大阪大学の昨年度の物理の入試問題にミスがあったというのがニュースになっています。
以下に大阪大学の発表資料があって、そこに、問題も載っているのですが、私自身、なぜ正答が3通りあるのか理解できない(当初、大阪大学が設定した正答のみが正しいように思える)のですが、3つの正答それぞれの考え方を説明していただけないでしょうか。
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2018/01/ …
出題ミスがあったのは、問4で、大阪大学は、
2d=(n-1/2)λ
のみを正解としていたのを、
2d=nλ ,2d=(n-1)λ ,2d=(n-1/2)λ
の3通りを正解とすることにした、
ということのようです。
単純に考えれば、壁での固定端反射を考えれば、行程差 2d が半波長の奇数倍になるときなので、2d=(n-1/2)λ になると思うのですが、2d=nλ ,2d=(n-1)λ という「正答」はどうやってでてきたものなのでしょうか。
A 回答 (9件)
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No.9
- 回答日時:
1月12日に追加発表が有ったんですね
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2018/01/ …
音源の振動モードの扱いでボケました
ということのようです。これが間違いの元なのか、後付けの
言い訳なのかは明らかにならないでしょうけど(^^;
No.8
- 回答日時:
AN05 さんの
>固定端の場合でも2d=nλになるという回答をしている人がいますが明らかに
>間違えています。
>位相と変異についてきちんと理解していない回答です。
は、もうご本人も気付いていると思いますが、間違いですね。
A―Iの振動モードで考える場合音叉位置では変異の位相が方向によって
逆相になることが考えに入っていない。
No.7
- 回答日時:
少し不躾な指摘をいただいたようですね…
私は気体中を伝わる音波のようなものについては専門外ですので、自分の意見が絶対に正しいと主張する気はありません。議論を深めて、より真実に近づくことができるなら賛成・反対問わず意見を拝聴する準備はできています。ただし、曲りなりにも根拠を明らかにして議論しているものに対しては、自分の論拠を明らかにしたうえで、こちらの論理のどこがどう間違っているのかを指摘するのが自然科学に携わるものの姿勢ではないでしょうか。どのような背景をお持ちで、どれほどこの分野に通暁しておられるのか存じ上げませんが、少なくとも「明らかに間違っている」だけでは、端的というより主観的もしくは非生産的というべきであり、説得力を欠くと言わざるを得ません。
「明らかに間違っている」と仰るのであれば、こちらが既に示している以下の論拠に対する反駁を頂ければと存じます。
・縦波である音波を横波に直す際、手続きがいくつか存在し、それによって同位相・逆位相の概念は逆転し得る(具体的には、問1を踏まえると、音叉の左右においてxの正方向の変位に注目した波動では逆位相、進行方向の変位や密度に注目すれば同位相になる)
・壁で固定端反射が起きることは疑いようがないが、同位相で反射されるか逆位相で反射されるかはやはり上の手続きによってことなる(前者では位相がπずれるが、後者では同位相)。
このことから、どの手続きによっても距離2dの点から同位相の波が来た場合と同一視できるので、2d=(n-1)λが結論付けられる。
自然科学への知識と熱意をお持ちの方なのであればなおさら、最低限のマナーの遵守とより中身のある議論を望みます。
なお、個人的には今回の問題は、壁に極限的に近づいた場合を考えて2d=(n-1)λが正しいと考えますが、壁に接した状態ではそもそも音叉は鳴らないので,2d=nλという回答も間違いとは言えないでしょう。(そもそも想定外の答案のため、設問レベルで限定ができていないと思います)2d=(n-1/2)λという回答に関しては、正答にたどり着いていても、問5に整合させるために修正してしまった人がいるはずなので、正答にせざるを得ないというのが本当のところではないでしょうか。それこそ音叉のモードだったり、反射の問題だったりで無理やりこじつけることもできなくはなさそうなので…
No.6
- 回答日時:
>今回の問題に関しては、問1の前の説明で、わざわざ、音叉の振動モードについて説明してあるので
A-Iで書いてあることがA-IIIにも適用できることを問題で明確にしてほしかったですね。
入試問題なのだし、逆相の振動を起こせないわけではないのですから・・・
おそらく 2d = nλ が正解 2d=(n+1/2)λ は出題者の勘違いだと思います。
ただ、現実には方向によって位相の異なる波を出す音源(例えばスピーカー)などは
珍しくもないので、音源の定義はしっかりしてほしいとは思います。
今回のように反射波との干渉を問題とする場合、あいまいになります。
No.5
- 回答日時:
端的できついような言い方の忠告を失礼します。
固定端の場合でも2d=nλになるという回答をしている人がいますが明らかに間違えています。
位相と変異についてきちんと理解していない回答です。
人の意見に流されずきちんと考えましょう。
私はこのサイトを使ってないのですが間違った議論がネット検索に引っかかり、でみだりに阪大の印象が悪くなるのがよくないと思いました。
No.4
- 回答日時:
専門のものではないのですが、みなさんのご回答を拝見するに、音源での位相の問題と、壁での反射の問題と、どちらも一理あるように思えます。
前の問題で、音叉の両側で疎密が同じになる、という趣旨の問題があります。この場合密度の波としてとらえるならば位相は同じになりますが、変位に注目すればむしろ音源の時点で逆位相になっているはずです。
壁での反射では、固定端なので密度で考えれば位相のずれは起こらず、変位に注目すればさらにπだけ位相がずれることになります。
いずれにしても、トータルでは反射波と元の波の間に位相差は生じないので、2d=nλということなのではないでしょうか。
なるほど。かなり納得しました。
変位で考えても、圧力(密度)で考えても、同じ結果が得られるということで、
2d=nλ が正しくて、2d=(n-1/2)λ は誤り、
というのが、本当のところなんですかね。(今回、阪大は、2d=(n-1/2)λ も正答として扱っていますが)
No.3
- 回答日時:
ko-sanのコメントはたいへん的を射ていると思います。
ただし、物理の専門的な知識がある人が入試問題を読むと、不備だらけということになります。すなわち、「入試問題」だから、ということで、前提となっていることが数多くはずです(例えば、力学の問題で、「特殊相対論的な効果を考えなくてよい」とかかれていない問題は、出題ミスなのか、など)。今回のポイントは、「入試問題」として、「固定壁」による反射が「固定端反射である」ということを前提としてよいか、ということにつきるかと思われるのですが、日本語として、「固定」された壁による反射ならば、高校生の物理の知識では、「固定端反射である」と解釈するのが、極自然なように思われます。
したがって、私は出題ミスとして報道されていること自体、まだ完全に信じることができません。本当にミスなのか、過去に同様の出題をしていた大学がないか、など、ぜひ知りたいところです。
#1の方のお礼に書いたことの繰り返しですが、物理の問題には、「滑らかな床=摩擦を無視してよい」とか、「微小な変化=2次以上の項は無視してよい」とか、決まった表現みたいなものがいくつかあると思うのですが、問題文中の「固定壁」という表現は、必ずしも固定端を意味するとはいえない(単に「壁」と書いてある場合と全く同一の意味。つまり、「固定」という単語は、何の働きも持たない無意味な単語)ということなのでしょうか。。
No.2
- 回答日時:
音叉の振動モードを考えると、音叉の位置で音圧で左右逆相の
場合もあり得るという話では?
普通U字の音叉はU字が閉じたり開いたりする振動のみを考え、
台座に対する全体の曲がりによる振動は速やかに減衰すると
考えるのが妥当だけど、理論的には、台座とU字の結合が充分固く
台座もしっかり据え付けられていれば、そういう振動モードも有り得ます。
とすれば、同相と逆相の両方の答を〇にしないとまずそう。
音叉から出る波自体が方向によって半波長ずれている可能性がある、ということですか。なるほど、という感じです。
ただ、今回の問題に関しては、問1の前の説明で、わざわざ、音叉の振動モードについて説明してあるので、説明にある振動モードだけを考えればよい、という暗黙の仮定があるように思うのですが。。
この感覚自体がおかしい?
No.1
- 回答日時:
ここに書いてある残りの2つの解答はいわゆる「開放端」反射の場合です。
ただnは自然数なので、この2つはd=0を含むかどうかだけの違いですね。問題はy軸の正の方向に動くと書いてあるので、d=0なんて考えにくいですけどね。もっと問題は、「壁なのになぜ開放端?」ということでしょう。壁に接している音を担う分子は自由に動くわけです。実は、最近フォノニック結晶という概念が開発されていて、壁の反射係数の位相シフトをいろいろ変えることができます。でも、それはπ(固定端)、0(開放端)以外の位相シフトδをゆるすので、本当の正解は「壁での反射係数の位相シフトをδと仮定すると、XXX」になるという一つの式で示されるものになると思います。問題の本質は、問題文に「壁の反射は固定端反射とみなす」と限定をつけなかったことでしょう。
なるほど。そういうことですか。。
うーん。まあ、そう言われれば、確かにそうでしょうから反論しようがないのか。
確かに、例えば、壁がものすごく薄くて、壁が振動するとすれば自由端にもなり得るでしょうけど。。
#3の方の回答も見て考えたのですが、物理の問題には、「滑らかな床=摩擦を無視してよい」とか、「微小な変化=2次以上の項は無視してよい」とか、決まった表現みたいなものがいくつかあると思うのですが、問題文中の「固定壁」という表現は、必ずしも固定端を意味するとはいえない(単に「壁」と書いてある場合と全く同一の意味。つまり、「固定」という単語は、何の働きも持たない無意味な単語)ということなのでしょうか。。
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なんか、自分の中で混乱してきてしまったので助けてください。
音波を変位に注目して考えると、固定壁(それ自体は、全く振動しない壁という意味です)は、固定端になりますが、
音波を圧力変動について注目して考えると、固定壁は自由端になりますよね。
ということは、圧力変動に注目して考えると、2d=nλ という答えになる?
でも、見方の違いで、全く同じ物理現象なのに、共鳴する場所が変わるわけがないですし、、。
「圧力変動に注目して考えると、固定壁は自由端だかは、音が強くなるのは、行程差 2d が半波長の偶数倍、つまり、2d=nλ のとき」
という回答は正しいですか?間違っていますか?
なんか、以下のページ
http://p.booklog.jp/book/119494
では、音波の固定壁における反射は、圧力変動に注目して自由端として扱うのが正しい。
つまり、そもそも
2d=nλ ,2d=(n-1)λ
のみが正解であって、
当初正解とされていた
2d=(n-1/2)λ
は誤りだ、と言っているようですね。
そう言われると、そんな気もしてきました。
実際に実験してみたくなってきました。。
#4さんの回答を見ていたら、それが正しいような気がしてきました。
今回、大阪大学は、3つをすべて正答として扱うことにしましたが、
本当は
2d=nλ ,2d=(n-1)λ
のみが正解で、
2d=(n-1/2)λ
は間違っている、と。
まとめると、
・「固定壁」の「固定」はちゃんと意味も持っていて、一般的な解釈通り、理想的な全く動かない壁を意味している。
したがって、固定壁では、変位に関しては固定端反射、密度(圧力)変動に対しては自由端反射が起こる。(この問題では、フォノニック結晶みたいなものは考慮しておらず、壁で理想的な反射が起こると考えている。)
・変位で考えるなら、音源のところで位相がπずれていて、固定壁での固定端反射でさらに位相がπずれるので、結局、行程差 2d が半波長の偶数倍のとき、2d=nλ,2d=(n-1)λ となる。
・密度(圧力)変動で考えるなら、音源での位相差は0で、固定壁でも自由端反射で位相はずれないので、結局、行程差 2d が半波長の偶数倍のとき、2d=nλ,2d=(n-1)λ となる。
ということで、どちらの考え方にせよ、2d=nλ,2d=(n-1)λ が正解。
http://p.booklog.jp/book/119494
によると、
恐ろしいことに、京都大学の2017年の物理に、ほぼ全く同じ設定の問題があったようです。
http://sokuho.yozemi.ac.jp/sokuho/mondaitokaitou …
の
第3問 (4)せ
さて、京大はどうするんでしょうか。。
今頃、焦りまくっているのでしょうか。(間違いなく、指摘来てますよね)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/ …
に、最初に問題を指摘したという、予備校講師・吉田弘幸氏のメールが一瞬ですが載っています。(58秒)
見てみると、吉田氏の論理は、#4のかたの回答(や、http://p.booklog.jp/book/119494)とも違う論理な気がします。
いったい何が正解なのでしょう。。
上記のニュース映像は近いうちに消えてしまうでしょうから、吉田氏の指摘内容を(TV画面から読み取れる範囲で)書いておきます。(この質問の全体の中で、以下は明らかに「引用」です)
---
固定壁での反射は固定端反射と考えるべきでしょう。したがって、反射により位相は反転します。しかし、音波が縦波であることを考慮して波が伝わる向きを正の向きとすると、反射により音の伝わる向きが逆転するので、同位相の波が反射されることになります。
音叉から壁に向かう音とマイクロフォンに向かう音は、それぞれの伝わる向きを正の向きとして同位相で発せられます。
したがって直接波と反射波が強め合いマイクロフォンで観測された音が強くなる条件は
2d=nλ
となります。
---
(今の)私には、この吉田氏の指摘は、最終的な答え 2d=nλ は正しいですが、変位と圧力変動を混同していて間違った考えかたのように思えます。
やはり吉田氏の論理も正しいですね。つまり、この問題は見方が3種類あって、
1(#4の回答の前半) 圧力(密度)変動に注目してみると、音叉から出る波は同相、固定壁は自由端反射で、マイクでは同相になる
2(#4の回答の後半) 変位に注目する。このとき、(音波の進行方向によらず)常に、y軸正の向きの変位を正とすると、音叉で出る波が逆相、固定壁は固定端反射で変位が反転するので、位相が逆になる。したがって、マイクでは同相になる。
3(吉田氏の見方) 変位に注目する。このとき、音波の進行方向の変位を正とすると、音叉で出る波は同相、固定壁は固定端反射で変位が反転するが正の向きも反転するので、結果的に位相は変わらない。したがって、マイクでは同相になる。
ということですかね。
個人的には、非常に勉強になりました。