ある物理学者から次のような話を聴きました。
物理学にはただ一種類の質量しかなく、それは静止質量と呼ばれてきたものだ。相対論的質量とか運動質量とかいう概念は歴史的な所産で過去のもの。だから質量に「静止」という形容詞をつける必要はなく、単に「質量」が正しい。
以上です。しかし、幾つかの参考書や辞典(たとえば岩波理化学辞典-第5版)を見ると、すべて静止質量という単語を載せてあり、"本当は単に質量と言うべき" というような注釈は付けられていません。この物理学者の言うことは、現代物理学での主流なのでしょうか、それとも一つの意見に過ぎないのでしょうか。専門家のご意見を伺いたく思います。
No.2
- 回答日時:
相対論におけるエネルギーE=√((m0c^2)^2+(pc)^2)=m0c^2/√(1-v^2/c^2)
https://ja.wikipedia.org/wiki/E%3Dmc2
この静止質量m0は相対論(的)における古典的エネルギーで表現であって、物理学でただ一種類の質量しかないかは別でしょう。もともとの質量は静止質量ではなく、慣性質量mと重力質量Mの二種類です。
たとえば、電磁気学と量子仮説から、E=|p|c=hf
光の運動量|p|=hf/c、が導けますので、この光の運動量に質量があると定義すれば、
|p|=hf/c=Mc=mw、波動速度w=fλ、波長⊿λ=h/⊿mc、が導かれます。
この波長は、m=Mすなわち、m0=Mのとき、コンプトン波長λ=h/m0c、になります。
なにをいってるかといえば、fという振動数は観測者の時間の結果なんです。
だから、h/c=⊿m⊿λ、の左辺は定義値なんですけど、右辺は不確定性関係があります。
これを量子論的相対性原理(Quantum Relativity)といいます。
相対論のpは四元運動量と静止質量(等価原理:重力質量と慣性質量が常に同じ)の関係で表現したもので、
|p|は光の運動量で、質量との関係は、
スケールファクター=1/√(1±v^2/c^2)=c/w=m/M
ある物理学者の方は、h→0の極限で古典力学に対応するという対応原理に縛られていた20世紀に学者なのでしょうね。
No.4
- 回答日時:
何もわかってない方は、相対論的質量に意味はないとか考慮のないことを平気でいいます。
相対性理論によれば、どんな粒子でも静止しているときの質量をm0 とするとき、速度vで運動しているときの質量mはm0 より大きくなる。
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detai …
といってるのは、相対論であって、縦質量とか横質量とか方向によって値が大きく変わるし、といってるのも、アインシュタインの相対論なんです。
アインシュタインの独自性は,縦質量とか 横質量といった質量の変換だけで,実際,当時はここが実 験的検証の鍵として関心を集めた.
https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public …
だから質量の概念も、自分たちに都合の良い部分だけチョイスしただけの、ご都合主義なんでしょうね。
そもそも質量は、比例係数なんです。
慣性質量(inertial mass)mI はニュートンの運動方程式において導入される量である。 物体に作用する力 F と物体の加速度 a の比例係数として次の様に表される。
https://ja.wikipedia.org/wiki/質量
No.5
- 回答日時:
No.3回答にありますように、単に「質量」と呼ぶのが現在の主流のようです。
手元にある近年発刊された二, 三の本はどれもそうなってました。しかしながら、物理学大百科(朝倉書店)や物理学大辞典(丸善)や1960年代後半に書かれたファインマン物理学では、相対論的質量mと静止質量m_0を区別して用いてます。
私は、相対論的質量mが嫌われている理由を簡潔に説明した文献を知りません。No.3回答を読みますと、万有引力、すなわち一般相対性理論がらみの理由なのかなと推測します。
ただ、この現在主流の考え方では、有名なm c^2がエネルギーに等しいという関係は、静止状態の物体について正しいことになります。また、ファインマン物理学中で多用されているm^2 c^4 = m_0^2 c^2 + p^2 c^2の関係式が意味を成さなくなります。このため、私は相対論的質量mと静止質量m_0を区別するのが好きですね。どちらの立場を取るか断っておれば、好きな方を選べは良いのではないかと思います。
No.7
- 回答日時:
相対的質量、原則として「的」がつく言葉あまり真剣に聞く必要がないようでもあります・
相対質量、相対でしょう。
一説の物質が光速で移動すれば質量は無限だいとも言われますね、光速で移動していない他の位置から見れば・・・でしょうね、だから相対・・・。
質問者から御礼。いろいろとご意見を頂き、ありがとうございました。異議の余地が残っているのかどうかハッキリしませんが、現代物理学の主流は「物理学にはただ一種類の質量しかなく、それは静止質量と呼ばれてきたもの、だから "静止" という形容詞は不要で、単に '質量' が正しい」ということのようですね。それを最初に示してくださった No. 3 の回答をベストアンサーとして、この質問を打ち切りたいと思います。
No.8
- 回答日時:
運動方程式を
dp/dt = F
とすればなんら問題ないのに, ニュートン的に
mdv/dt = F
と書こうとすると質量 m の部分をむりになんとかしないといけなくって, そのために「相対論的質量」なんてものを「発明」したわけです. とはいえ, 実際のところこんなに簡単には書けない (#3 で指摘されているように「縦質量」とか「横質量」とか出てくる) し, 「運動する物体のあいだに働く引力」を考えるとやっぱりむりがある (これも #3 に書かれていますね) ことがわかります. そんなむりを後生大事に持っている必要はないよ, というのが今の主流.
質問者から御礼。いろいろとご意見を頂き、ありがとうございました。異議の余地が残っているのかどうかハッキリしませんが、現代物理学の主流は「物理学にはただ一種類の質量しかなく、それは静止質量と呼ばれてきたもの、だから "静止" という形容詞は不要で、単に '質量' が正しい」ということのようですね。それを最初に示してくださった No. 3 の回答をベストアンサーとして、この質問を打ち切りたいと思います。
No.9
- 回答日時:
そもそもが、物体の運動量mvやγmvで表現する、以下の2粒子のエネルギー保存を1粒子の運動に置き換えてるのは、古典的な表現なんです。
物質の静止エネルギーm0c^2に光のエネルギー|p|cを加えると、
E=m0c^2+|p|c=√((mc^2)^2+(γmvc)^2)=Mc^2
同時に運動量γmvもそこにあると見るだろう。
https://eman-physics.net/relativity/ep_tensor.html
mの内部エネルギーが加わるのか、m0の静止エネルギーのままなのかどうかは別ですね。m≠m0
だからスケールファクター=1/√(1±v^2/c^2)=c/w=m/M、に関係するのは
静止質量m0でなく、m=m0/√(1ーv^2/c^2)
総エネルギーの重力質量Mと慣性質量mの関係なんです、m=M/√(1±v^2/c^2)
No.10
- 回答日時:
もっというと物質の静止エネルギーm0c^2に光のエネルギー|p|cを加えなくても、
宇宙のすべて物は自由落下していて、この自由落下こそが宇宙の慣性系なんです。
E=m0c^2=√((mc^2)^2+(γmvc)^2)=Mc^2
自由落下により物の運動量が変化しても、エネルギーや光の運動量は保存しています。
|p|=E/c=hf/c=Mc=mw
重力を考慮しない近似はあってもいいのですが、
考慮しないで「物理学にはただ一種類の質量しかなく」というのは無理がありますね。
ガリレオやニュートン力学も重力理論が先、もしくは同時に提示しています。
質問者から御礼。いろいろとご意見を頂き、ありがとうございました。異議の余地が残っているのかどうかハッキリしませんが、現代物理学の主流は「物理学にはただ一種類の質量しかなく、それは静止質量と呼ばれてきたもの、だから "静止" という形容詞は不要で、単に '質量' が正しい」ということのようですね。それを最初に示してくださった No. 3 の回答をベストアンサーとして、この質問を打ち切りたいと思います。
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質問者から御礼。いろいろとご意見を頂き、ありがとうございました。異議の余地が残っているのかどうかハッキリしませんが、現代物理学の主流は「物理学にはただ一種類の質量しかなく、それは静止質量と呼ばれてきたもの、だから "静止" という形容詞は不要で、単に '質量' が正しい」ということのようですね。それを最初に示してくださった No. 3 の回答をベストアンサーとして、この質問を打ち切りたいと思います。
No.2 と No.3 のご回答にも上記と同じ補足コメントを。 そしてNo.4 以降の回答にはお礼の欄に。