡大の初期は弱毒性だったが、半年後に強毒性のものに変異し、世界中で猛威を振るった。1968年に感染が拡大した新型インフルエンザウイルスも、感染拡大初期は弱毒性だった。」

とあるのですが、強毒性の鳥インフルエンザウイルスの致死率は60%にもなるといいます。致死率2%のスペイン風邪は強毒性に変異したのでしょうか?

cについては

新型インフルエンザ対策行動計画,2005
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/kettei/09021 …

ここでは行動計画の前提を

「アジアインフルエンザ等を中等度(致死率0.53%)の場合」

としており、すでに弱毒性を前提とした対応になっているように思うのですが、何のことを言っているのでしょうか?今回の新型インフルエンザの致死率も0.4%程度のようですが、さらに想定される致死率を下げよう、ということでしょうか?

なんだか混乱してきましたので、お解りになる方に教えて頂きたく思います。

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A 回答 (5件)

 獣医師でウイルスに専門知識を有する者です。


 医者でも混乱するのは無理もない・・・と思うほど、最近は混同した記事が目立ちますね。きっと書いている記者や、時にはコメントしている"自称専門家"にも区別が付いていないのでしょう。

 インフルエンザウイルスの「高病原性」あるいは「強毒型」というのは、元々獣医学領域で定義された言葉です。もう少し正確な表現をすれば、「ウイルス学」には医学も獣医学もないのですが、このウイルスの場合「高病原性」が問題になるのは近年まで鶏だけでしたので、獣医学領域でのみ使われていた言葉だったわけです。
(ちなみに"高病原性"は"Highly Pathogenic"です)

 ま、日本語では"病原性"と"毒性"という言葉自体が明瞭に使い分けられていないので、言葉が混乱するのも致し方なし、なのでしょう。

 さて、以後、この「高病原性」を"強毒型"と言い換えます。

 この強毒型というのは、直接ウイルスの病原性を示す言葉ではありません。定義として、ウイルスを接種した鶏の75%以上を10日以内に殺す、というのがあるのですが、強毒型の条件はそれだけではないので。
 病原性云々ではなく、「ウイルスの型別分類の1つ」というくらいに捉えて頂いた方がまだ判りやすいと思います。

 つまり「強毒型」とは、端的に書くと「鶏の全身臓器に感染・増殖できるインフルエンザウイルス」ということになります。先ほどの感染実験成績の他にHA開裂部位のアミノ酸配列とトリプシン非添加条件での培養細胞で増殖すること、がありますが、この2つの条件は「全身臓器での増殖」を示唆する条件であるわけです。

 ですので、まず一点目として以下のように覚えて頂ければと思います。

1.「強毒型」とは全身臓器に感染可能なインフルエンザウイルスの"型"である

 ここからややこしくなります。
 この定義は「高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)」の定義です。分離されたウイルスの性状が上記であれば、HPAIになるわけです。
 この「全身感染型」と言う意味での「強毒型」に変異するのは、H5とH7の2つの亜型に限られます。
 ですから、日本ではこの2つの亜型に関しては、例え全身感染型でなくても無条件にHPAIとなります。つまり「低病原性の高病原性鳥インフルエンザ」という疾病があり得るわけです。今年の春、愛知で出たのもそのタイプでした。

 これに対し、スペイン風邪が強毒性に変異した、というような場合の「強毒性」は、単に病原性が強くなった、ということを意味します。
 ですから、「弱毒型」のまま強毒性に変異する、ということは普通にあり得るわけで、今回の新型について懸念されていることもそれです。

 というわけで、「強毒型」を全身感染型、「強毒性」を単に病原性が高くなったモノ、としましょう。ほんとはこういう定義付けを改めてちゃんとした方が良いと思うのですが、新聞記者はもちろん、医者などの"専門家筋"でもちゃんと理解していない人が大勢いるので、明確な定義付けは難しいでしょう。

 というわけで、元々鶏の疾病として定義づけられていた「高病原性」あるいは「強毒型」という言葉が、東南アジアで高病原性鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染するようになってから、ヒトの世界でも使われ出した、という経緯があります。
 肝心なのは、「全身感染型」と言っても、それは「鶏の話」なのであって、ヒトを始めとした他の動物種に感染した時にも必ず全身感染を起こすとは限らない、ということなんですが、それをきちんと解説した報道は皆無ですし、例えば東南アジアの鳥インフルエンザ感染者の何割が「全身感染」を起こしているのか、という情報も世には出ていませんね。
 この「HPAIウイルスが異種動物に感染した時にどうなるか」は、同じH5N1でも株によって異なります。例えば数年前に山口や京都で発生したHPAIは同じH5N1でもヒトに感染しても症状を示しませんでした。つまりヒトには「無病原型」だったわけです。

 さて、話をもっとややこしくします。

 上の「高病原性鳥インフルエンザ」の定義として、最初に「鶏の75%を10日以内に殺す」というのを書きましたが、お気づきかもしれませんがこの条件だけがウイルスの型云々ではなく、「病原性」で定義しているわけです。

 実際の定義はこの3つ(感染実験で鶏を殺す、HA開裂部位のアミノ酸配列、トリプシン非添加培養細胞での増殖)の並列ではなく、これが否定されたら次はこれ、みたいな複雑な過程を経て定義されるのですが、最初の「感染実験で鶏を殺す」のだけは、これさえ満たせば即「高病原性鳥インフルエンザ」が決定します。

 ややこしくなってきました。
 つまり、例え全身感染を起こせない「弱毒型」のウイルスであっても、鶏をバタバタ殺せば病名は「高病原性鳥インフルエンザ」となり、この鶏から分離されたウイルスは「高病原性鳥インフルエンザウイルス」すなわち「強毒型」と定義されるわけです。

 ということは、単に病原性が強くなったことを「強毒型に変異した」というのも、厳密に言えばあながち間違いとも言い切れないところがあるわけで・・・
 でも、これだと混乱する一方なので、定義づけは明瞭にした方が良いと思いますがね。

 よって、最後に話を簡単にすると、
1.「強毒型」とは全身感染型のインフルエンザウイルスのことである
2.「強毒性」とは単に致死率が高いインフルエンザウイルスのことである

 と整理すれば良いのではないかと。

 報道は相変わらず混乱してますが、記事を読みながら各自、そのように"脳内翻訳"して頂ければと思います。
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この回答へのお礼

希に見るパーフェクトなご回答で感動しました。

1 専門的かつ最新の状況を反映している
2 専門家でも混乱している領域についての明確な回答である
3 混乱の理由を明示している
4 一般人が理解すべき最低限の考え方について整理している

本当にありがとうございました。

お礼日時:2009/05/24 14:23

 No.4のJagar39です。



 農水省の「高病原性鳥インフルエンザに対する特定家畜伝染病防疫指針」の「留意事項」のリンクを張っておきます。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo …

 この3ページの
(2)ウイルスの性状判定-ア.病原性判定試験、でインフルエンザウイルスが「強毒性」か「弱毒性」を判定します。
 これはOIE(国際獣疫事務局)のマニュアルに従っているのですが、日本ではこのマニュアルで弱毒型と判定されたウイルスであっても、H5とH7の2亜型については「高病原性鳥インフルエンザ」と定義しています。

 ただ、最近は(2)の「赤血球凝集素たん白の結合ペプチドのアミノ酸配列」が重視されています(これは"HA開裂部位のアミノ酸配列"と同義)。というより、これの成績が最も早く出るものですから(他の試験は日数がかかるが、アミノ酸配列は1日あれば成績が出る)、結果的にこのアミノ酸配列で型別されることになるわけです。

 きちんと明文化された「強毒型」の定義は、このOIEマニュアルしかないと思います。
 ヒトではこの「鶏に高病原性のウイルスが、高病原性を保ったままでヒト型になると恐ろしい」ということが懸念されているわけです。

 繰り返しますが、鶏で高病原性だからといって、ヒトでどうかはまた別の話なんですけどね。

 こんなこと、ほんの一握りの専門家しか知りません。田代さんは正確に使い分けていますが、テレビに出てくる"自称専門家"の半分は混同していますし、ここまで正確に理解している人は獣医以外ではほとんどいないでしょう。
 無理もないのですが、まあこんな基本的なことも知らない人が「専門家」としてテレビで喋っているのを聞くと片腹痛いですが。
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この回答へのお礼

すみません、同じ方に2つ分の点を入れることはできないのですね。

お礼日時:2009/05/24 14:30

さらに追加で、恥ずかしい限り



インフルエンザは、強毒型と弱毒型という言葉もあり、強毒型は鶏において高病原性を意味し、弱毒型は鶏において低病原性を意味するようです。

つまり、鳥インフルエンザ(H5N1)は、強毒型(高病原性)の強毒性の病気であると考えられており、ブタインフルエンザは弱毒型(低病原性)の弱毒性の病気ですが、弱毒型(低病原性)の強毒性の病気に変わる可能性は否定できない、と言う意味です。

これも、正確に言えば豚インフルエンザが鶏に感染しないまま弱毒型でも、人においては高病原性になる可能性もあり云々....らしいのはもうやめにしておきます。

田代委員はしっかり使い分けていました....。
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この回答へのお礼

田代先生が間違えているとしたら・・・と思って不安になりましたが、ちゃんとわかっていらっしゃるのですね。安心しました。
申し訳ないのですが、獣医師の方のご回答がパーフェクトすぎるので、2つ分の点数を入れさせて頂きました。
でも、大変参考になる回答を頂き、ありがとうございました。

お礼日時:2009/05/24 14:25

すみません。

今知識の確認に調べてみたら、医学レベルでも混乱してました

pathogenicity(病原性):どこに感染するか
virulence(毒性):どのような重症度になるか

で、高毒性は本来「どの程度重症化するか」として使われるべき言葉です。

これが、ときどきNo1のように、呼吸器に広がる、全身に広がる、としても誤用されることがあるための混乱だと思われます。

今回のインフルエンザが高病原性になることはありません。毒性が変化することは十分あり得ます。田代委員も日本語訳を取り違えている可能性があります。強毒性にはならないが、高病原性になる可能性はある、と言っていますので。

恥ずかしい、自分も勘違いしてました。いい訳ですが、あるていど医学的な情報の中でも間違っていることがありますね....。
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強毒ー弱毒


病原性が高いー低い

このふたつが、報道レベルでも混同されているためです。

インフルエンザの強毒性、弱毒性の違いは
弱毒性:ウイルスが呼吸器系(気管、鼻、喉など)でしか増殖できない
強毒性:それに加え、消化管やその他の組織でも増えることができる

病原性は
高い:致死率が高い
弱い:致死率が低い

ということになります。スペイン風邪は、当初病原性が弱かったのですが、強いものに変わりました。呼吸器系でしか増殖しなくても、呼吸器系へのダメージが強ければ、人間は生きていられません。

弱毒性とよばれる、呼吸器系でしか増殖しないウイルスですら、あれほどの被害を出すことができたので、強毒性はどうなることやら、と恐れられているのです。
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強毒性、弱毒性と言っているようですが、毒性の「毒」とは具体的にどのような毒なのでしょうか?どのように体に作用するのでしょうか?O157だとベロ毒素と具体的に報じられていますがインフルエンザについてはあまり聞かないもので。

よろしくお願いします。

Aベストアンサー

 獣医師でウイルスに専門知識を有する者です。

 強毒や弱毒というのは病原性を表現する言葉ですが、「病原性」と「感染力」は同じではありません。感染力の弱い強毒ウイルスや感染力が強い強毒ウイルスといったものは普通にあり得ます。
 そこを間違うと、今回の新型インフルエンザについて弱毒型であるという報道を受けて「感染力が弱い」という大誤解をしかねないので注意して下さい。

 普通、弱毒や強毒という表現をする際は、単に発病率や症状の重篤性、致死率などで分けるのですが、インフルエンザの場合は少々難解です。

 インフルエンザの「毒性」はvirulenceではなく、pathogenicです。強毒型インフルエンザはhighly pathogenicです。そもそもvirulenceは通常"病原性"と訳します。"感染力"という意味合いはないと思うのですが・・・まあこれは別にどうでもいい話ですが。

 インフルエンザの「強毒型」とは、正確に定義を述べるとかなり複雑になるので簡単に書きますと、「鶏の全身臓器に感染するタイプ」ということになります。
 以下、もっと詳しく書きます。

 インフルエンザウイルスは、通常は気道と腸管粘膜でしか感染、増殖することができません。それはウイルスが細胞に感染するためにトリプシンという酵素が必要なためで、そのトリプシンは気道(鼻孔から気管支、気管等)か腸管内にしか存在しません。
 ですが、希にトリプシンなしでも細胞に感染可能な変異を起こすことがあり、この変異を遂げたインフルエンザウイルスは全身の臓器に感染して増殖することが可能になります。
 これを「高病原型」と定義しているわけです。高病原型と強毒型は同義です。

 肝心なのは、この定義は鶏のインフルエンザに対する定義だということです。
 現在のところ、「高病原変異」は鶏でしか起きたことが報告されていませんし、H5とH7の2つの亜型しか高病原変異したという報告がありません。

 ちなみにこの「高病原型」は、インフルエンザウイルスの遺伝子のどの部位がどのように変異すればそうなるのか、詳細に判っています。
 そして高病原変異を起こすのはH5とH7だけなので、鳥インフルエンザについては国際的な基準では実際に高い病原性を示さないと「高病原性鳥インフルエンザ」とは定義しないのですが(感染実験をして75%以上の致死率が基準です)、日本ではH5とH7の2つの亜型については無条件に「高病原性鳥インフルエンザ」と定義しています。
 ですから、「低病原型(弱毒型)の高病原性鳥インフルエンザ」というような、一見不思議な言葉が存在するわけです。今年の春に愛知県で出たウズラのインフルエンザがそうでしたね。

 この言葉がなぜヒトの世界の方で盛んに聞かれるようになったのかというと、近年インドネシアやベトナム等の東南アジアで"高病原性鳥インフルエンザ"が蔓延しており、その"強毒型"のウイルスがヒトに感染して既に300人近い方が亡くなっている、ということがあるからです。
 このアジアの鳥インフルエンザ感染では、致死率は60%近く極めて強い病原性を持っていますが、ヒト→ヒト感染はまだほとんど起きておらず「感染力はほとんどない」状態です。鶏→ヒトの感染力もそれほど強くありません。もし強ければ今頃何千人という人が犠牲になっているでしょう。

 で、このアジアの鳥インフルエンザ感染で亡くなった人々ですが、さすがにそこまで詳しくないのですが、今まで伝え聞いたところによると必ずしも「全身感染」していたということはないようです。あくまで重篤な呼吸器症で亡くなっていると読めます。
 鶏で強毒性(全身感染性)を持っているウイルスでも、ヒトや他の動物種に感染したときにどうなるかは、また別の話、というわけです。

 もうひとつ例を挙げると、つい昨日ですが、インドネシアで豚からH5N1ウイルスが検出されたというニュースがありました。400頭あまりの調査をしたところ、1割以上の豚からH5N1が分離されたということです。
 このH5N1は紛れもない「高病原型」のウイルスなのですが、豚に対しては「調べて判った」ということなので、おそらく致死率の高い病気は起こしていなかったのでしょう。鶏に対しては全身感染性を持つ強毒型のウイルスでも、豚に対しては全身感染は起こしていない可能性が高いです(詳報を得ないと断言はできませんが)。

 ということなので、インフルエンザウイルスに限っては「強毒型」とは、「鶏の全身臓器に感染性を持つウイルス」という定義です。この「鶏の」が肝心な点です。

 むろん、鶏に対して強毒型(全身感染型)のウイルスがヒトで流行した際にも強毒型(全身感染型)である可能性もあるわけで、それが最も恐れられているわけです。

 念を押しますが、これまでH5とH7以外に「強毒型」を示したウイルスは見つかっていません。これからも絶対にH5とH7以外は強毒型に変異しないという保証もないのですが、今回のH1N1が弱毒型なのは言わば"当たり前"の話で、これから強毒型に変異する可能性もまずないと思います。強毒変異すれば世界中のウイルス学者がひっくり返って驚くでしょう。
 もちろんスペイン風邪も、アジア風邪も香港風邪も、全て弱毒型で誰も異論は唱えていません。遺伝子の塩基配列も確定して、紛れもない弱毒型だったことが判っています。

 ですが、スペイン風邪も弱毒型で1000万人の方が亡くなっているわけですから、ことインフルエンザに関しては、ウイルスの型の分類である「弱毒型」あるいは「強毒型」と、ヒトに対する病原性の強さは別の話です。東南アジアで問題になっている以外の高病原性鳥インフルエンザの発生例でヒトに感染した事例はいくつかあるのですが、軽い呼吸器症で終わった事例や結膜炎程度で済んだ事例、あるいは抗体検査によって感染が判明したものの、まったく無症状だった事例も多くあります。

 というわけで、インフルエンザに関してはとりあえず「強毒型」や「弱毒型」という表現と、ウイルスのヒトに対する病原性は無関係、と覚えて下さい。
 それはつまり、今回の"メキシコ風邪"のウイルスが弱毒型であったとしても、それで安心するわけにはいかない、ということでもあります。

 もうひとつ。
 「感染力」については、通常「どのくらいのウイルス量で感染が成立するのか」という数値で識別されます。
 少ないウイルス量で感染が成立するウイルスは、「感染力が強い」と言います。
 むろんそれは、「患者がどのくらいの量のウイルスを排泄するか」という数値にも関係してくるわけです。ウイルス100個で感染が成立するウイルスでも、患者が10個くらいのウイルスしか排泄しないのであれば、現実問題として「この疾病は感染力が弱い」ということになりますし、感染にウイルス100万個が必要でも、患者が普通に10億個のウイルスを排泄するのであれば、「極めて感染力が強いウイルス」ということになります。

 別に法則があるわけではないのですが、ごく一般的には、病原性が強いウイルスほど感染力は弱いです。というより、病原性も感染力も強いウイルスが存在すれば、人類はとっくに滅亡しているでしょ、という話なのですが・・・

 というわけで、「感染力と病原性は別」ということも記憶しておいてください。

 獣医師でウイルスに専門知識を有する者です。

 強毒や弱毒というのは病原性を表現する言葉ですが、「病原性」と「感染力」は同じではありません。感染力の弱い強毒ウイルスや感染力が強い強毒ウイルスといったものは普通にあり得ます。
 そこを間違うと、今回の新型インフルエンザについて弱毒型であるという報道を受けて「感染力が弱い」という大誤解をしかねないので注意して下さい。

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Q20年、30年前もこんな風にインフルって大流行しましたっけ?

20年、30年前もこんな風にインフルって大流行しましたっけ?

Aベストアンサー

>子供の頃インフルの予防接種とかインフルに罹った記憶がないのですが忘れてるのでしょうか?

予防接種の記憶については、
インフルエンザの予防接種は60年代以降、ほぼすべての児童に対して行われており、
当時は年間2000万人ほど予防接種を受けていました。
ただ、80年代後半にその効果に疑義を唱える学説が発表されかなり広まった結果、94年以降は任意接種に切り替わりましたので、注射を受ける児童がかなり減ったのです。
あなたの子供時代がこれに被るのであれば、いつの時点からか予防接種を受けないという判断を親御さんがしたのでしょうね。

罹った記憶については、運良くかからずに過ごせたということなのでしょう。
私も小学生の頃以来罹っていませんが、予防接種をしていない期間もかなりあります。
(ここ10年ほどは仕事のために受けるようにしてますけど、高校に入った辺りから長い間受けませんでした)


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