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抵当権侵害に対する709条の損害賠償請求について、「競売により弁済不足額が判明していなくても弁済期以後であれば抵当権の実行が可能であるから損害賠償請求権の行使時の目的物の時価を基準にして損害額を確定し、これをなしうる」とあるのですが、この意味がよくわかりません。。
教えていただける方よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

 まず、「抵当権の侵害」と「抵当権の損害」の意味を整理なさって下さい。



【抵当権の侵害】
 侵害と言えるためには、目的物の価値の減少があれば足り、残存する目的物の交換価値が被担保債権を下回ることを要しない。
★例えば抵当権を設定した土地に不法占有者がいた場合、当該不法占有者がいることによるこの土地の交換価値が、担保設定額(金銭消費貸借の元本)を下回っていなくても、抵当権の侵害として、抵当権者(担保権者、お金を貸した人)は妨害排除請求が出来ますよ~(但し、もう少し細かい条件あり)って意味です。

【抵当権の損害】
 損害が発生したといえるためには、侵害により目的物の価値が減少して、被担保債権の満足が得られなくなったことを要する。
★上記事例において、抵当権の侵害の度合が著しく、当該土地の交換価値が担保設定額を下回ると、『損害』と言えますよ~って意味です。

 さて、「競売により弁済不足額が判明していなくても弁済期以後であれば抵当権の実行が可能であるから損害賠償請求権の行使時の目的物の時価を基準にして損害額を確定し、これをなしうる。」(大判昭7.5.27)ですが、これは『抵当権の実行前でも被担保債権の弁済期以後であれば、損害額を確定できるから損害賠償請求が可能ですよ。』ってことです。

 競売の売却基準価額は不動産鑑定士によって鑑定評価がなされますが、市場性減価として時価の7割程度にされることが通常です。これは、抵当権の実行によって裁判所から依頼された不動産鑑定士が行います。

 ここからは私のイメージですが、被担保債権の弁済期(借金を返すべきとき)以後であれば、鑑定評価額によって損害の程度がわかる、ということだと思います。つまり、個人的に不動産鑑定士に依頼して売却基準価額相当額を試算してもらい、それで損害の判断が出来るということです。
 例えば、被担保債権20,000千円に対して当該鑑定評価額が15,000千円であれば5,000千円の損害があるとして、抵当権の実行(競売の申立)を行わなくても損害賠償請求ができる、ということだと思います。
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この回答へのお礼

遅くなって申し訳ありません!

とってもわかりやすくて目から鱗でした!!
競売について初めて具体的なイメージを持つことができました。

大変詳しいご説明ありがとうございました!

お礼日時:2011/02/21 10:10

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