債権の更改を勉強している者です。
宅建の教科書より、
「給付」及び、「授受しようというように」と言う言葉の意味がわかりません。
以下の"・"から始まる文章が、宅建の教科書より引用。
・「更改」とは、債務の要素である 債権者、債務者、債務の目的物のいずれかを変更して、旧債務を消滅させ、同時に新債務を生じさせる契約のことである。
と、ここまでは理解できます。
以下2つの文章が示す意味がわかりません。
・1000万円の支払い債務を、それ相当の土地の給付に変えるという点では、代物弁済に似ている。
・代物弁済は代わりの弁済が現実に行われるのに対して、更改は、他の代わりの物を授受しようというように、その内容を変えた新債権が成立するにとどまるものである。
給付の授受の定義を調べましたら、
「給付(きゅうふ)とは、債権の目的となっている債務者の作為、不作為をいい、相手方の給付を反対給付という。一般に弁済のためになされる。」
と記載がありました。
ちなみに、作為は、積極的な動作。不作為は、やるべき行為を行わないこと。 の意を指します。
給付に変えるという事は、それ相当の土地の債権の目的となっている債務者の作為、不作為に変えるという意味になると思いますが、この言葉の定義を当てはめようとすると、文章の繋がりとして、私は理解ができません。
授受は、受け渡しという意味ですが、「授受しようというように」という状態は、どうゆう状態なのでしょうか。これから授受を行う為の準備をしていると言うことでしょうか?
そう考えると、結果的に、授受をしてしまったら代物弁済と同じ事だと思いますが認識はあっていますでしょうか?
また、これから授受を行う為の準備をしていると言うことが、
「更改」を行うトリガーに該当するのであるという認識でよいでしょうか。
ご回答の程、宜しくお願いいたします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
民法の条文をお手元の『六法』やネットで見つけてください。
474条から520条までの大見出しを抽出すると、
第五節 債権の消滅
第一款 弁済 (回答者注:「弁済」と「代物弁済(482条)」双方含む)
第二款 相殺
第三款 更改
第四款 免除
第五款 混同
に、なっているのが解るかと思います。
つまり、民法は「債権の消滅原因」という観点から
5つ(代物弁済を別に数えれば6つ)の類型を想定しており、
宅建に受かるにはこれらの大まかなトコロを
習得する必要があります。
これらの6つの消滅原因について、
「当事者にどのような具体的な行為があれば、効果(債権の消滅)が発生するのか」
という観点から整理すると、
●事実の発生によるもの
・弁済(明文はない、と思う)
・代物弁済(482条「他の給付をしたとき」)
・混同(520条「同一人に帰属したとき」)
●当事者の一方の意思表示によるもの
・相殺(506条1項「当事者の一方から相手方に対する意思表示によって」)
・免除(519条「意思を表示したとき」)
●当事者双方の意思表示の一致によるもの
・更改(513条1項「契約をしたとき」)
ということになるかと思われます。
以上を前提に、ご質問の中身に入りますと、
>これから授受を行う為の準備をしていると言うことでしょうか?
については、大まかに言えば問題はないと言えますが、
厳密に言うと「準備をしている」というのはアイマイな言い方であり、
更改という「契約」は、「旧債務を消滅させ、それに替えた新債務を発生させる
明確な当事者双方の合意」ということになります。
また、
>結果的に、授受をしてしまったら代物弁済と同じ事だと思いますが
>認識はあっていますでしょうか?
というのは良い着眼点と思いますが、結論的にはバツです。
ひとまず更改と代物弁済はまったく違う事柄と理解して
おかれるのが良いと思います。
※宅建民法のレベルを(たぶん)超えることを言うと、
更改は旧債務・新債務の同一性がないと考えられていることから、
旧債務上の担保権の消滅など、債権者の合理的意思に反する事態も多く、
その認定は抑制的に考えられています。
不動産の実務やあるいは別の資格試験のためには、
上級編の民法の勉強をすることはとても良いことですが、
秋の試験に向けては、解らないところは受かってから考えればよいこと
だと思います。
「上級編の民法」では、更に詳しいことが書いてあるのですね。φ(..)メモメモ
kumahigecoffeeさんの言うとおり、宅建資格を取得する事が目的ですので、
宅建レベルの理解を進める事にします。
解答どうもありがとうございましたm(_ _)m
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