
古文書の文字ですが、当時の人はちゃんと読めたのでしょうか?
「お宝拝見」 が好きでよく見ているのですが、たまに平安時代や戦国~江戸時代の古文書が登場しますよね。
その中に書かれている文章なのですが、当然、全て手書きの文字です。
ところが、よほどの専門家でない限り、現代人が読もうとしても一体何が書かれているのか、サッパリ分からないはずです。
漢字は崩しているし、おまけに今のように一文字一文字離して書くのではなく、次の文字と続いているケースが多いです。
当然、今と同じように字が上手な人もいれば、程度の差はあっても悪筆な人もいたはずです。 教養のある人の全員が達筆だったという事はなかったと思います。
という事で質問ですが、例えば手紙を受け取った当時の人が、「さて? 一体これは何と書いているのだろうか? ミミズがのたくったような字なので、サッパリ意味が分からないよ!」 というトラブルって無かったのでしょうか?
あるいは 「キッタネエ字だなあ、マッタク! 誰か、何が書いているか読める人、いない?」 というような事って、現実にはあったのでしょうか?
当然の事ですが、この質問は当時、文字を識別できる人が対象です。
古文書を見るたびに疑問に感じていますので、宜しくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
戦国武将には、いわゆる秘書がいましてね。
お手紙はその秘書の人たちが書いて、最後に本人がそれにサインをするのです。その秘書の人たちを「右筆(ゆうひつ)」といい、サインのことを「花押(かおう)」といいます。
織田信長の生涯を書いた「信長公記」の著者である太田牛一は信長の右筆だったといわれています。
また、花押で有名なのが伊達政宗のセキレイの花押で、大崎一揆を扇動した証拠として政宗の花押入りの手紙が出てきてしまうんですね。普通だったら逃れられないのですが、政宗は「その花押はニセモノです。本物の私の花押はセキレイの目に針で穴を開けているが、その花押には穴がない」と言い逃れて、なんとそれが通って命拾いしています(本当に穴があったとも、政宗の機転と度胸に感心した秀吉が「確かにこっちにはあるな」と腹芸を見せたともいわれています。個人的には、後者の説をとりたいですね)。
右筆にはかなり好みが出るみたいで、秀吉の手紙を見るとやはり京風というか、字体は繊細で美しいです。一方、信玄や謙信の手紙はかなり力強い男らしい字体で、その武将の好みが読み取れます。
勝海舟など、やはり歴史に残る有名人には達筆な人が多いですね。悪筆なのが坂本龍馬で、私が知る限り歴史に名を残す人で一番字が汚いです・笑。現代人の我々が見てもひどい・笑。しかも誤字だらけで、口語体で書かれています。明治時代に夏目漱石らが「言文一致体」と「喋り言葉(口語)と書き言葉(文語)を統一しよう」という活動をし始めて現代に至るのですが、それまでは手紙などの書き言葉は別の書き方をしていました。武士の「~にて候(そうろう)」なんていう候文が有名ですね。
未来の人々も、ギャル文字を見て翻訳に四苦八苦するのでしょうね・笑。あるいは、ギャル文字が「正しい日本語」になるかも。
有難うございました。
なるほど、悪筆の武将には右筆という秘書が代筆していたのですね。初めて知りました。
でも、坂本龍馬は悪筆だったというのも興味深いです。
先日の事ですが、「お宝拝見」という番組で坂本龍馬が姉に宛てた手紙が紹介されていて、鑑定士の人が「これは○○という内容です」と解説していましたが、どんな悪筆でも専門家は解読できるようですね。
No.4
- 回答日時:
古文書が読めるようになりたいと願っている者です。
(古文書の初心者です)江戸時代は契約社会でした。売買や借金などあらゆることに証文がついてまわります。証文(つまり文字)が書けなければ日常生活が出来なかったと言っていいでしょう。武士や大商人だけでなく、ごく普通の農民でもこのような文書は読み書きができたようです。
そのためあちこちに寺子屋があって子供たちに読み書きと日常生活に必要な計算を教えていました。
ひとつ面白いのは、どうも書き言葉には”方言”がないようです。おそらく幕府が全国に通達する場合、江戸で書記(正しい職名は知りません)が書き写したものが各地に行くわけで、書き方、くずし方も含めて共通化されたのではないかと思います。
字のうまい、へたで読みにくいものはあったでしょう。しかしくずし方の要点は押えてあるはずですから、全くチンプンカンプンということはなかったと思います。特に常用句は1~2文字わかれば推定できるし、ここを間違えても文書全体が意味不明になることはないでしょう。ですが、固有名詞のようにあまり使わない文字や、初めての文字には苦労したかもしれません。
毛筆体では非常によく似た文字になるものもあります。年と手、馬と高、次と頭、東と車などはまず識別できません。前後の関係から判断します。さらに古文書では誤字、当て字は当たり前。声に出して読んで初めて意味がわかることも。
ですが実際に古文書に接してみて感じたのですが意外に読めるものです。
有難うございました。
実際に古文書を研究されている方から回答を頂き、感謝します。
毛筆体ではよく似た文字になるものがあって、識別はまず不可能なのですね。 初めて知りました。
この場合は前後の関係から判断するわけですね。
でも、もしその判断が間違ったとすれば ・・・ こんな疑問がまた生じてきました。多分、実際にはそんなケースもあったでしょうね。
古文書では誤字、当て字が当り前だったというのも興味深いですねえ。
今とは全然違う世界だったのでしょうね。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
私は、自称「歴史作家」です。
>>当然の事ですが、この質問は当時、文字を識別できる人が対象です。
「江戸」を例にとってお話しいたしましょう。
(1)大江戸の最盛期(元禄年間)頃では、庶民は50万人、武士は軍事上の秘密から、公表はされていませんが、町割り図などから推し量って、同じく50万人位で、合わせて100万人の大都市でした。
(2)幕末近くにアメリカやイギリスなど諸国の異人が日本に上陸しましたが、彼らは一様に、
「日本人の85%が読み書きできる」
と、驚嘆の手紙を本国に送っています。
(3)ちなみに、同時代のイギリスでは教育普及率20%、フランスにいたっては1.4%だつたと言われています。
(4)ですから、江戸では「御伽草子」などの貸本が流行しましたし、「瓦版」も発行され、ほとんどの人が文字の読み書きができたのです。
(5)また、これは地方(田舎)などでもそうですが、「~禁止令」などが出された時は、「札の辻」に高札が立てられました。これも、大方の人が読めました。
(6)そこには、富める者も貧しい人たちも、幼い頃から「寺子屋」で学ばせるという、日本人の風習(文化)があったのです。そして、寺子屋も、現代の塾のように「ボッタクリ商法」ではなく、月謝は「銭」の子もいれば、自宅で採れた大根だったり、人参だったりと、許容したからです。
(7)従って、江戸で書かれた手紙であっても、田舎に届いて大部分の人が読み、そして、返事を書くことができたのです。
有難うございました。
江戸時代の識字率って、そんなに高かったのですか ・・・
よく時代劇などで、高札の周りでガヤガヤと町民たちが噂話をしていたり、瓦版を手にとって読むシーンがありますが、あながち嘘ではないようですね。
考えてみたのですが、たしかに江戸などの大都市では寺子屋があって文字を教える施設があったと思いますが、例えば農村地帯の人たちは、実際はどうだったのでしょうね?
イメージとしては、仮にそういった施設があったとしても、経済的に年貢を納めるだけだし精一杯だし、それに子供たちも労働力として考えられていたために、そんな時間的余裕も無かったような気がします。
ただ、それでも、お庄屋さんやお寺の和尚さんは文字が読めたでしょうし、もし手紙が届いた時にはそういった人に代読・代筆してもらっていたような気もしますね。
有難うございました。
No.1
- 回答日時:
現代の教育は活字(楷書)を基本とした教育ですので、
楷書⇒行書⇒草書
の順で教えています。
楷書=公家文字
行書=庶民文字
草書=武家文字
ですので、江戸時代の侍は草書で教育されます。現代の我々は草書を見て「うわぁ、読みづらい」と思うの同様に当時のお武家さんは楷書を見て「うわぁ、読みづらい」なのです。楷書の読める武家は少なく、淀藩など公家と近い関係にあった方々のみ読めたようです。
草書は見慣れてくるとだいたい読めますよ。時々、解読不能なのがありますが…
有難うございました。
なるほど、草書も慣れるとスラスラ読めるわけなのですね。
ただ、もし当時の武家が行書なり楷書で書かれた手紙を受け取った場合、実際に「???」となったのでしょうか?
もうひとつ、よく有名な武将の手紙が「お宝拝見」に出ますが、彼らは全員、草書の達筆家だったのでしょうか? あるいは、とても悪筆で「これは読めないなあ」とされた武将はいたのでしょうか?
あるいは、9割は読めたけれど、後の1割は判読不能となった場合、手紙を受け取った武将はどうしていたのでしょうか? 折り返し返事を出して、「あの部分は何と書いたのですか? もう一度お願いします」と質問したとは思えないのですが、実際どうだったのでしょうか。
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