アルミ電解コンデンサを使用する回路で、1年程度で複数台、故障が発生しました。
故障したアルミ電解コンデンサを外してコンデンサの両極間の電圧を測定すると、負極を基準として正極に-0.2V位の電圧が観測されました。
両極を短絡してしばらく放置したのちに再測定してもやはり同様の結果となりました。
使用しているコンデンサの定格は220uF/6.3V、85℃2000h品です。
使用条件は、印加電圧0.7V、電圧印加時間は8時間/日、アルミ電解のケース温度は約50℃で、リップル電流はほとんどありません。
アルミ電解コンデンサの故障モードとして、このような状況はあるのでしょうか?
また、どのようなメカニズムで正極に負電圧が起電されるのでしょうか。
ご教示いただけますよう、よろしくお願いいたします。
A 回答 (7件)
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No.7
- 回答日時:
印可電圧0.7Vで、何に使うのですか。
「ケース温度は約50℃」から考えて、極性を間違えて加熱したと考えられます。コンデンサ自体の極性は取り付け間違いは無いとしても、元々の設計間違いとか、ダイオードなどの周辺部品の間違いで逆電圧を掛けているんじゃないですか。
No.6
- 回答日時:
誘電体吸収については,ここに波形付きで解説されています.
http://210.155.219.234/Absorption.htm
逆電圧が観測されるのは,動作中に逆電圧が印加される以外考えられません.
アルミ電解の故障は,最大定格(温度,電圧,リップル電流)を遙かに超えた使用条件以外では,今までお目にかかったことがありません(製造上の理由による,昔の銅イオン析出でショートとか,4級塩による液漏れ事故を除く).
従って,逆電圧印加とゆうのが最も考えられる原因ですが,メーカーに解析以来してみたらどうでしょう?
No.5
- 回答日時:
寿命末期の状態で、どの様なメカニズムでコンデンサに起電力が生じるのでしょうか?
>さまざまなケースがあると思います。
例えば、落雷などのように急激に電解コンデンサーそのものに過剰な電圧や電流が加わった場合などには、電解コンデンサーそのもののアルミ箔に電位が過剰に蓄積されてしまい、その電位を自然放電させている状態にもなる事があります。
(それも部品不良の1つです)
あとは、通常の状態でも、数倍もの過剰電圧や過剰電流が電解コンデンサーに加えられた時には電解コンデンサーそのものがパンクをする場合もあります。
自然故障で、電解コンデンサーそのものの品質不良ではない場合に限定をして考えますと、その回路に異常な電圧や電流が加わっている可能性が高いと思います、又、周辺回路のトランジスターなどが故障をしている可能性なども考えられると思います。
電解コンデンサーの部品そのものは、蓄電能力を持っている部品ですので、過電流や過電圧を加えると、アルミ箔そのものがその電流や電圧には耐えきれなくなり、おそらくは誘導してしまうものと思います。
そのアルミ箔の誘導は、どのようになるのか?
それは、私も自分の目で見たことはありませんので、専門的な物理学の世界になってしまうと思います。
No.4
- 回答日時:
負極を基準として正極に-0.2V位の電圧が観測されたのは,長時間逆電圧が印加されてアルミ箔が再化成されたんでしょう.
アルミ電解は誘電体吸収が大きくて,放置すれば印加されていた極性の電圧を発生することがよくあります.
対策としては,このような両極性のアルミ電解を使用することです.
http://www.chemi-con.co.jp/catalog/pdf/al-j/al-s …
なお,アルミ電解の専門書は世界中でこれしかなく,専門家なら持っているからより詳しいことは入手してよく読み,質問されるとエエんじゃないでしょうか?
http://www.kawatake.co.jp/80topics/80topics1J.htm
No.1
- 回答日時:
故障したアルミ電解コンデンサを外してコンデンサの両極間の電圧を測定すると、負極を基準として正極に-0.2V位の電圧が観測されました。
>電解コンデンサーの不良を判定するのは通常は電圧の測定ではなくて容量の測定で行います。(μFの測定です)
微弱な電圧が残ってしまうのは、コンデンサーそのものの蓄電能力の影響だと思います。
その事だけで不良だとの判定は全く出来ません。
電解コンデンサーの不良の多くは、経年劣化による容量抜けか+-の電極のショートが多いです。
ショートの場合はテスタの抵抗レンジでもわかるのですが、電圧レンジで順方向にテスタ棒をあてて測定をしたときにデジタルのテスタだとマイナスの表示になるとその電解コンデンサーはあやしいです、そして、逆方向にテスタ棒をあてた時にもマイナスの表示にはならない場合にはやはりあやしいと言えると思います。
220μFの容量が時間とともに低下してくるのが普通です、この使える時間が長ければ長いほど、電解コンデンサーの価格も高くなっており、それだけ高品質だとも言えます。
あとは、温度補償で簡単に判断をする事も出来ます、通常の温度補償は85℃のものが多いのですが、105℃や120℃までの温度補償がスペックになっているものもあります、もちろん、温度補償が高ければ高いほどに高品質で価格も高くなります。
国産品だとニッケミなどが多く使われておりますが、SMG→KME→GXEなどで品質や規格そのものに違いがあります、ちなみに、韓国産の電解コンデンサーも最近では多く使われておりますが、どれも、国産品よりも品質が悪く短命の傾向が見られます。
仮に+5Vの回路などに220μFの電解コンデンサーで電圧が6.3Vのスペックのものが使われているとしたら?
それは、設計不良または、かなり無理をした回路設計になっています。
通常の場合、負荷電圧の約2倍の電圧規格の電解コンデンサーを使うような方法が回路設計では普通なのですが、スペースやコストの問題があり、それをあえて低価格なものに代用してしまうケースも最近では多いのです、その回路の電圧が3V以下であれば良いのですが、もともとが5Vの回路に6.3Vの電解コンデンサーを使っているのであれば?
それは当然ながら短命になる事が考えられます。
又、通常では10Vの電圧規格のものを使いたい場合などでも、スペース的な問題で短命を把握しながらでもギリギリの6.3Vの規格のものを使う場合もあります。
電解コンデンサーの+-のショートは、電解コンデンサーのアルミ箔の表と裏に+と-の電極が背中合わせで接合されているだけのものです、そのアルミ箔のまわりを絶縁性のシートでショートしないように覆っているだけの構造です、そのシートが劣化したり、微妙に接触してもショート状態になります、電圧も誘導してしまう場合があると思います。
詳細な説明、ありがとうございます。
アルミ電解コンデンサの寿命末期の状態としては、
「容量抜けからやがてオープン状態になって終了する」
との認識で、正極と負極の間には電解紙があるので、正常品の故障モードとしてショート状態というのは極めて希であると思っておりました。
「電圧レンジで順方向にテスタ棒をあてて測定をしたときにデジタルのテスタだとマイナスの表示になるとその電解コンデンサーはあやしいです、そして、逆方向にテスタ棒をあてた時にもマイナスの表示にはならない場合にはやはりあやしいと言えると思います。」
今回、まさにこの症状で、デジタルテスタやデジタルオシロで測定すると負極を基準にして正極に-0.2V位の電圧が測定されます。
寿命末期の状態で、どの様なメカニズムでコンデンサに起電力が生じるのでしょうか?
ご教示いただければ幸いです。
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