
■思い入れある愛用品の数々
「目覚まし時計とマグカップ。 25年使ってる」(浅井長政さん)
「冬の初ボーナスで買った野球のグローブ。大阪淀屋橋のミズノ本店で買った。現役時代の使用頻度は少なかったが、リタイア後の今は毎週使っている。44年ものだ」(団塊のおじいさんさん)
「ラジオ。私が小学生の頃に親戚からもらったソニーのラジオキットで、私が生まれて初めてハンダゴテを手にして作り上げた電子工作でした。 元々の設計がとてもしっかりしていたためか30年近く経った今でも現役です」(05051036さん)
回答には、ユーザーそれぞれが愛用品へ抱く特別な思い出や愛情のエピソードがあふれており、20年や30年以上使い続けている品も多かった。
■長く同じ習慣を続けている人の心理とは?
長く同じものを愛用する人のほかに、同じ行動や習慣を長い間続けている人もいる。いつものコンビニで同じ商品を購入、などだ。これはどういった心理なのだろうか。心理学者の内藤誼人先生に聞いた。
「もちろんお店や物に対する思い入れということもありますが、それとは別に、その人の持っている合理的な思考が大きく影響しているのだと考えられます。たとえば『カフェでは常にコーヒーを頼む』と決めておけば、いちいちメニューを見る必要はなくなり、注文がスムーズになりますよね」(内藤先生)
たしかに、あらかじめ選択肢を1つにしぼっておけば、予想外のことが起きる可能性は小さい。内藤先生によると、このタイプの人は日常のどのシーンでも、決断の仕方が似ていることが少なくないそう。
「彼らは『これはやる、これはやらない』という“決断のルール”を持っているのです。男女ともにみられる傾向で、仕事やプライベートを問わず悩んだり迷ったりすることが少なく、非常に手続き化した行動をとっているようです」(内藤先生)
合理的に考えるため、ものごとを割り切って捉えているのだろう。普段選択に困ることが多い人は、一度“決断のルール”を作ってみてはいかがだろうか。
●専門家プロフィール:内藤 誼人(ないとう よしひと)
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。「アドラー心理の言葉」(ぱる出版)、「電車のハシに座る人は成功できない」(大和書房)他、著書多数。