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ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。

今MRIの原理を勉強しているのですが、参考書として、Shering社の「分かりやすいMRI」を用いています。陽子のスピンやT1緩和時間、T2緩和時間などをとてもわかり易く説明してくれているのですが、一部にどうしても分からない記述があり、詰まってしましました。
T1強調像の撮像法についての項目なのですが、以下に要約して記します

分かりやすいMRI P46より
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1.縦緩和時間の短い組織A、長い組織Bがあり、そこに90度パルスを送信します。
2.縦磁化が完全に回復する前に再度90度パルスを送信します。送信する直前のタイミングではAの縦磁化はBの縦磁化より大きく回復しています。
3.2回目の90度パルスにより縦磁化が再度90度傾き、その際にAの横磁化ベクトルはBの横磁化ベクトルも大きくなります。その時に得られるFID信号はAの方が大きくなり、縦緩和時間の違いによりFID信号が
変化しました
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書いてある事は分かるのですが、90度パルスによりAとBの横磁化ベクトルに差が出る、という点がどうしても納得行きません。
縦緩和が十分回復していない状態で90度パルスを送信すると、その次の縦磁化に差が出るのなら分かるのですが、なぜ横磁化に差が生じるのでしょうか? 

添付した図の説明にはこうも書かれています
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T1の長い組織Bのの縦磁化は、短い組織Aほど回復していない。従って、二つ目のRFパルス後の両組織の横磁化は異なっている(Frame 5)
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この、従って~ がどうしても分からないのです。

90度パルスは縦磁化と横磁化を合成した巨視的ベクトルを90度倒すので、という意味は分かっているのですが、、、

縦磁化は陽子のエネルギー状態(静磁場に向かっているか反対に向いているかの割合の差)で生じ、横磁化は各陽子の歳差運動がどれだけ同調して回転しているかで生じ、縦磁化と横磁化はそれぞれ独立している、という説明がすごく分かりやすかっただけに、なんだか90度パルスについてはイメージ出来なくて混乱しています。

「MRIの原理 (90度パルス T1WI撮」の質問画像

A 回答 (1件)

縦磁化と横磁化を合成した巨視的ベクトルが図の垂直方向の


太いベクトルV⊥です。
90度パルスが作用すると、縦磁化と横磁化は90度倒され、
結果として巨視的ベクトルも90度倒れ、図の円内の平面上の
水平方向の細いベクトルV╴となります。

このベクトルV╴は、90度パルス後に垂直方向に戻ろうとします。
その緩和時間τ(t)は組織Aにある核と組織Bにある核では異なります。

つまり、緩和しつつある核の磁化の垂直成分V⊥と水平成分V╴の間には
初期磁化ベクトルをVoとすれば簡単には
V⊥= Vo sinθ(τ)、  V‐=Vo cosθ(τ)、  V⊥^2 + V‐^2 = Vo^2
の関係があります。

緩和時間τa<τbなら、V⊥a > V⊥b と成ります(V‐a< V‐b)。
Frame 4の後のVoに相当するのはV⊥= Vo sinθ(τ4)と成っている
わけです。

<従って、二つ目のRFパルス後の両組織の横磁化は異なっている
(Frame 5)>は
V‐5= Vo sinθ(τ4) *cosθ(τ5)
の関係式から、τa<τbならば、V‐5aはV‐5bより大きくなります。
そのFID信号の振幅も異なってきます。

あくまでも縦磁化と横磁化の合成ベクトルに付いて議論し観察して
いることに注意してください。

回答が付かないようなので、敢えて昔の知識を基に回答しました。
間違っていたらごめんなさい。40年ほど前はNMR専門家でした。
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