
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
普通、沸点が異なる2種類の液体の混合物を蒸留すると留出物は
低沸点成分が富んだものに、釜残は高沸点成分が富んだものに
なります。そのために2種類の液体の分離が可能なわけです。
しかし、96%エタノールを蒸留すると留出物も96%エタノール
になります(このように留出物ともとの組成が変わらなくなる混合物を
共沸混合物といいます)。このため、これ以上、蒸留しても分離は
不可能です。
このようになるのは、少量の水がエタノールに混ざることで分子間の
水素結合が乱れて弱くなり蒸発しやすくなると思えばいいでしょう。
そして4%以上の水が混入すると今度は水同士の水素結合が効いてくるので
かえって蒸発しにくくなってきます。そのため96%でもっとも蒸発
しやすい組成になっており、このような結果になる訳です。
96%以上の純度のものを得る方法は、工業的には96%エタノールに
ベンゼンを加えて蒸留する方法があります。この場合ベンゼンと水が
優先的に留出していき、釜残が新しい3成分の共沸混合物になるまで
純度を上げることができます。
ここでの釜残のエタノールの純度は99%程度になります。
(もっとも現在ではベンゼンの使用は嫌われているので、この方法で作っている
かは分かりませんが。)
実験室で行うにはマグネシウムや水素化カルシウムを乾燥剤として蒸留する
か、モレキュラーシーブス3Aを加えて乾燥するのが良いと思われます。
No.2
- 回答日時:
私の研究室では100%エタノールを作るのに
モレキュラーシーブというものを用いて脱水しています。
No.1
- 回答日時:
エタノールを蒸留すると水との共沸混合物で流出されるためです。
蒸留する前に金属ナトリウム等で脱水操作をして蒸留しても完全に脱水できません。
さらに、純度を上げるためには以下の参考URLサイトが参考になりますでしょうか?
最近注目されているのはPV(膜蒸留)です。
ご参考まで。
参考URL:http://www.kanagawa-iri.go.jp/ssknews/232e.htm
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