No.1
- 回答日時:
特殊相対性理論によって導かれるもので、
「観測者から見た場合、運動する物体の質量は光速度に近づくほど増大し、光速度で無限大となる」
というものです。
質量をもつものは光速度を超えられないとは、これが一つの根拠になっています。
エネルギーを投入すれば物体は加速しますが、加速するほど質量が大きくなり動きにくくなるのだから、もっとスピードを上げるにはよりたくさんのエネルギーを投入しなければならなくなります。
光速度という極限で質量が無限大になるなら、そこまで速度を上げるにはやはり無限大のエネルギーを投入しなければならなくなります。
宇宙にあるすべてのエネルギーを力学的エネルギーに転換して投入しても足りません。
宇宙の全質量をエネルギーに変換して投入しても到底間に合いません。
宇宙にあるエネルギー・質量は、いずれも有限だからです。
したがって光速度に到達させるのは無理である、ということになります。
我々の生活範囲ではその影響はまったくといってよいほど現れません。
天体運動のような秒速数十キロ、数百キロというレベルでもダメです。
光速度の数十パーセントという亜高速になって初めてその影響が巨視的になってきます。
No.2
- 回答日時:
ご質問の内容を詳しく述べたHPは日本語の物は殆んど見つかり
ません。しかし、欧米ではMach Effect/Woodward Effect
(thruster)として広く論じられていて、実験も行われている
ようです。効果はまだ確認されていません。
次のHPが比較的解り易いので、それを訳しながら説明します。
http://www2.ee.ic.ac.uk/derek.low08/yr2proj/mach …
マッハ効果
序
マッハ効果は、エネルギを蓄積するイオンは加速された時に
過渡の質量変動を被ると提案した、James F. Woodwardにより
立てられた仮説である。通常の技術と異なり、マッハ効果に
基づく駆動は推進力を得る為に質量の放出を必要とし
ない。Woodwardはこれらの過渡的質量変動は相対論的効果に
起因すると説明している。これらの変動は「インパルス・
エンジン」として知られている、何らの可動要素部材を含ま
ない、物に使われる。
ここで言っているのは1)<マッハ効果>はある研究者の主張
する「仮説」である、2)質量変動は<エネルギを蓄積する
イオンは加速された時に過渡の質量変動を被る>、3)マッハ
効果に基づく駆動は(もし可能ならば)推進力を得る為に質量の
放出を必要としない>、4)<過渡的質量変動は相対論的効果に
起因する>の4点です。( )内は私の補足。
ご質問の関連で注意すべき点は、<過渡の質量変動>、
<駆動は(もし可能ならば)>と<過渡的質量変動は相対論的
効果に起因する>です。
ここで言う相対論的な効果とは、加速される観測質量(ある意味
の定常質量)が速度によって増加すると云う効果とは明らかに
違います。
もし、HPの図の様な装置の運動を解析すれば、内部で周期的な
振動が起こっても装置全体は何らも移動しません(エネルギ保存則)。
しかし彼の主張は、いや起こるのだ、<物体の慣性力は、全宇宙に
存在する他の物質との相互作用によって生じる>のだから。
局所的なエネルギ保存則の破れを正当化する為の理屈です。
以下をも参考にしてください。
<ニュートンによる絶対時間、絶対空間などの基本概念には、
形而上学的な要素が入り込んでいるとして批判した。この考え方
はアインシュタインに大きな影響を与え、特殊相対性理論の
構築への道を開いた。そしてマッハの原理を提唱した。
このマッハの原理は、物体の慣性力は、全宇宙に存在する他の
物質との相互作用によって生じる、とするものである。この
原理は一般相対性理論の構築に貢献することになった。マッハは
「皆さん、はたしてこの世に《絶対》などというのはあるので
しょうか?」と指摘したことがある。>
https://ja.wikipedia.org/wiki/エルンスト・マッハ#業績
時間が有れば、以降も訳し他のHPの記述で補足して見たいと
考えて居ます。
早速のご回答ありがとうございました。
難しい話ですね。
私の頭で理解(つもり)は次のようです。
<エネルギを蓄積するイオンは加速された時に過渡の質量変動を被る>
この際<内部で周期的な振動が起こ>る。
<局所的なエネルギ保存則の破れ。>が派生する。
この<過渡の質量変動>により重心が変わり、その分、推力になる、ということでしょうか?
書いたのは私ですが、何を書いているのか自分でもわかりません。
No.3
- 回答日時:
続きです。
作動概念
Woodwardは、彼のマッハ効果の導出に於いて以下の仮定を立てた。
*ある質量には加速時に慣性が発生する。
*加速物体中の慣性反応力は単純に加速物体と場の相互作用により発生する。
*何らの受け入れ可能な物理理論はローレンツ不変でなければなら
ない、つまり、時空の十分に小さな領域に於いては特殊相対論
(SRT)が成立しなければならない。
Woodward はこの理論をコンデンサの電荷による質量変化で記述し証明する事を試みた。
彼はこれを、慣性の根本原因は全ての質量を引き寄せ合う重力で
ある事を説明し具現実証化した。その様な物として、我々がある
物体をある経路に沿って振動させ、そしてそのプロセス中でその
質量を変化させた時に、(例えばその質量が振動の一方向に大きく、その反対方向に
小さい物に対して)、そこには一方向へ正味の力が存在する。これは物体の慣性は
その質量変化により変化する為である。
ここでは<物体をある経路に沿って振動させ、そしてその
プロセス中でその質量を変化させた時に、>と、何故変化するかに
付いては触れていない。「当然視されているのでは」との疑問が
残る。仮定1)は納得だが、仮定2、3)との関連も不明。
実現可能性―研究の展望/実験
装置図 Woodwardのセット
Externalcasing 外部ケース
Capacitor array コンデンサ配列
Piezoelectric force transducer 圧電素子力トランスデューサ
Vertical position sensor 垂直位置センサ
Diaphragm ダイヤフラム
Surface 表面
Woodwardは「パルス推進力」を発生させる為のマッハ効果を使った
一つの実験を行った。Woodwardは、質量変動が同期されたパルス
推進に連結されたとするなら、「測定可能なある定常効果の生成」が
可能であったと主張している。
右の図はWoodwardが彼の実験に使ったセットアップを例示説明している。
そのコンデンサ配列中で必要とされる質量変動はAC電圧を使い生成される。
圧電素子力トランスデューサは次いでこれと反応しコンデンサ配列の同期的な
仕方での振動を引き起こす。圧電素子力トランスデューサと外部ケース上の
反応力Frはニュートンの運動の第二法則により
Fr=McxAc
ここでMcはコンデンサ配列の瞬時質量、Acは
圧電素子力トランスデューサによるコンデンサ配列の加速度。
質量とコンデンサ配列の加速度の変動が正弦曲線で一定の相関係である事を見出すならば、
Frは定常効果となる。Frを測定する為にセットアップには、コンデンサ配列の瞬時質量の
測定をできる様にする垂直位置センサの付いた軸が置かれている。
私も理解はまだですが、アウトラインは質問者の言われている様なものでは
ないでしょうか。
ここまでの、問題点は
1)マッハ効果の存在を前提としている、
2)効果が有るならば、加速される質量は変動する、
3)質量が変動するならば、それを定常運動する力学系に置換える事ができる、
4)置き換えができれば、それを何も放出しないロケットの推力として活用できる、
5)エネルギ保存則の破れはマッハの(宇宙)原理により解釈される、
の順序です。
1)を前提として2)が確認されたから、3)~5)も成立するとの論法です。
しかし、2)はWoodwrdが主張しているだけで、信頼性の有る追試には成功して
いません。
もう少し時間を掛けて、他の文献も併せて勉強したいと思っています。
再度のご回答ありがとうございました。
drmuraberg様は初学者に対して、何とか理解できるように苦心されて説明されおられますが、当方にはその甲斐が無く恐縮しています
分る(と思っている)部分だけ引用します。
<その様な物として、我々がある
物体をある経路に沿って振動させ、そしてそのプロセス中でその
質量を変化させた時に、(例えばその質量が振動の一方向に大きく、その反対方向に
小さい物に対して)、そこには一方向へ正味の力が存在する。これは物体の慣性は
その質量変化により変化する為である。>
<ここまでの、問題点は
1)マッハ効果の存在を前提としている、
2)効果が有るならば、加速される質量は変動する、
3)質量が変動するならば、それを定常運動する力学系に置換える事ができる、
4)置き換えができれば、それを何も放出しないロケットの推力として活用できる、
5)エネルギ保存則の破れはマッハの(宇宙)原理により解釈される、
の順序です。>
ここら辺で、マッハ効果と結びつくのですね。
今後も、ご説明について、時間をかけ正しい理解を逐次深めて行こうと思います。
ありがとうございました。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
右のグラフから、セットアップが活性化されている時間の間(7~12
秒の間)明らかな質量変動が見られる。Woodwardは、コンデンサ配
列と圧電素子力トランスデューサが一緒に作動しない時にはこの結果が
出ない事を観察していた。したがって、Woodwardの実験は推力を発生
する為に使えるマッハ効果に付いての顕著なケースを表しており、
結果としてロケット駆動に使える物である。
能力評価
ここでPaul MarchのMach-2MHz実験セットアップからの結果を用い、
この技術の能力を評価しよう。最初に、セットアップの寿命は2,3分
だけ持続したが、それは有用なロケット駆動であるには最初の躓き石と
なる。第二にはしかしながら、実験事実は非常に高いIesp=13.62×1012
秒の特性インパルスを示した。これは454秒の特性インパルスを持つ
スペースシャトルのメインエンジン(SSME)のそれよりも優れている。
第三に、セットアップの推力/重量比はたったの7.44×10-4で、比較
されたSSMEのそれは73.12である。
最後に、我々は技術の可能な軌跡を評価して見よう。結果はまだ確認され
ていない、しかし1gの一定加速度に対して、マッハ効果に基づくロケット
駆動は対地同期軌道から月への旅行は約4時間を要すると提案されている。
将来的な開発
新しいデザイン:単軸力発生器対Mach Lorentz推進器
単軸力発生器(UFG)は圧電素子トランスデューサを使いコンデンサを
同相で質量変動を伴い振動させる為のWoodwardの方法の用語である。
しかしながら、それは以下の問題を有している、a)振動周期はKHz領域
に限られている(遅いと考えられている)、b)UFGには破壊音波干渉
問題のある事が知られている。それで、Paul MachはMach Lorentz推力
器(MLT)と名付けられた新しいデザインを提案した。それは干渉問題の
解決を狙って居り、何らの可動部をも持たない物である。ここでは、圧電
素子トランスデューサの役割は動く電荷に対する磁場の電磁的な応答
(Lorentz力)で置換えられた。この力はコンデンサ電圧の変動と同期され、
結果として我々が機械的な力とエネルギ間の位相差を一定に保持できるよう
になる。しかしながら、結果は、主にMachのMLTデザインがセットアップ
全体の加速を発生させないと云う事実によって、素晴らしいものでは無い。
MLTに付いての研究と開発は続いている。
マッハ効果からのワームホール*
振動するコンデンサの見掛け質量が負になるならば、それらの慣性方向は
通常の重力質量に較べて反転する。これは続いて、光速よりも速く宇宙旅行
できるワームホールまたはAlcubierre時空ワープバブルを開く為に巧みに
扱かう事ができるかもしれない。
*この節意味不明。
問題と評価
第一の問題はマッハ効果が運動量保存則に従わないように見える事である。
Woodwardはこの異議に対し、慣性はあらゆる質量間の相互的な重力引力に
よるものなので、慣性を変える質量変動を許し、よって加速度を発生する
いかなるシステムも「反応質量としての宇宙の質量」として使われていると
説明し反論した。この観点からは、運動量保存則に従っている。
理論では、マッハ効果はロケット駆動技術に新しい可能性を導入する物では
無い。したがって多数の研究と開発が行わなければならず正にそうであり、
と云うのは理論化された利益は潜在的には顕著だからである。
今のところMarchの実験結果からは、存在するマッハ効果セットアップの
能力は現行のロケット技術よりも遥かに劣っている。それで、結果はこれらの
理論化された能力を実際に達成できるのかはまだ結論が出ていない。
結局マッハ効果???という感じですね。
時間が有れば、時空の式から変動を導出する文献も見たいと思います。
回答は文献紹介だけでした。これで終わります。
再三のご回答ありがとうございます。
ネコに小判、のようなお気持ちでご説明のことと推察し、恐縮しています。
難しい問題なのですね。
<1gの一定加速度に対して、マッハ効果に基づくロケット
駆動は対地同期軌道から月への旅行は約4時間を要すると提案されている。>のですね。
<振動するコンデンサの見掛け質量が負になるならば、それらの慣性方向は
通常の重力質量に較べて反転する。これは続いて、光速よりも速く宇宙旅行
できるワームホールまたはAlcubierre時空ワープバブルを開く為に巧みに
扱かう事ができるかもしれない。>
<慣性はあらゆる質量間の相互的な重力引力に
よるものなので、慣性を変える質量変動を許し、よって加速度を発生する
いかなるシステムも「反応質量としての宇宙の質量」として使われていると>
<結局マッハ効果???という感じですね。>ですか。
たんなるSFとは、いえないのでしょうね。
<見掛け質量が負に>とか<慣性を変える質量変動を許し>とか、おそらく今までの一般の物理の常識を揺さぶり・ひっくり返しているのですね。
長い間ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
ちょっと調べて見ましたが、これは奇想天外でクレージーな
研究に助成する、NASAの「NASA革新的先進構想プログラム」(NIAC)
で研究されているものです。アメリカらしいなあ(^^;
マッハ効果とは
「物質の質量は全宇宙からの重力に由来する」
という話らしくて、宇宙に対する速度が変わると質量が変化する
というのを基本原理にして、運動量保存則を破ろうとする研究
らしいです。
今の所予想される系統誤差を上回る推力の観測は
得られてないようですね(^^;
度々のご回答ありがとうございます。
<奇想天外でクレージーな研究>なのですね。<アメリカらしいなあ(^^;>ですね。沢山の<奇想天外>な研究から、一つでも成功すれば、元が取れる(人類にとって画期的なブレーク)になるのでしょうね。
あまりにも常識である<運動量保存則を破>ろう、ということですから、成果が楽しみですね。
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