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60歳を過ぎて老いを感じ始めたAは、これまで畑として使用してきた甲地を売却する決意をし、Bとの間で甲地の売買契約を締結した。契約の内容は、契約締結と同時にBがその代金500万円を支払うが、甲地の引渡しは現在の作物の収穫が完了するはずの当該契約締結の1ヶ月後とし、実際直ちにBはAに対して代金500万円を支払った。
ところがその後しばらくして、AはCからその甲地を1000万円で買い取りたいとの話を持ちかけられ、老後の生活資金に不安を感じていたAは、お金の誘惑に勝てずについその話を承諾してしまった。その後AとCとの間で甲地についての売買契約が実際に締結され、AはCから手付として200万円を受け取り、さっそく甲地登記簿の所有者名義をAからCに書き換える手続きを行った。
そのような事情を知らないでBが、予定通り甲地の引渡しを受けたものと信じて甲地を耕し野菜の苗を植え始めたところ、Cから、直ちに作業をやめて元の状態に戻したうえ甲地を明け渡すように要求された。
この場合、Cからの甲地明け渡しの要求にBは従わなければならないかどうかを詳しく説明しなさい、についてどのように説明したらいいか解りません。お手数ですがお力をお貸しください。宜しくお願いします。

A 回答 (1件)

回答の1例です。

考察の参考にして下さい(なお、農地法の問題は除外します)。

 Cの請求の根拠は、甲地の所有権に基づく土地明渡請求権である。そこで、甲土地の所有権がCに存するのかが問題になる。

 甲地は先にAからBに売買されているので、甲地の所有権はAに移転しているか。売買契約(民法555条)は、債権契約であるから、所有権移転という物権変動は生じないのではないかが問題となる。

 この点、民法176条は、「物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。」と規定しているから、民法は物権変動は意思表示のみで足りるという意思主義の原則を採用している。したがって、 売買契約が締結されれば、その契約の効果として、所有権移転という物権的効果も生ずると解する。
 これを本問にあてはめると、AとBの甲地を目的物とする売買契約を締結しているから、甲地の所有権はAからBに移転した。

 しかし、Aは甲地をさらにCに売却している。Aは既に甲地の所有権を喪失しているから、Cに甲地の所有権は移転しないのではないかが問題となる。

 この点、民法177条は、「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 」と規定し、不動産の物権変動に対抗要件主義を採用している。これは、民法176条の意思主義の原則を修正して、対抗要件を具備しない物権変動は完全な効力を生じないとした規定と解する。

 したがって、AはBに売却した甲地をさらにCに売却することが可能であり、甲地の所有権は、AとCのうち、先に不動産登記を具備した者に属することになる。

 これを本問にあてはめると、Cは既に不動産登記を具備しているから、Cが完全な所有権を取得している。BはCからの土地明渡請求に応じなければならない。
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